汚れなきマンガ愛好家・鈴木仁が、LINEマンガでリアルに読んでいる5作品を知りたくない? (2/2)

鈴木仁が厳選! LINEマンガのオススメ作品

──では、今回お選びいただいたLINEマンガのオススメ作品について、どんな魅力を持つ作品なのか1つずつご紹介いただけますか?

まず「ザ・ボクサー」はタイトル通りボクシングものなんですけど、格闘技を観るのが好きということもあってのめり込んだ作品です。マンガって成長物語がほとんどだと思うんで、こんなふうに最初から最強のキャラクターが確立している作品は少ない気がするんですよ。あと、ダークな雰囲気もいいですね。ずっと闇を抱えながら強くあり続ける、みたいな描き方が。

「ザ・ボクサー」

「ザ・ボクサー」

「ザ・ボクサー」

数々の世界チャンピオンを育ててきた伝説のボクシングトレーナー・K。そんな彼が最後の弟子を探す途中に出会ったのは、路地裏でリンチにあっていた1人の少年・結城だった。戦いの技術や闘志の欠片すら見せない結城だったが、振りかかる拳を見つめるその目は弱者のものではなく……。怪物のような力を持った少年が才能を磨き上げ、世界へと放たれる。

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──どんな人にオススメしたいですか?

けっこうマンガを読まれている方にオススメできるんじゃないかなと。マンガ好きの人が見てこそ楽しめる要素がけっこうあるんですよ。あとは、勢いのあるシーンが多いので、もちろんスポーツものが好きな方にもオススメです。

「ザ・ボクサー」第2話より。 ©JH/LINE Digital Frontier ©ULTRAMEDIA

「ザ・ボクサー」第2話より。 ©JH/LINE Digital Frontier ©ULTRAMEDIA

──個人的には、ヒーローものが好きな人にも合いそうかなと思ったんですが……。

ヒーロー好きの人が気に入りそうなのは「ゴッド・オブ・ハイスクール」かな、って自分は思っちゃいますね。これはもう、小中学生にマストで読んでもらいたい。王道の少年マンガを通ってきた子がその延長線上でそのまま楽しめると思います。最近はまたバトルものがきてる感じもありますし。

「ゴッド・オブ・ハイスクール」

「ゴッド・オブ・ハイスクール」

「ゴッド・オブ・ハイスクール」

最強の高校生を自称するジン・モリ。そんな彼の人生は、全世界最強の高校生を決める大会「ゴッド・オブ・ハイスクール」に招待されることで一変する。モリは全世界の猛者共を相手に成長していくが、世界最強の称号は果たして誰の手に渡るのか……。異色の高校生たちによるハチャメチャなバトルが幕を開ける。

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──バトルものが好きな人に向けて、この作品ならではの推しポイントを挙げるとしたら?

やっぱり、一番はwebtoonならではの表現じゃないですかね。空中戦から地面までのダイナミックな描写とかは、ページの制約があるマンガではなかなか表せないものがあるので。内容的には王道少年マンガのような要素をたくさん感じられるので、そういう“知ってる”感じの楽しさを、新しい形で味わえる作品なんじゃないかなという気がします。

──「復活する男」についてはいかがでしょう。

まっすぐに自分の意志を貫き通す男のカッコよさがストレートに描かれている作品ですし、悪いやつに立ち向かうストーリーは男性ならみんな好きですよね(笑)。そういうところをひねらずにまっすぐ表現するという点で、韓国ドラマを好きな人とかがハマるマンガじゃないかなと。そこがすごく魅力的だなと感じています。

「復活する男」

「復活する男」

「復活する男」

ソク・ハンは29歳にしていまだ定職にも就けず借金まみれ。ある日、隣の部屋に住む女子高生をチンピラから助けようとして刃物で刺し殺されてしまう。これまでの生き方を後悔しながら意識を遠のかせるソク・ハンだったが、自宅の布団で目を覚まし……。実は“死ぬと3日後に復活する男”だったソク・ハンによるバトルアクションだ。

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──日本のマンガでは味わえないよさがある?

日本のマンガだと、もうちょっと暗い画面になりがちなイメージがありますね。これもカラーの利点かなと思うんですけど、色が着いていることで少しポップな印象になるというか。髪も赤いし(笑)。暗いけど、どん底まで行ききらないバランスがいいのかなと思いました。

「復活する男」第4話より。 ©YLAB/LINE Digital Frontier

「復活する男」第4話より。 ©YLAB/LINE Digital Frontier

──では最後、「平凡な8組」の魅力はどんなところに感じますか?

これはもう、webtoonを読んだことのない人全員にオススメしたいです。キャラクターがみんな、とにかくかわいいんですよ。アニメっぽい雰囲気の絵で気負わずに読めるんだけど、ちゃんと読んでいくと実は深いっていう。“人間”をしっかり描いていて、訴えかけてくるメッセージ性もある物語なんです。それをすごくコミカルに読めてしまうところがすごいし、素晴らしい作品だなと思いますね。学校の休み時間にずっと読んでいた記憶があります。

「平凡な8組」

「平凡な8組」

「平凡な8組」

拓巳は小さい頃から頭が人一倍大きいのが悩み。高校生になってもその頭は成長し続け、クラスメイトたちに迷惑をかけるまでになってしまった。そんな拓巳は教師からの勧めで、個性と多様性を尊重するレインボー高校へ転入することに。そこは腕や首が長すぎたり、身長が小さすぎたりと、拓巳に負けない個性を持つ面々が集まっていて……。平凡ではない者たちによる学園ライフが展開される。

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──確かにおっしゃる通り、割と突拍子もない設定ではあるんだけど、描かれる人間関係や心理描写はちゃんとリアルなんですよね。

そうですね。それにモノクロではなくカラーの作品だからこそ、より多種多様なキャラクターたちを表現できているのかなと。ぜひwebtoon初心者の方には最初の1作として読んでいただきたいなと思います。

「平凡な8組」第2話より。 ©ヤングパーカー/LINE Digital Frontier

「平凡な8組」第2話より。 ©ヤングパーカー/LINE Digital Frontier

そのままで生きていたい

──さらに、「次にハマりそうな作品」として「強化レベル99 木の棒」を選んでいただきました。フルダイブRPGの世界で最弱の武器をたまたま最強レベルに強化できてしまった男の物語ですが、なぜこれを?

いやあ、いい意味でくだらなさと面白さがヤバいなあと思って(笑)。読んで初めて味わってほしい仕掛けがあったりもするんで、どこまで話していいかが難しいんですけど……単純に、ゲームが苦手な人間からすると「課金しないでこんな最強になれたら楽だよなあ、いいなあ」という気持ちで読める作品ですね。

「強化レベル99 木の棒」

「強化レベル99 木の棒」

「強化レベル99 木の棒」

初心者装備がゆえにVRゲーム「クロノライフ」で雑魚扱いされ続けてきた“俺”。装備の強化にも失敗しついに身ひとつとなった“俺”だったが、偶然手に入れた初心者用の武器・木の棒の強化に大成功。最強レベルまで強化された木の棒は驚異的な威力を誇り……。

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──ゲームをしないのにこの作品を選ぶというのは、ちょっと意外な感じもしますが……。

逆に、苦手だからこそかもしれないです。憧れというか。本当にゲームをやらないので、スマホにもゲームアプリなんて1個入ってるかどうかくらいのレベルで、弟と対戦してもだいたい負けてましたからね。最近流行っているFPS系のゲームとか、どこを歩いているのかすらわからないですもん(笑)。だから今、自分の家にはゲーム機がないです。

「強化レベル99 木の棒」第1話より。©紅実・jipely/LINE Digital Frontier

「強化レベル99 木の棒」第1話より。©紅実・jipely/LINE Digital Frontier

──ここまでのお話から察するに、おそらく「ゲームをする時間があったらマンガを読みたい」タイプですよね。

正解です!

──今回選んでいただいた作品の中で、役者として「このキャラを演じてみたい」と思ったものは何かありますか?

この中でですか? ……まあ「平凡な8組」は不可能でしょうね(笑)。「ザ・ボクサー」も、もっと闇を抱えていないと表現しきれない気がするし、体格もかなりげっそりさせないといけないだろうから、つらそう(笑)。そうなると、やれそうなのは「復活する男」の主人公くらいかなあ……。

──消去法で(笑)。

消去法ですね(笑)。「ゴッド・オブ・ハイスクール」も相当大変そうだし。

──そもそも、マンガを読むときにあまりそういうことを考えないですかね? 「この役やってみたい」とか。

今でこそちょっと考えるようになりましたけど、本当に最近やっと、という感じですね。取材とかでもそういうことを聞いてもらえる機会が増えたので。

──でも、本質的には仕事とマンガは別のものとして考えている?

今までは完全に別物でした。

──言うなれば、「マンガを仕事に利用したくない」みたいな感覚でしょうか。

利用したくないというよりは、できないと思います。本当に単なる趣味に過ぎないですし、ただただ大好きなものとして読んでいるだけなので。

──ということは、“マンガ好きキャラ”を打ち出していきたい気持ちもそんなにないですか?

マンガ好きだということは知ってもらいたいんですけど……そこまで行くと「全部読んでおかないと」みたいなプレッシャーがかかりそうですよね。自分は好きな作品だけに偏っているタイプなので、そういうふうに出ている方々は本当にすごいなって思ってます。

──つまり、純粋に作品と向き合いたいタイプなんですね。読者根性が染みついているというか。

そうですね。もうちょっと強かに「利用してやろう」くらいの気持ちがあったほうが、たぶんマネージャーとかはうれしいんだろうなと思うんですけど(笑)。

──(笑)。

けっこう自然に、そのままで生きていたいタイプではあるので。それはマンガに対しても同じですね。

プロフィール

鈴木仁(スズキジン)

1999年7月22日生まれ、東京都出身。2014年にアミューズオーディションのファイナリストに選ばれ芸能界入り。第31回MEN'S NON-NOモデルオーディションでは準グランプリを獲得し、以降同誌の専属モデルとして活躍している。俳優としてはドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」「ギヴン」「消えた初恋」「モトカレ←リトライ、映画「4月の君、スピカ。」「小さな恋のうた」「のぼる小寺さん」「ジオラマボーイ・パノラマガール」「モエカレはオレンジ色」などに出演した。2023年3月上演予定のオールナイトニッポン55周年記念公演「宮沢賢治『銀河鉄道の夜』より『たぶんこれ銀河鉄道の夜』 ~The Night of the Milky Way Train(right?)~」にも出演が決定している。