コミックナタリー Power Push - 週刊少年マガジン編集部×ラブコメ

マンガ大好きアナウンサー・よっぴーこと吉田尚記と“次に来る少年ラブコメ”を探せ

「徒然チルドレン」編

この作品のヒロインはこちら

上から神田沙希、皆川由紀、パトリシア・コールフィールド、上根綾香。
1 神田沙希(カンダサキ)

高瀬と“両片思い”状態だが告白がことごとく空回ってしまう女子。

2 皆川由紀(ミナガワユキ)

真面目な古屋純を優しく振り回す女の子。兄離れできない古屋の妹・ほたるをからかうのも大好き。

3 パトリシア・コールフィールド

留学生。ケイスケに「私アナタノコト寿司!!」「NO 好キデハアリマセン」と言って惑わし、ケイスケと付き合ってからハグは許すも「キスハスケベ!!」と恥じらい混乱させる。

4 上根綾香(カミネアヤカ)

大人しくてフェミニンな女の子。不器用で男らしい剛田と付き合っている。剛田がたまに見せる積極性にドキドキが止まらない。

天然ボケを炸裂させてフラグをへし折ってしまう高野千鶴と、高野のことが好きな菅原卓郎。

──では次の「徒然チルドレン」はいかがでしたか。

4作品の中で一番笑いました。

──ラブコメを「ラブ」と「コメディ」にわけるとしたら、「コメディ」部分が秀逸だと。

笑える、これは本気で笑える。会話劇としてすっごくよくできてて面白いんです。そしてたぶん、ネームを毎回練りに練ってると思うんだよなあ……。作者の若林さんは言葉のセンスが小説家よりもある方だと思います。

──どこにセンスを感じました?

吉田尚記が「ちょうどよく下手」と褒め讃えたサムライラッパー・MC鬼武者が登場する「ラッパー」より。

“ちょうどよく下手なラップ”だったり、単行本の柱コメントが毎巻歌になってたり。キャラクターの言葉がグルグル回って、コメディとして別の意味を持つまでの展開とかにも全然無駄がない。あと“松浦彩音”とかキャラクターの名前にミュージシャン愛を感じるんですよね。“菅原卓郎”って9mm Parabellum Bulletのボーカルと全く同じだし。作者の若林(稔弥)さんは音楽が好きで、言葉のセンスが抜群という印象を持ちました。

「徒然チルドレン」は1歩先の時代を進む4コマ

──「徒然チルドレン」は4作品中、唯一の4コママンガです。

吉田尚記

4コマラブコメって名作が多いんですよ。僕はみずしな孝之さんの「幕張サボテンキャンパス」あたりから、4コマラブコメ界の時代が1度変わったと思っていて。ももせたまみさんとか後藤羽矢子さんとかもその年代かな。この時代に、4コマでラブコメが描けるってみんな気付いたんだと思います。最近だと「月刊少女野崎くん」(椿いづみ)、「WORKING!!」(高津カリノ)も名作ですけど。「徒然チルドレン」はもう1歩先の時代を進む4コマだという気がしますね。

──どの部分でそう感じました?

後半に大ゴマをめちゃくちゃ使うところ。あと割とフラットにカップルを先に進めますよね。あんまり同じところでグルグルしない。

──「徒然チルドレン」はたくさんのカップルが登場して恋愛を繰り広げていますが、例えば生徒会長とヤンキーのカップルは新しいエピソードのたびに仲が進展していっているのがわかりますね。

生徒会長・赤木正文とヤンキー・梶亮子のカップルのエピソード「独裁」より。

そうそう。生徒会長とヤンキーのカップルは、この2人のカップル自体がよくできてる。生徒会長の悪どい男が主導権を持ってるのは新しいと思うんですよ。あと僕は旧日本兵みたいな本山くんがすごく好きで。

──現代日本の学園ものなのに、自分のことをナチュラルに「我輩」って言ってますよね(笑)。

それからオタクの山根くんと超いい子な栗原さんのカップルも好きです。6巻の最後、コミケで告白するエピソードはどうしようもないなと(笑)。本山くんがひたすらいい奴。ほかのカップルもみんな好きですけどね! ちょっとシビアですがこのマンガを読んで、今の4コママンガはこれだけのアイデアがないと勝負できないんだなって感じました。

──確かに、生徒会長とヤンキーのカップルだけでも十分連載できそうな気がしますね。

単行本にはおまけマンガも多数収録されている。

でしょう? でもほかにも太めの女子と落ち着いた男子とか、冷徹同士とか、どのカップルでも連載できるじゃん!ってレベルのキャラクターたちばかり。しかもみんな、どこにでもいそうな高校生たちなんですよ。お仕事マンガみたいな側面もないし、過剰な設定を付与しているわけでもない。若林さんはキャラの発想力が豊かで、キャラクターを大量投入して勝負してるんです。そこがすごい。

金田陽介「寄宿学校のジュリエット」発売中 / 講談社
「寄宿学校のジュリエット」3巻
3巻 / 463円
3巻 Kindle版 / 432円
1巻 / 463円
1巻 Kindle版 / 432円

寄宿学校、ダリア学園。敵対する2つの国の生徒が通う、この名門校に、許されぬ恋に悩む学生がいた。東和国寮の1年生リーダー“犬塚露壬雄”。彼の想い人は、宿敵・ウエスト公国寮の1年生リーダー“ジュリエット・ペルシア”。すべては、犬塚の命がけの告白からはじまった!! 絶対にバレちゃいけない恋物語! 別冊少年マガジン(講談社)で連載中。

若林稔弥「徒然チルドレン」発売中 / 講談社
「徒然チルドレン」6巻
6巻 / 463円
6巻 Kindle版 / 432円
1巻 / 463円
1巻 Kindle版 / 432円

「君が好き」って言えない君へ。もどかしくて恥ずかしくて照れくさい思いがたっぷり詰まった、Webで大人気の学園ラブコメディ4コマが待望の単行本化!! その思い、きっと伝わる気がしてくる!! 週刊少年マガジン(講談社)で連載中。

永椎晃平「星野、目をつぶって。」発売中 / 講談社
「星野、目をつぶって。」3巻
3巻 / 2016年11月17日発売/ 463円
3巻 Kindle版 / 432円
1巻 / 発売中 / 463円
1巻 Kindle版 / 432円

俺は、彼女に、メイクをすることになった──。小早川はクラスの日陰者。休み時間は寝たフリ……。クラスメイトには名前も憶えられてない……。だが、ある夕暮れ、小早川はクラスの人気者・星野海咲の誰も知らない素顔を知ってしまう! そして、その日その時こそ、小早川の、星野の秘密を守る波乱の日々の幕開けだった! 秘密を抱えた少女×退屈に生きる少年──2人が紡ぐ“日常革命系ボーイ・ミーツ・ガール”!! 週刊少年マガジン(講談社)で連載中。

ムサヲ「恋と嘘」発売中 / 講談社
「恋と嘘」5巻
5巻 / 463円
5巻 Kindle版 / 432円
1巻 / 463円
1巻 Kindle版 / 432円

「誰かを好きになる」──人はいつの間にその罠に墜ちるのか。人生のパートナーを国が決める世界。それは希望であり、絶望であった。どこにでもいる古墳好きの少年・根島由佳吏は、そのちっぽけな胸に、燃えるような恋心を秘めていた。恋が許されない世界で、16歳の夜、少年は、禁じられた冒険へ走り出す!! マンガボックスで連載中。

吉田尚記(ヨシダヒサノリ)
吉田尚記

1975年12月12日東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、1999年ニッポン放送入社。入社以来、「オールナイトニッポン」などニッポン放送のヤングタイム番組を中心に担当。2011年度「第49回ギャラクシー賞」において「DJパーソナリティ賞」を受賞。現在は毎週月曜日から木曜日深夜24時から放送中のワイド番組「ミューコミ+プラス」を担当中。マンガ、アイドル、落語、デジタルガジェットなど多彩なジャンルに精通。愛称はよっぴー。

今夜もオトパラ!(ニッポン放送)

月~金 17:30~20:50

仕事帰りのひとときに“オトナを楽しむ”個性的なパーソナリティが、仕事・遊び・趣味など幅広い話題を繰り広げるオトナによるオトナのラジオ番組。月曜から木曜までは松本秀夫と渡辺一宏が、金曜日は吉田尚記と里崎智也がパーソナリティを務めている。