「ケンガンアシュラ」ファーストサマーウイカインタビュー|「好きなものしか入ってないお弁当か!もっとお漬物的な要素も欲しいわ(笑)」

「ボコボコにやられたらええのに」って思いました

拳願絶命トーナメント1回戦

第15仕合

“タイの闘神”ガオラン・ウォンサワット

“タイの闘神”ガオラン・ウォンサワット

187cm / 91kg / 28歳

ムエタイ、ボクシング

“大物喰い”金田末吉

“大物喰い”金田末吉

170cm / 73kg / 27歳

古武術(紅人流)

  • タイ王国政財界の支配者ラルマー13世のボディガード。

    高校時代は女子にも劣るほどの体力しかなかった。一流の棋士でもあり、詰め将棋のような戦いが得意。

  • ムエタイを極めたのちボクシングに転向、わずか4年で4団体統一ヘビー級王者になった打撃のスペシャリスト。1呼吸で15発繰り出す、高速のジャブが得意技。

    データを徹底収集し、イメージトレーニングを重ねることで、相手の攻撃を予測する。

  • 日本にはまだ侍がいると勘違いするなど、天然な面も。

    偶然を装ってトーナメントに近づき、本来の参加者である氷室涼に勝利することで参戦した経緯を持つ。

解説
ガオランは打撃に特化したわかりやすいファイトスタイルと、シンプルな強さ・カッコよさを誇り、Webで行われた人気投票で1位を獲得したキャラ。対する金田は武道家として最低限の体力しか持たず、自分を「弱者」と認識しているが、弱さゆえに「最強」を渇望し、トーナメントに参加する異色の存在だ。仕合開始当初はガオランからナメられていた金田だったが……?

──最後は先ほどウイカさんもお気に入りだとおっしゃっていた、ガオランの仕合です。ガオランは過去の読者の人気投票でも1位のキャラで、ボクシングとムエタイを極めた実力者。相手の金田は自分を“弱者”と言っていて、実際に体力が全然ないものの、将棋で培った先読みの能力と古武術で戦うという、ちょっと変化球の仕合ですね。

金田は顔がもう何かを物語ってるんですよね。きな臭いものを隠してる。

弱者なりの覚悟を持って仕合に挑んだはずが、本能で体が下がってしまうことを恥じる金田。

──彼は「弱いなりに『最強』を目指したいから、頭を使ってがんばる」というキャラです。

向かい合ったとき、ガオランの気迫で金田が「下がるなよ…『体』」と言ってたのはいいシーンでした。

──頭では戦いたいと思っているのに、勝手に体が後退してしまうという。ほかの闘技者が基本的には強いキャラばかりなので、彼はもしかしたら読者的には比較的共感しやすいかもしれません。

共感は……私はないかな(笑)。ガオランのほうが好きになっちゃったから。金田は「ボコボコにやられたらええのに」って思いました。

──ひどい(笑)。でも実際にボコボコにやられて負けてしまいます。

そうなんですよね。

──ウイカさんのようにちょっと斜めからマンガを読むタイプだと、「こんな弱いキャラがわざわざ出てきたということは、裏技的にどうにか勝つのでは」とは思いませんでした?

「わかってんだよ! 才能がないことなんて!!! だけどなぁ!!! 俺にはこれしかねえんだよ!!! 命の一つや二つ、いつでもくれてやるよ!!! …………どいつもこいつも勝手に決めつけんじゃねえよ。『弱者』が『最強』目指して何が悪いんだよ!!??」という魂の叫びは、ガオランを本気にさせる。

確かにね。でも金田が勝つ要因がないからな……。強いものが勝つのが「ケンガンアシュラ」なのかなと。でも金田が割とあっさり負けてしまったとはいえ、勝ち負けがすべてじゃないとも思います。彼の「『弱者』が『最強』目指して何が悪いんだよ!!??」というセリフはよかったですし。彼なりに一生懸命、頭を使ってここまできたんだなって。めんどくさい奴だけど、強くなりたかったんだなっていう愛おしさはあります。

──その魂の叫びを受けてからのガオランが本気を出すという流れもよかったですよね。

そう、あの言葉を真摯に受け止めて、金田をちゃんと相手として認め、全力で潰す。それがガオランの懐の深さですよ。

「ケンガンアシュラ」に限らず、主人公タイプが苦手

──この3仕合以外で、印象に残ったキャラはいますか?

カルト教団「救世界」の狂信者にして大量殺人者・永島銀司が戦闘の際に見せたのがこの構え。なお「人は裁かれなければならない」の文字は、永島の顔にもタトゥーとして刻まれている。

印象に残ったということで言うと、3巻の永島ですね。この「人は裁かれなければならない」のポーズ。これはね、Twitterでバズる(笑)。

──お目が高い。彼はずっと出てくるキャラではないんですけど、ファンから熱狂的な人気があります。

LINEスタンプにしたほうがいいですよ。誰かに「遅刻するー」って言われたらこれで返したい(笑)。

──ほかには、例えば主人公の王馬なんかは。

うーん、「ケンガンアシュラ」に限らずですけど、私はどんなマンガでも、主人公タイプって苦手なんですよね。バカ……っていうと言い方よくないか(笑)、無垢だったり、無鉄砲だったりっていうキャラクターが。周囲に支えられてナンボっていうか、周りに助けてもらう力に長けているタイプですよね。もちろんそれもよさだと思いますけど。

──(笑)。特に少年マンガの主人公は、周りに迷惑をかけがちかもしれません。

いや、でも最初に言ったように「ケンガンアシュラ」は“好きなものばっかり入ってるお弁当”なんですよ。でも私はそこにお漬物なり、プチトマトも欲しいかなっていうのはあります(笑)。このマンガだとそのポジションは、エロい姉ちゃんたちかな。秘書の秋山たちにすごく緩和してもらってるのはあるかもしれないです。エロい姉ちゃんはいい、うん。……ところで「ケンガンアシュラ」、実写化の予定ってないですか?

ファーストサマーウイカ

──出演する気じゃないですか(笑)。アニメなら今NetflixでPart 1、Part 2が配信されてますよ。テレビでは1月から、TOKYO MXほかで放送が始まります。そういえばウイカさんは「ジュマンジ/ネクストレベル」で声優デビューもされたんですよね(参照:ファーストサマーウイカが「ジュマンジ」続編の吹替声優に、前作キャストも続投)。

どこかで声優で出たかったなー。エロい女キャラとかじゃなくて、「うああ!」って1発でやられるキャラでも全然いいので(笑)。