完璧なように見えて完璧じゃない中にあるキャラの魅力

小原　「かぐや様は告らせたい」って、第1話から第3話くらいまでの中で「このキャラクターはこういう人物ですよ」っていう説明をしているんですけど、それ以降のエピソードでキャラクター性が少しずつ崩れていくんですよね。例えばかぐや様はキツい性格の女の子に見えがちですけど、周りに見せないように会長にときめいているところだとか、会長は会長で完璧な人に見えながら実はポンコツな部分があってすごい努力をしているっていうのがだんだんわかってくる。

古賀　そういう完璧なように見えて完璧じゃないっていう部分があるのが、「かぐや様」のキャラクターの魅力なのかなって思います。

鈴木　人間味があるんですよね。

花守　この作品って原作もアニメも第1話の最初に「恋愛は戦！ 好きになったほうが負けなのである!!」ってナレーションがあるじゃないですか。だからかぐや様も会長もすでに負けてるんですよ！

古賀　確かに（笑）。

花守　どちらかが折れて告白すれば幸せになれるのにと思いながらも、2人ともすごく不器用だから。片思いってやっぱりつらいんだけど、でもその分楽しいこともあるっていうのが作品の中にいっぱいちりばめられているんですよね。かぐや様と会長を見ていると、青春ってホントにいいなって思いました。

古川　そういう不器用なやり取りもこの作品の面白さのひとつですけど、やり取りを形にする展開力もすごく神がかってるんですよね。お見舞いの話にしてもそうだし、かぐやと白銀が2人で買い物に行く話なんかもそう。お見舞いや買い物っていうシチュエーションを用意して、その中でこのメンツでどんなことが起きるのかっていうワクワク感をめちゃくちゃ面白おかしく消化してくれる。演じているときは気付かなかったんですけど、こうして改めて話していると、「かぐや様」はものすごいキャラクター力やシチュエーション力を持った作品で、それをキャストやスタッフ全員で総合芸術のように仕上げているんです。こういう作品に携われて本当に幸せですし、先ほども言いましたけどまだアニメ化されていないエピソードも含めて最後まで走りきれればなと思っています！