コミックナタリー Power Push - 少年マガジンR
2015年の新創刊マンガ誌が放つ、今が“読みどき”の新作 城平京×片瀬茶柴による本格ミステリ「虚構推理」に迫る
読みどきマンガ②「欲鬼」
欲望vs欲望!
「正義欲」の欲鬼・正人が裁きの鉄槌で悪を滅する
舞台は己の欲望を満たすため超常的な力で暴虐の限りを尽くす“欲鬼(よくおに)”が存在する現代。同じ欲鬼でありながら彼らを狩る男・二十正人と、彼を兄と呼び欲鬼狩りに協力する少女・新菜の戦いを描くバトルアクション。
作品の見どころ
この作品をざっくり説明すると、“欲鬼”という不思議な力を使う存在が事件を起こし、それを二十正人という欲鬼が解決するというお話です。なので性質上、推理モノっぽい演出があったりするのですが、トリックだったり事件の内容だったりというよりも、その事件を起こした欲鬼の内面に注目していただきたいです。
執筆のきっかけ
当初は殺人鬼をテーマにしたダークファンタジーものを描こうと思っていて……たしか設定は「殺人欲に駆られた人間が鬼になる」みたいな感じだったはずです。その“殺人欲”の部分を広げて今の「欲鬼」という形になりました。何がきっかけで広がったのかはよく覚えてませんが、前の構想のときから“正義”というワードが頭の中にありました。そこから二十正人の欲望である“正義欲”という言葉が生まれ、人間が持つさまざまな“欲望”にまで設定を広げようとなったような気がします。
キャラのビジュアル
正人と新菜で髪色を白と黒にしようとはなんとなく考えていたので、今の見た目になりました。正人の髪型が少し(というか大分)派手だったので、逆に新菜はそこまで派手な見た目にしないようにはしました。新菜の胸が大きいのは僕の趣味ではありません、ということにしておいてください。
色原みたび(イロハラミタビ)
pixivなどネット界隈での活動を経て、月刊少年マガジン+(講談社)にて「.GOD」「THE ABSOLUTE」などの読み切り作品を掲載。少年マガジンR1号(講談社)より「欲鬼」連載スタート。11月17日に「欲鬼」1巻発売。
読みどきマンガ③「まじめ系クズの日常」
見た目はまじめ、中身はクズ!
まじめ系クズの正体に迫る
面倒臭いことが嫌いで、努力はせずにがんばっている感を演出し、周囲からの評価が高い真島は、自称“まじめ系クズ”。そんな彼のスクールライフが描かれる。
執筆のきっかけ
学生時代に「真面目系クズ」という単語を見て正に自分はこれだ!と衝撃を受けました。時を経て、ある日シャワーを浴びているとふとこの記憶が蘇り、風呂上がりに猛スピードで5話ほどストーリーを作りました。まじめ系クズ、まじめ、クズの3人を対比させたら絶対面白くなる!とウキウキでした。
ナンキダイ
2013年にニコニコ静画にて「まじめ系クズの日常」を掲載開始。ユーザーからの人気を博し、同作を第1回「ワールドマンガコンテスト」に投稿。参加する各出版社の全編集部から1位を獲得するという快挙で、大賞を受賞。2015年4月から少年マガジンR(講談社)にて本作をリメイクした「まじめ系クズの日常」を連載スタート。11月17日に1巻発売。
読みどきマンガ④「今夜は月が綺麗ですが、とりあえず死ね」
恋心が、正体不明の殺意へ
幼なじみへの恋心が正体不明の殺意に変わってしまった男子高生・神城卓を主人公にしたダークサスペンス。殺意の目覚めとともに校舎を倒壊させられるような肉体に変化した神城の、残虐で残酷な物語が展開される。
読みどきマンガ⑤「ディクテーターズ ―列島の独裁者―」
分断された日本が舞台のガンアクション
昔日帝国、斜陽、十州の3国家に分かれた日本を舞台に繰り広げられるガンアクション。昔日帝国の皇女にして狂科学者の少女と、斜陽に住む機械音痴の少年が出会ったことから、物語は動き出す。