LINEマンガで新連載としてスタートした「俺だけレベルMAXなビギナー」は、「俺だけレベルアップな件」の制作スタジオによる最新作。高難易度すぎる“クソゲー”内の試練が、なぜか現実世界に現れることから始まるアクションファンタジーだ。
コミックナタリーは男性ボーカルユニット・浦島坂田船のうらたぬきが「俺だけレベルアップな件」のファンであるという情報を入手し、彼にインタビューを実施。想像以上のマンガ好きで、自身のYouTubeチャンネルでゲーム実況を配信するほどゲーム好きでもあるうらたぬきは「俺だけレベルMAXなビギナー」をどう読んだのか。マンガやゲーム、アニメなどのカルチャーから受けた影響などについても語ってもらった。
取材 / 倉嶌孝彦文 / 西村萌
「俺だけレベルMAXなビギナー」
ゲーム実況配信者の主人公・鈴木裕人は、あまりの難易度から“クソゲー”と呼ばれる「試練の塔」を唯一クリアしたプレイヤー。しかし、もう誰も興味を持たない「試練の塔」はサービス終了が確実視されていた。11年もかけてクソゲーをクリアした裕人はこれを機に現実と向き合い、ゲーム実況者としての生活を終わらせることを決意。ところが次の日、街中に突如不気味な塔が出現した。それは裕人が11年の月日を費やしてクリアした「試練の塔」そのもので……。裕人は塔を攻略した経験を活かし、誰よりも強い最強のビギナーとして新たな試練に挑む。
5話だけじゃ物足りない!
──うらたさんはSNSやラジオでよくマンガについて発信されていますが、普段どんなときに、どんなマンガを読まれているんですか?
僕、お風呂が大好きで。お風呂の中にスマホを持っていくんですけど、そのときは基本的にマンガを読んでますね。有名どころだと「ハイキュー!!」「テニスの王子様」「黒子のバスケ」「BLEACH」などのジャンプ系。あとは「はじめの一歩」「七つの大罪」、今話題の「東京卍リベンジャーズ」とか。でも少年マンガだけじゃなく、青年マンガや少女マンガまでけっこう幅広く読んでます。スマホに入ってる電子書籍だけで、たぶん5000冊以上はあるんじゃないかなと。
──すごいですね。今回はうらたさんがお好きな作品の1つに「俺だけレベルアップな件」があるとお伺いして、同作の制作スタジオによる最新作「俺だけレベルMAXなビギナー」を一足先に第5話まで読んでいただきました。率直な感想はいかがでしたか?
いやあ、5話だけじゃ物足りなかったです!(笑) 以前から絵が丁寧で見せ方もうまいなと思ってたんですけど、今回もど頭に登場するドラゴンの描写でもう一気に引き込まれましたね。マンガ好きとしてその作品が面白いかどうかは1巻分ぐらい読んでからじゃないと判断できないと思ってるんですけど、それでも設定が凝っていたので読み応えがありました。早く、早く次のお話をください……という感じです(笑)。
──あはは(笑)。「俺だけレベルMAXなビギナー」は主人公の鈴木裕人が“クソゲー”と呼ばれるほど高難易度なゲーム「試練の塔」を11年かけて全クリした日の翌日、なぜかゲームに登場する塔が現実世界に現れることから始まります。設定が凝っているというのは、どんなところで感じましたか?
最近はゲームや小説などの中に転生するという話が多いですけど、現実世界が舞台になるっていうのがやっぱりいいなと。異世界に飛ばされると今までの人間関係はゼロになって、またイチから構築し直しじゃないですか。でも現実世界のままだと、そのキャラクターの背景が見えてきやすいですよね。
──なるほど。確かに、これまでの人間関係があるからこその面白い展開も作れそうです。
あと主人公の思い切りのよさも魅力的でした。塔を攻略しないと世界が滅亡するという状況で、唯一ゲームを攻略できたのは自分だけ。それを受けて、「よし、家でダラダラしてる場合じゃない。急がないと!」みたいな。プロの格闘家を目指せと言われていたほどの身体能力もありますし、何より1つのことに11年間も打ち込んできた粘り強さがある。そういう意味で、ゲームだけが強い一点突破なキャラクターに見えて、割とマルチに才能がある主人公なんだなと思いました。
──序盤に敵として登場する“強欲のマングローブ”に対しては、狡猾さも見せていましたね。
そうですね。だけど圧勝の裏には、11年間で得た経験と知識があるというのも応援しがいがあるなと思いました。
知らず知らずのうちに読んでいたwebtoon
──「俺だけレベルMAXなビギナー」もそうですが、フルカラーかつ縦スクロールで読むWebマンガは“webtoon(ウェブトゥーン)”と呼ばれています。このマンガの形式についてはご存知でしたか?
webtoonという言葉こそ知らなかったですけど、けっこう読んでると思います。ええっと、LINEマンガで言うと「女神降臨」「喧嘩独学」「闘神転生記~世界を救うセカンドチャンス~」「弱いヒーロー」「ランダムチャットの彼女!」「だから俺はアンチと結婚した」「全知的な読者の視点から」「人生崩壊」……。ここでは言い切れないほど、たくさんの作品を読ませてもらってますね。
──webtoonはスマホでの閲覧に最適化していることが売りなのですが、読みやすさや操作性についてはいかがでしたか?
従来のマンガの形式と違うってこともそれほど意識することなく、自然にスッと入り込めましたね。改めて意識してみると、縦読みだと大ゴマの見せ方が少し特殊だなと感じました。
──うらたさんが先ほど言及されていたドラゴンの描写も、コマを縦に大きく使えるからこその迫力がありますね。
それと従来のマンガってページの右側から読んでいきますけど、左側が先にちょっと目に入っちゃったみたいなこともあるじゃないですか。でも縦読みだとその心配がないというか、次の展開をスクロールしながらドキドキしながら待てるのがいいなと思います。いきなり登場人物が死んじゃうみたいなネタバレは見なくて済むわけですもんね(笑)。
──確かに(笑)。ちなみにwebtoonは最近ますます進化を遂げていて、画面が動いたり、あえてスマホを横にして読ませたりなどの工夫を凝らした作品も増えているそうです。うらたさん的に、こういうwebtoonがあったら面白いのではというアイデアはありますか?
今は映画で4Dってあるじゃないですか。スマホだと難しそうですけど、それと同じように匂いも体験できたら面白いですよね。あとは本編のページを開いたら、アーティストさんの楽曲がBGMで流れるとか。アニメでも映画でも、「作品は知らなかったけど、あの人が出てるなら観てみようかな」ってことあるじゃないですか。作品単体の魅力で勝負するのもいいですけど、いろんな方面からファンを取り込めたらよりいいのかなと思います。もし「俺だけレベルMAXなビギナー」がアーティストさんとコラボするってなったときには、浦島坂田船にお声がけお待ちしておりますので!(笑)
次のページ »
人生最大にハマった作業ゲーとは