コミックナタリー PowerPush - 九井諒子作品集「竜のかわいい七つの子」

「地に足着いた系ファンタジー」の若き旗手 待望の短編集のカバー制作を密着レポート

九井諒子「子がかわいいと竜は鳴く」 試し読み

「九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」より、描き下ろし作品「子がかわいいと竜は鳴く」を1話まるごと無料公開! そのままブラウザで読みたい方のためにはJPEGを、スマホやタブレットで読みたい向きにはPDFのファイルを用意した。お好みのデバイスでじっくり楽しんでほしい。

「九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」収録作を一挙紹介

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」収録作「竜の小塔」

「竜の小塔」

海国と山国、敵対するふたつの国は戦争状態にあったが、国境の小塔で竜が子育てをはじめてしまう。近づいた者は食い殺されてしまうため、両国は停戦状態に。そんな中、商人としてやってきた海国の青年に、山国の少女は心を許し始める。作品集の幕開けにふさわしい、竜がカギとなるファンタジーロマンス。

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」収録作「人魚禁漁区」

「人魚禁漁区」

人魚と人間が共生している田舎町を舞台に、異種族間の心の交流を描く現代ファンタジー。ある日、主人公の高校生は道路脇に倒れている人魚を助ける。人魚はなぜか彼の高校に行きたがっており……。2011年5月に個人誌にて発表されたのち、加筆修正を加え、月刊コミック@バンチ2012年1月号(新潮社)に掲載された。

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」収録作「わたしのかみさま」

「わたしのかみさま」

海洋学者を夢見る雪枝は、中学受験を前にした小学生。模試で散々な結果を出してしまい家に帰れず、小山の頂上に逃げ込んでいた。そこで彼女は魚の姿をした、消えかけのかみさまと出会う。

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」収録作「狼は嘘をつかない」

「狼は嘘をつかない」

生まれつき月に1度は狼男になってしまう「狼男症候群」の大学生・けー太と、その母親との親子関係を描いた意欲作。病気のせいでまともな青春を送れないけー太は、自分の病気をネタにエッセイストとして活躍する母にイライラしていた。そんな中、彼は大学で見知らぬ女子に声をかけられる。

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」収録作「金なし白祿」

「金なし白祿」

高川白祿は凄腕の日本画家。あまりの巧みさに、両目を描くと命が吹き込まれて絵から飛び出してしまうので、必ず片目しか描き入れなかった。そんな白祿が詐欺にあい、身ぐるみ剥がされてしまう。白祿は金儲けのため自らの禁を破り……。

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」収録作「子がかわいいと竜は鳴く」

「子がかわいいと竜は鳴く」

竜の巣に近い山岳の村に、皇帝の息子がやってくる。皇帝は重い病気で、それを治すために竜の鱗が必要なのだ。村に滞在していた女性ヨウは道案内を申し出るが……。人と竜、それぞれの親子を通して、異なる生命観を描き出す。

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」収録作「犬谷家の人々」

「犬谷家の人々」

全員が超能力を持つ一族、犬谷家を描いたミステリーコメディ。双子の姉は次元を操る能力、父はテレパス、母はサイコキネシスト。だが双子の妹ありさの能力は、自分の「着ているものをパジャマに変える」。トホホな能力に嫌気がさしていたありさだったが、能力開花のお祝いに一族が集まった。そんな記念日に少年探偵・銅田一耕助が犬谷家にやってきて、事件が起こる。

あらすじ

見たこともない物語のはじまり、はじまり。

前代未聞の漫画ここにあり! 2年の沈黙を破って、九井諒子ワールドの幕がふたたび開く。

竜と人、人魚と野球少年、神様と小学生──それぞれの絆を題材とした過去の6作品に加え、全38ページの新作描き下ろし作品を収録。笑いあり、涙あり、きっとあなたが忘れていた、親と子の絆を思い出す7つ物語。

収録作品
  • 「竜の小塔」……Fellows! 2011-AUGUST volume 18
  • 「人魚禁漁区」……2011年5月 個人誌にて発行
  • 「わたしのかみさま」……Fellows!(Q) 2011 AUTUMN “Quiet”
  • 「狼は嘘をつかない」……Fellows! 2012-JUNE volume 23
  • 「金なし白祿」……2011年10月 個人誌にて発行
  • 「子がかわいいと竜は鳴く」……描き下ろし
  • 「犬谷家の人々」……Fellows!(Q) 2012-AUTUMN “Q.E.D.”
九井諒子(くいりょうこ)

プロフィール画像

2011年3月、イースト・プレスより発売された短編集「竜の学校は山の上 九井諒子作品集」でデビュー。孤独な勇者や進学に悩む女子中学生の天使、労働規制されるケンタウロスなど、現実(リアル)と幻想(ファンタジー)を独自の感覚で交えて描き話題となる。同年8月より、WEB文芸誌MATOGROSSO(イースト・プレス)にて、「ひきだしにテラリウム」を連載。現在、Fellows!(エンターブレイン)での長編連載を準備中。