「ジョジョ」のカバーで「I"s」を偽装してました
──そして「学級王ヤマザキ」ですが、こちらはコロコロコミック(小学館)と王道ですね。
当時は小学6年生くらいだったと思うのですが、江川達也さんが「魔動天使うんポコ」を連載されていて。「東京大学物語」で大人なマンガを描いていた先生の作品をコロコロで読めるなんて、と興奮していた時期です(笑)。「うんポコ」もちょっとエロかったんですよ。
──実は初めて「学級王ヤマザキ」を読んだのですが、思っていたよりもウンコギャグが満載でした。
あははは! そう、お下劣なんですよ。やっぱり小学生ってウンコが好きですよね。その中でも「学級王ヤマザキ」はなんか好きだったんだよなあ……。カッコいいキャラとかわいいいキャラとヤバいキャラがみんないるところも好きなポイントです。当時は「おはスタ」が始まった頃で、「学級王ヤマザキ」のアニメが始まっていて。
──月亭方正さん(当時は山崎邦正)が歌う「ヤマザキ一番!」でおなじみでしたね。
オープニング主題歌はやっぱり学校とかで流行りましたね。
──「学級王ヤマザキ」で好きなキャラといえば?
おばば様が好きでした。「おば」しか言わないし、175歳っていう設定もめちゃくちゃなんですけど、強烈なインパクトがありますよね。おじじ様とおばば様はいいキャラをしてました(笑)。
──ここでも老人キャラクター萌えが。
実は惹かれていた、と。やっぱりインタビューで紐解いていくとわかるものなんですね。
──ただの偶然かもしれませんが(笑)。そして「I"s」ですが、これまでの3作品から一転、思春期らしい等身大のラブコメです。
もともとウチって、ドラマとかでお色気シーンが出てくると消すような家庭だったんです。「幽☆遊☆白書」と出会ったのは小学校の低学年だったんですけど、その頃はジャンプ作品ってまだちょっと早いというか、ご法度な雰囲気を感じていて。
──なるほど。
初めてジャンプを買ったのは小学6年生だったんですけど、そのときに連載していたのが「I"s」でした。……で、「学級王ヤマザキ」からいきなり「I"s」と、今までコロコロで読んでいたエッチレベルが急激に打ち上がったんです。中でも、とんでもない描き込みの……パンツのシワ。
──ものすごいカルチャーショックですね(笑)。
あれはヤバかったですね……。しかも「I"s」の単行本が欲しくて買うんですけど、単行本を家に置くのが恥ずかしくて。だから申し訳ないんですけど、「ジョジョの奇妙な冒険」の第3部のカバーを「I"s」の表紙の上にかぶせて偽装していました。
──(笑)。たしかに小学生の感覚だと「I"s」はアダルトな雰囲気があるのかもしれません。
そうなんですよ! やっぱり親からやいのやいの言われたくなくて、スタンドに守ってもらいました(笑)。親はあまりマンガを読まないし、「ジョジョ」って劇画調で男の子が好きなマンガというイメージがあったので、妹も手には取らないだろうと。
──江口さんの本棚にあったマンガで「ジョジョ」が一番守ってくれそうだったんですね。
そうです、「ジョジョ」ならやってくれるっていう(笑)。
──子供の頃ってマンガ1冊買うだけでも一生懸命なんですよね。
覚悟がいるんですよね。だから「I"s」も全巻揃えられなくて……。「I"s」ってヒロインの女の子たちの美しいイラストが表紙になっているんですけど、好きな表紙の巻だけ買っていました。いわゆるジャケ買いですね(笑)。
──「I"s」には4人のヒロインが登場しますが、江口さんは誰が好きでしたか?
秋葉いつきです。ショートカットが好きだったんですよ。
──主人公の瀬戸一貴の幼なじみですね。
一貴へのちょっかいのかけ方も好きでした。ストレートに好きをアプローチするんじゃなくて、ちょっとからかう感じの。僕、当時は女子のことが怖かったので、伊織のような女の子らしい女の子よりも、いつきのような活発でガンガン話しかけてくれる子のほうがしゃべりやすかったというか。その活発なイメージが短髪っていう外見的特徴とたぶん紐付いているんだと思います。
──そして最後は「ジャングルはいつもハレのちグゥ」になります。
「ハレグゥ」はなんか、「人生ってよくわからなくていいんだ」って思えるマンガなんですよね。おバカなギャグパートばかりだと思いきや、シリアスな展開にもなったりするし、キャラクターの中には親がいなかったりと複雑な家族環境だったりもする。でもすごくノリがポジティブで、前を向いて生きているキャラクターに元気をもらえるんですよね。
──好きなキャラクターは誰でしょう?
グゥのギャップに惹かれたっていうのはありますね。普段はムスッとしているんだけど、初対面の人とかを前にすると美少女になるという。あとはPOPにも描いたんですけど、やっぱりポクテが好きなんです。ビジュアルの気持ち悪さと、食べてもいいんだっていう衝撃。常識を覆してぶち壊してくれるキャラクターでした(笑)。
──きっかけはマンガから? それともアニメから?
アニメですね。月刊少年ガンガン(旧エニックス、現スクウェア・エニックス)で連載していたと思うんですけど、アニメでハマってマンガを買う流れが僕の中で生まれた時期でした。それまで「南国少年パプワくん」とか「魔法陣グルグル」とかガンガン作品がいろいろとアニメになっていたんですが、その中でも「ジャングルはいつもハレのちグゥ」は気になる存在で。
──何にそこまで惹きつけられたんでしょうね。
オープニングがすごく衝撃でしたね。「LOVE☆トロピカーナ」という主題歌で、いろんなキャラクターとかヤシの実とか何もかもが陽気にダンスをしていて、めちゃくちゃ自由な感じなんです。CDも買ってよく聴いていました。ハマるといろいろ買いたくなっちゃうタイプなんです、はい(笑)。
大人買いするなら絶対「こち亀」
──今回5作品を選んでいただきましたが、実はこれも入れたかったみたいな作品はありますか?
「本当に好きで読んでます!」と言える作品ならたくさんあるんですけど、おすすめとなると難しいですね……。それでいうと「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」は5作品の中に入れたいくらいめちゃくちゃ好きなマンガです。一方で、ラストが子供ながらにものすごくショックで、今となってはこういう締めくくり方のよさがわかるんですけど、当時は「せっかく世界が平和になったのにダイは帰ってこないのかな……」と悲しい気持ちになった思い出があります。自分の中でハッピーエンドが好きと自覚した作品だったのかもしれません。
──確かに「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」はきっと帰ってくる、という含みを持たせたラストでしたね。ほかの作品ではいかがですか?
うーん……。(スマホを見ながら)まだ1巻しか出ていないんですけど、今でいうと「上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花」が好きですね。
──こちらはどんなマンガでしょう?
上伊那ぼたんという女子大生のヒロインがいろんな女の子たちとお酒を飲んでワイワイするマンガなんですけど、絵が抜群にかわいくて。あと、セリフを使わないで絵だけで見せる構成がすごくエモい。たとえるならエモ百合酒マンガなんですが、そのイチャイチャしている様子を見ているだけで幸せになれるというか。
──なるほど。江口さんはこういった新しいマンガに出会いたいとき、電子マンガサービスを利用されますか?
けっこうしますね。電子マンガサービスって無料で読めるマンガが充実しているじゃないですか。今回のまんが王国さんも3000冊以上タダで読めるので、いろいろと試し読みをしていくうちに好みのマンガに出会ったりするんです。
──まんが王国を実際に利用してみていかがでしたか?
僕が一番びっくりしたのは「この作品まで読めるんだ!」っていうこと。今人気の作品がラインナップにあるのは当たり前だと思うんですけど、それだけじゃなくて、子供の頃に読んだタイトルがしっかりとカバーされていたのがうれしくて。ダメ元で検索してみたら、ちゃんとヒットするんですよ。今回の5作品をそういった懐かしいタイトルでまとめたのも、そういう驚きがあったからなんです。
──リアルの書店だと、こういった懐かしい作品に出会える機会は少ないですもんね。
過去に興味があったけど読めていないマンガって、きっと皆さんいっぱいあると思うんですよ。子供の頃はお金がなくて買えなかったけど、大人になって働き始めて自由にお金が使えるようになって、今こそあのマンガが読めるみたいな。そういうときにすぐ読める電子マンガサービスはすごく便利だと思います。
──逆に若い世代の子たちにとっては、昔の不朽の名作に出会えるいい機会になりますね。
そうですね。新作と旧作が等しく並んでいることがこういったサービスのいいところだと思いますし。僕の選んだ5作品にも興味を持ってくれたら江口書店も大成功ということで(笑)。
──まんが王国は毎日最大50%のポイント還元がされるなど、ポイント購入金額に伴って還元率が高くなることから“お得感No.1”を謳っているんです。まさに大人買いをしたいときに最適なのですが、江口さんなら何を買いますか?
それはもう「こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)」に決まってますね。子供の頃からずっとジャンプで読み続けてきたけど、いまだに単行本を持っていなかったので。「こち亀」を買うなら絶対に使わないとですね(笑)。
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