俳優やモデルとして活躍し、マンガ好きを公言する鈴木仁。そんな彼はLINEマンガのリアルユーザーで、マンガを電子で読む際には同サービスをメインに使っているという。コミックナタリーでは鈴木にインタビューを行い、これまで読んできたLINEマンガのオリジナル作品から一押しのタイトルを紹介してもらった。また鈴木はLINEマンガ編集部が用意した候補の中から、次にハマりそうな作品も吟味してピックアップ。物柔らかで自然体な鈴木の汚れなきマンガ愛をご覧あれ。
取材・文 / ナカニシキュウ撮影 / 曽我美芽
趣味は「マンガ」としか答えようがない
──鈴木さんはマンガがものすごくお好きだそうですね。
好きですねー。趣味を聞かれたら「マンガ」としか答えようがないくらい(笑)、暇さえあれば読んでます。特に今はスマホでも読めるし……でもやっぱりモノとして買うのが好きなので、じっくり読むときは家に帰って紙の本で読むことが多いですけど。
──そもそもマンガにハマったのはいつ頃ですか?
小学3年生とか4年生くらいのときです。もともと両親がマンガ好きで、あるとき「DRAGON BALL」と「NARUTO-ナルト-」「ONE PIECE」(いずれも集英社)を買い与えてくれたんですよ。そこで「マンガって面白いな!」となって。あまりテレビを観ない家庭だったこともあって、それ以来娯楽と言えばマンガという感じになり、お小遣いは全部マンガに費やすようになっていきました。
──なるほど。入口は完全に週刊少年ジャンプ(集英社)の王道少年マンガで。
そうでしたね。それからいろいろ読み漁るようになるんですけど……あまりメジャーではない作品も読むようになってくると、だんだん買うのが大変になってくるんですよ。そういう作品って、都心の大型書店でしか取り扱っていないことが多いじゃないですか。毎回そこまで買いに行くのは無理だなと思っていたときに、デジタルのマンガというものに出会いまして。それがたぶん中学生か高校生のとき……中3くらいだったかな。
──中高生からすると、電車賃もけっこうダメージが大きいですしね。
そうなんです。デジタルなら都心まで出なくても買えるし、関連作品とかをいろいろ調べてたどっていくこともできるから、めっちゃ便利だなと思って。
──当初、デジタルでマンガを読むことに抵抗や違和感はなかったですか?
なかったですね。まあ、紙と違ってスマホの画面にはバックライトがあって目に悪いので、「長時間読み続けるには向いてないかも」と思ったりはしましたけど、そもそもスマホでずっと読み続けるということが自分の場合はないので。
──先ほども「じっくり読むときは紙で」とおっしゃっていましたしね。デジタルは本当に外出先でパッと読む用という感じ?
そうですね。なので、抵抗みたいなものは全然なかったと思います。
──おそらく当初はデジタルと言っても従来の横読みマンガをそのままデジタル化したものを読まれていたと思うんですが、webtoonと呼ばれる縦スクロールのマンガに出会ったのはいつ頃ですか?
正確には覚えていないですが……高校生のときにはもう読んでいたので、少なくともここ最近の話というわけではないですね。それこそ今回オススメに挙げさせてもらった「ゴッド・オブ・ハイスクール」が最初くらいだったかもしれないなあ。それまでの、ページをめくって読む形とはまったく違う感覚でバトルの勢いを感じられたんですよね。1つの絵がスクロールしてもスクロールしてもまだ続いていて、「おおー、まだ続く」「やっと地面に着いて破裂した」みたいな(笑)。しかもカラーだし、「こういうものがあるんだ?」と驚いた記憶があります。
──そのときも、驚きはしても特に違和感などは覚えず?
違和感、なかったですね。タテのマンガに入る前に普通のマンガをデジタルでも読んでいたから、「アプリで読む」ということに慣れていたからかもしれないです。段階を踏めたのがよかったのかも。
──とはいえ、従来のマンガに思い入れの強い人ほどwebtoonには抵抗を感じるケースもあると聞きます。そういう意味では、鈴木さんはけっこう柔軟なタイプなんですね。
でも、もともとアニメはあまり観ないタイプで。アニメが苦手だという意味ではないんですけど、なんて言うのかな……マンガを読むときって、頭の中で動きを想像しながら読んでいるんですよ。自分で自由に想像できることが楽しくて好きなので。
──アニメになっちゃうと1つの動きしか観られないから、想像の余地が奪われる感覚?
それもありますし、アニメだと「ちょっと戻って観返したい」というときに戻りにくいというのもあって。マンガだとパッと戻って確認できますけど、アニメはどんどん進んでいっちゃうから。そういう意味で、アニメよりも縦スクロールのカラーマンガのほうが入っていきやすかった、自分に合っていたというのはあるかもしれないです。
鈴木仁に課金させる方法
──webtoonにはどういうきっかけで出会ったんですか?
たぶん、LINEマンガってLINEをよく使う学生にとっては出会いやすいアプリだと思うんですよ。その流れで自然に触れていたような気がします。最初にアプリでマンガを買ったのがLINEマンガだったので、それからもずっとそれでしか買ってなくて。マンガアプリにもいろいろありますけど、僕のメインは今もLINEマンガです。LINEマンガの特集だから気を使って言ってるわけじゃなくて(笑)、本当にそうなんですよ。
──課金するタイプですか? それとも、課金せずに待って読みます?
めっちゃ買ってます。もちろん、23時間待てば無料で読めるシステムも最大限に活用していますけど(笑)。毎日待って1日1話ずつ読んでいくのも楽しいんで、そういう作品はあまり課金せずに楽しんでいます。それでも、後半のほうとかで課金しないと読めないゾーンに来るとすぐ買っちゃうんですけど(笑)。
──課金する作品としない作品って、どんな基準で決めているんですか?
うーん、なんだろうなあ。課金する基準……難しいですね。
──LINEマンガのwebtoon作品って、割とどの作品も共通して各話の終わりがめちゃくちゃ次を読みたくなる作りになっていますよね。
そうですね。
──そこで我慢できるものとできないものは、何が違うと思います?
自分の場合、基本的に我慢することが楽しいんですよ。「明日まで待たないと続きが読めない」という状況を毎日楽しんでるから……。
──それは斬新なご意見ですね。
そうですか? 待つの、楽しくないですか?
──単純にまだ最新話が世に出ていない状況であれば次の話を待つのが楽しいというのもわかるんですけど、すでに先々まで公開されているのに待つのが楽しい、という感覚は個人的にはまったく理解できないです(笑)。
あはは(笑)。まあ「1週間待て」と言われたら厳しいですけど、23時間くらいだったらちょうどいいなと。あとは……そうだ、今思い出しましたが、ちょっと前の話を読み返したくなるマンガは買っちゃうことが多いかもしれないです。例えば推理ものとか謎解き系って、いろんな作品を並行して読んでいると過去回の細かいことを忘れちゃうこともあるんで。さっきのアニメの話じゃないですけど、そういうときはパッと前の話に戻って確認したいんですよ。そういう作品には課金しがちかもしれないです。
──なるほど。それは作家さんにも参考になるお話かもしれませんね。
ホントですか?
──「課金させるためには、戻って確認したくなる話を描けばいいのか」みたいな。
なるほど。そうですね、そういうものを描けば、少なくとも鈴木仁は課金するかもしれないです(笑)。
ランキング1位の作品よりも……
──今回、鈴木さんからオススメのLINEマンガ作品を4タイトル挙げていただきました。すべてwebtoon作品となっていますが、これはどういう基準で選ばれたラインナップなんでしょうか。
シンプルに、今まで自分が好きで読んできた作品を選ばせていただきました。だいたいLINEマンガのwebtoon作品を常に1個は読んでいる感じなんですよ。最初が「ゴッド・オブ・ハイスクール」で、次が「平凡な8組」、その次が「復活する男」。で、「ザ・ボクサー」は本当につい最近まで読んでいた作品です。ちなみに今は、オススメには挙げなかったんですけど「どうも宅配便です」という、ちょっとホラー系の作品を好きで読んでいるところです。
──新しく読み始める作品はどんなふうに選んでいるんですか?
だいたいLINEマンガのオススメとか人気ランキングとかをバーッと見て、そこから選ぶんですけど……けっこう天の邪鬼なタイプなので、ランキング1位の作品とかは読みたくならないんです。
──いかにも玄人っぽい性質ですね(笑)。
「流行ってるからという理由で読むの、嫌だなあ」みたいな(笑)。好きで読んでいる作品がたまたま流行ってくれたらうれしいんですけどね。だいたい、いつもそういう感じで選んでいます。
──紙と電子問わず、ジャケ買いをよくされるという噂も聞いていますが……。
しますね。例えば、そのとき自分の中で“来てる”ジャンルがあったりすると、メインで読んでいる作品のほかに同ジャンルの別作品を試しに買ってみたりします。急に1つの作品を単独でジャケ買いしてショックを受けるよりは(笑)、1つ保険があったうえでチャレンジしたほうが「楽しかったらラッキー」くらいの感覚で読めるので、気が楽なんです。
──それは面白い手法ですね。仮にそのチャレンジ枠が失敗しても、それによって本命作品の素晴らしさがより際立つ結果にもなりそうですし。
それ、あります! 特にサッカーマンガではけっこうよくあるイメージですね(笑)。試合だけじゃなくて戦術論だったり監督の采配、チームの内部事情なんかもしっかり描くタイプの作品が好きなんですけど、それをやろうとしてあまりうまくいっていない作品に当たると「ああ、やっぱり『GIANT KILLING』(講談社)が最強なんだな」と改めて思ったり(笑)。
──そういえば、鈴木さんはもともとサッカーがお好きなんですよね。
幼稚園から小中高と、ずっとサッカーをやっていたので。でも、実はプロの試合を観たりとかは全然しないんです。日本代表もJリーグも観ないし、もちろん海外サッカーも全然知らなくて。サッカーマンガしか見ない(笑)。
──珍しい人ですね(笑)。
自分がやっていないスポーツのほうが観るかもしれないです。格闘技は好きで、ずっと観ていますね。
次のページ »
鈴木仁が厳選! LINEマンガのオススメ作品