裏Sho-Comi、裏小学一年生があってもいい

──2012年に裏サンデーから初めての単行本が出たとき、「経済的に大ピンチ」「SAVE THE裏サンデー」という率直なアピールでも話題になりましたね。そこから2013年7月に編集部独立まで至ったのは、周りから見ると大逆転劇にも見えると思うんですが。その要因は何なんでしょう。

これもね、すごく矛盾というか葛藤があったんですよ。結局は無料公開をやめたら単行本の売上がすごく伸びて、ちょっとした月刊誌の編集部と同じぐらいの売り上げが立ってしまったっていうのがすごく大きいんです。さっきも言いましたが、その結果ユニークユーザーの増大が止まってしまったんですけどね。

──それだけの売り上げを確保しつつも、アプリは「MangaONE」という名前で、「裏サンデー」ブランドを前面には押し出していないですね。

「裏サンデー」という名前にしたことで、「サンデーっぽい作品」へのアンチテーゼみたいな色が出てきちゃったんですよ。僕らは正直なところ、読者がサンデーらしいと思う作品も好きだし読みたいので、そのブランドイメージを一度新しくして、マンガが好きな人に再度アピールしていきたいと思ったんです。

──今後は、「裏サンデー」という名前は残り続けるんですか？

せっかく作ったサイトなので、裏サンデーっていうブラウザ版は残していこうかなと思うんですけど。MangaONEの中に裏サンデーっていう1ブランドがあるみたいな関係になっていくのが自然かなと。極端な話をすれば、僕らの中で裏スピリッツとか作っちゃってもいいわけで（笑）。裏Sho-Comi、裏コロコロ、裏小学一年生とか……。そういうのがMangaONEの中にあってもいい。僕が勝手に妄想してるだけなんですが（笑）。

──ははは（笑）。今後は他編集部の連携も進めていかれる予定なんでしょうか。

ええ。まあ僕らはまだ全然力が足りないし編集部の人数も少ないので、連携は必須だと考えています。また社内に限らず、我々の考え方に賛同してくれる仲間を、読者や作家の皆さんの中にも増やしていきたいなというのはありますね。

──なるほど。これからアプリをダウンロードしてくれる読者の皆さんに、お伝えしたいことなどありますか。

魅力を持った作品をたくさん、それも気軽に読み始められますから、とにかくアプリをインストールしてみて、自分の好きな作品を探してみてくださいということですかね。そしてもし面白かったら単行本やその電子書籍を買うなり、チケットを使うなりして応援してほしい。それがマンガ業界のさらなる盛り上がりにつながるかなと思ってるので。