お菓子作りって大変
──今回はホワイトデーに合わせての特集公開ということでクッキーを作っていただきましたが、作り終えてみていかがでしたか?
古川慎 疲れました(笑)。お菓子作りって大変ですね。
鈴木崚汰 いや、ホントに。めちゃくちゃ力を使いました。
古川 女の子ってバレンタインデーに手作りチョコとかを作るわけじゃないですか。もしチョコクッキーを作るってなったら、今日の行程にプラスしてコーティング用のチョコを湯煎で溶かしたりするって考えると大変。女の子ってすごいなって思いました。
鈴木 そこはやっぱり愛の力なんじゃないですか?
──おふたりは普段料理はなさらないんですか?
古川 たまに気が向いたときにチャーハンを作るくらいですね。普段は外食だったり買ったりして食事を済ませちゃっているので。
鈴木 僕は全然しないですね。
古川 気が向いたときに、とかもなく。
鈴木 一切気が向かないんです(笑)。
──話は変わりますが、「かぐや様」の女性キャラの中で「この人からチョコをもらいたい」というのを挙げるとしたら誰になりますか?
鈴木 うわ、迷うなー。でも……僕はミコですかね。ミコ好きなんですよ。彼女は周囲の男性に対してあんまり興味なさそうな感じがしていて、チョコをあげなさそうかなと思って。だからミコからもらえたらうれしいですね。
古川 僕はやっぱりかぐやからもらえたらうれしいんでしょうけど、何か裏を感じてしまいますよね(笑)。
鈴木 確かに。
古川 かぐやにもらいたいっていう気持ちはありますけど、ハーサカからもらってみたりすると面白そうだなとも思いましたね。
鈴木 絶対美味しいですよね。
古川 料理の腕も確かだろうし、これもかぐやと同じように「このチョコにはどんな意味があるんだろう?」みたいなことを考えさせられると思うので、それも面白いだろうなと。
1期の初期は小原ちゃんの存在が大きかったのかも
──ではここからはアニメについてお伺いしていければと思います。アニメ第2期の制作は昨年10月に発表されましたが、おふたりはいつ頃2期をやるという話を聞いたんでしょうか?
古川 昨年の3月に最終回が放送されて、2、3カ月経ったくらいですね。「2期が決まりました」と言われて。
──古川さんは昨年「AnimeJapan 2019」で行われたステージでも「またキャストやスタッフとたぶん会うなという気がしています」とおっしゃっていましたね(参照:「かぐや様」エンジンはまだブルンブルン、古賀葵&古川慎が第2期に意欲)。
古川 その予感が当たってよかったですね。まだまだやりたいエピソードがたくさんありましたし、原作をアニメ化していくペースを考えたら、大きなイベントとして体育祭のエピソードもできるんじゃないかみたいな期待もあって。どうなるかすごい楽しみだなって気持ちがあるので本当にうれしかったですね。
鈴木 僕も1期をやって作品への愛が深まっていたので本当にうれしかったですね。で、決まった当初はやっぱり「どのエピソードまでアニメ化するのか」っていうところがすごく気になって。放送前だからあまり詳しくは言えないですけど、古川さんもおっしゃっていたように、体育祭のエピソードというのは自分が石上というキャラクターに改めて入り込むきっかけにもなった話なので楽しみですね。
古川 2019年内からアフレコを始めるか始めないかみたいな話があって、すでに録り始めているんですけど、決まった直後から「早くやりたいな」という気持ちはものすごくありましたね。
──過去にも特集やイベントで何度かキャストの方々を取材していますが、皆さん本当に仲がいいというか現場にいいムードが流れていますよね。
古川 なんででしょうね。
鈴木 アフレコが終わったあとも、みんな残ってしゃべってますよね。
古川 でも最初はちょっと緊張感があったよ。1話、2話録ってた頃は面識がない人も多かったし、「さあこれからどうやって打ち解けていこうか」みたいな感じで。
鈴木 そうなんですね! 僕は1期の途中からの参加で、そのときにはすんなりとチームに入ることができたのでそれは知らなかったです。
古川 今考えてみると、(藤原千花役の)小原(好美)ちゃんの存在が大きかったのかもしれないですね。初期の頃に小原ちゃんが「みんなでこの作品を作っていきましょう」っていう雰囲気で、すごくがんばっていろんな人に声をかけて盛り上げてくれていたんです。「いい子だな」と思って見ていたんですけど、僕や(四宮かぐや役の)古賀(葵)ちゃんも「しゃんとしなきゃ!」ってなって。それが土壌になって今があるんじゃないかなと思っています。
鈴木 まさに劇中の藤原と同じような立ち位置で。
古川 作中でも藤原が緩衝材になってくれたりしますし、ときにはカオスな状況に持っていく役割を果たしたりしているから同じような役割を担ってくれているなと。もちろん小原ちゃんはカオスな状況には持っていきはしないですけど(笑)、すごく感謝していますしありがたいですね。
──2期からは新たに富田美憂さんが伊井野ミコ役でメインのメンバーに加わりますよね。富田さんも鈴木さんのときと同じようにすんなり馴染めたんでしょうか。
古川 これはネタバレになっちゃう部分もあるので詳しくは言えないんですけど、劇中のキャラクターと自分の境遇をシンクロさせるっていうのもあってだと思うのですが、最初は1人でいることが多かったですね。でも今はだいぶ馴染んでいると思います。
鈴木 よく野菜スティックを食べていますよね。
古川 すごい大人びているんですよね。「若いのにすごいなあ」って、いつも思っています(笑)。
鈴木くんがいろいろなところに遊びを入れてきて
──アフレコがすでに進行しているとのことでしたが、1期から期間が空いたことでご自身の演技やチームに変化などはありましたか?
古川 いい意味で変わらないところがあって、連帯感というか、「この感じが『かぐや様』の現場だよね」って感じましたね。先ほど言ったように小原ちゃんが休憩中にいろいろ話してくれたりだとか、古賀ちゃんはホワホワしていたりだとか(笑)、(早坂愛役の)花守(ゆみり)さんがいい感じに周囲にツッコんでくれたりだとか。
鈴木 花守さんはどういう話をしても、いつも笑ってくれますからね。1期から変わったところで言うと古賀さんがすごくパワーアップしているというか。
古川 1期の頃よりキャラクターへの没入感が増していて、「こいつは負けられねえな」っていうお芝居をずーっとしてくれるんですよね。本当にすごい。お芝居で言えば、鈴木くんも2期ではいろいろなところに遊びを入れてきているよね。
──遊びっていうのはどういう?
古川 言い回しの部分ですね。台本のチェックをしているときに、ほかのキャストさんがどんなふうに演じるのか想像するんですけど、僕が思っていたものとは全然違うプランできて、「鈴木くん、ここはこういうお芝居でくるのか!」と思わせられることがあります。1期のときにも思っていたことではあるんですけど、2期では石上がよりクローズアップされるようになって、そういうシーンが増えたかなと。
鈴木 キャストの方々の中に1期を通して形成されていた、石上というキャラクターに対する僕の演技のイメージみたいなものもありますしね。ベースというか。
古川 そうそう。そういうイメージから「こうくるだろうな」と思っていたらさらに違うものを出してくる。考えていたものがストレートだとしたら、だいぶフォーク気味なボールを投げてくるんですよ。「落としてきたな、こいつ!」みたいな(笑)。
鈴木 (笑)。現場では古川さんやナレーションを担当している青山(穣)さんが、先輩として背中を見せてくれる感じがあるんですけど、そのほかのメンツって割とキャリアだったり歳だったりが近い方々なんですよね。そういう皆さんが1期より進化しているのを見て、僕もやっぱりそこに張り合わないといけないなっていう意識があって。1期が終わってキャラを寝かせていた間に、「もっと何かできないかな」とか、それこそ「アドリブで何を言う」とか、そういう部分を含めてもう一度考え直してこの2期に臨んでいたんです。
古川 僕はそういう鈴木くんの演技を聞いて「なるほどね、じゃあこっちもちょっと遊んでみるか」ってお芝居を変えてみたりもする。この作品は、そうやって遊びがあっていい感じに収録できているなと思っています。
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古川さんはとにかく声がでかい