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コミックナタリーでは、J:COM STREAMで視聴できる2024年冬アニメの見逃し配信対象作品から、2クール以上続くアニメ7作をピックアップして紹介。これまでに放送されたシーズンからおすすめのエピソードや、興奮や感動で胸が熱くなる“胸熱ポイント”も紹介しているので、好みのアニメを探してみては。
文 / 伊藤舞衣
「薬屋のひとりごと」
日向夏の小説「薬屋のひとりごと」が原作の、とある大国の後宮を舞台としたミステリー。帝の妃たちが住む後宮で次々と起こる難事件を、薬と毒への好奇心が強い少女・
化学や医療の要素が取り込まれた謎解きは、さまざまな人物の思惑も交わりその面白さを増幅させている。後宮という舞台から侍女たちによる諍いはありつつも、それを飄々とした態度でかわし、ときに相手に厳しく接する猫猫のおかげでストレスなく鑑賞できる。また、猫猫が周囲に引かれつつも毒味を楽しむシーンなどユーモアもたっぷりで、ミステリーでありながら笑える場面が多い作品だ。映像も美しく、キャラクターたちの繊細な表情や所作、きらびやかな後宮の装飾までもが丁寧に描き込まれているので、じっくり観て楽しんではいかがだろうか。
【おすすめエピソード】
第6話「園遊会」
胸熱ポイント:「これ、毒です。」原作の名シーンが美麗な映像に
帝と4人の上級妃、皇族や高官たちが一堂に会し食事が振る舞われる園遊会で、猫猫が毒見役としての本領を発揮するこのエピソード。怖がる様子もなく次々と料理を口へ運ぶ猫猫が、瞬時に毒入りの料理を見破る。
園遊会では猫猫が化粧で華やかに大変身。毒を口にした彼女の恍惚とした表情が艶やかに描写される。直後に言い放つ「これ、毒です。」はプロジェクトPVの冒頭でも印象的に使われたセリフ。名場面の1つと言えるシーンの映像化は、ファンなら胸が熱くなるポイントだ。毒入り料理で上機嫌な猫猫に呆れつつ、彼女を心配する美しい宦官・
©日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
「弱キャラ友崎くん」
対戦格闘ゲーム「アタファミ」で日本一の実力を持つプレイヤーだが、現実では友達も彼女もいない“弱キャラ”の男子高校生・友崎
物語序盤の友崎の絶妙なダサさや後ろ向きな考え方は、自身に劣等感を持つ人なら同族嫌悪を感じてしまうほど共感する部分が多いのでは。その分、成長していく様子には勇気を与えられ、応援するような気持ちで楽しむことができる。また、生々しく描写されるクラスのカーストや、それぞれが抱える悩み、人間模様も見どころ。劇中で日南がレクチャーする身だしなみや、クラスでの立ち回りのコツは現実でもためになる知識が詰まっている。
【おすすめエピソード】
第2シーズン第4話「村人たちにもきっと村人たちなりの生活がある」
胸熱ポイント:周囲に影響を与え始める友崎
第1シーズンで見た目も変化し、クラスのリア充グループとも打ち解けた友崎。第2シーズンでは自分の気持ちに正直でいることを貫きつつ、さらなる成長を決意した友崎が周囲に影響を与え始める。このエピソードでは、思ったことを我慢できず口に出してしまいクラスの女子から嫌がらせを受けている
友崎の変化を見て自身も変わる決意をした花火が努力を重ねる姿や、接点のなかったクラスメイトたちが友崎を通じてつながっていく様子は、友崎の成長を感じ胸を熱くさせられる。これまで他人と距離を置いてきた友崎がクラスメイトそれぞれの性格やクラスの雰囲気を分析し、解決策を編み出していく姿にも注目だ。さらに友崎と距離を縮めた女子たちとの2ショットシーンも見どころ。物語の始まりでは「青春」という言葉からは程遠かった友崎と彼を気にかける女子たちとのやりとりを、にやにやしながら楽しんでいただきたい。
©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん2」製作委員会
「葬送のフリーレン」
「マンガ大賞2021」大賞や「第25回手塚治虫文化賞」新生賞を受賞した、週刊少年サンデー(小学館)で連載中の山田鐘人・アベツカサによる同名ファンタジーマンガが原作。勇者一行により魔王が倒されたその後の世界を舞台に、勇者と旅をした仲間であり1000年以上生きるエルフの魔法使い・フリーレンと新たに出会う人々の旅路を描く。勇者・ヒンメルの死をきっかけに、人を知ろうとしなかったことを後悔したフリーレンがさまざまな人と出会い、自身の“心の内”を探っていく。
旅の物語はかつての仲間との冒険の回想を交えて進んでいく。ヒンメルとの別れを後悔するフリーレンの姿が描かれる第1話から、すでに感動は最高潮に。その後もフリーレンの変化に心が温まるとともに、戻れない過去を振り返る様子には切ない気持ちにさせられる。美しい景色や、壮大な世界観を表現した音楽も観る者の心を揺さぶる。しかしクスリと笑えるゆるいギャグシーンも多数織り交ぜられるため、悲しい雰囲気になりすぎないのも同作の特徴だ。また躍動感溢れるバトルも見どころの1つ。冒険の中で起こる魔法や剣によるバトルにも注目いただきたい。
【おすすめエピソード】
第2話「別に魔法じゃなくたって…」
胸熱ポイント:未来へとつながれていく絆
フリーレンがかつての旅の仲間である僧侶・ハイターのもとを訪ねるエピソード。彼とともに暮らす孤児の少女・フェルンとの出会いと、年老いたハイターとの別れを描く。フリーレンはハイターに頼まれ、ある魔導書を解析しながら、フェルンに魔法を教えていく。四季の変化やフェルンが成長する姿を収め、3人が過ごした時間の長さを表現した映像が美しい。自身の死より前にフェルンを旅立たせようとするハイターに、フェルンとたくさんの思い出を作るようフリーレンが諭すシーンは、人間に向き合う決意をした彼女の優しさが表れている。ハイターと紡いだ絆を未来へつなぐように始まるフェルンとの新たな旅路には、感動で胸を熱くさせられるはず。
後半パートでは、フリーレンとフェルンがヒンメルの銅像がある村を訪問し、銅像のまわりに彼が生前好きだと言っていた花を咲かせるため奮闘。フリーレンはフェルンとの時間の感覚の違いを学び、フェルンはフリーレンの魔法に懸ける思いを知る。少し距離が縮まった師弟の関係も微笑ましい。終盤には、花を愛でながら過去に想いを馳せるフリーレンの表情や動作が繊細に描かれている。
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
「キングダム」
紀元前・春秋戦国時代の中国を舞台に、主人公・
同作の見どころはなんと言っても大国が覇を競い合う大軍勢同士による戦いで、多くの兵が群をなしてぶつかり合う光景は圧巻の一言。大軍が馬で移動する足音、兵たちの雄叫びといった迫力満点な音の演出に加え、作画コストが高いとされる馬が惜しみなく描かれ、戦いに華を添えている。そして「キングダム」を語るうえで欠かせないのは、心打たれる名セリフの数々。キャストにより命が吹き込まれた言葉たちが力強く響くシーンは必見だ。原作ファンは、まずは好きなシーンのエピソードからでもご覧になってはいかがだろうか。
【おすすめエピソード】
第3シリーズ第19話「政、語りかける」
胸熱ポイント:嬴政の言葉に立ち上がる民
列強六国が手を結んだ合従軍と秦国の戦いを軸に描かれる第3シリーズ。信と
このエピソードでは嬴政がカリスマ性を発揮。前線に姿を現し怯える民を鼓舞する。演説シーンでは無数の民の表情が描き込まれ、揺れ動く感情が繊細に表現されている。民が奮起し立ち上がる場面は、壮大な音楽も相まって感動で胸が熱くなること間違いなし。また、合従軍の大軍勢が迫り来る映像は、観ている人の恐怖感をも煽るほどの大迫力。そんな中、決戦直前に民を奮い立たせるため信が敵に対して発した威勢のいい啖呵も痛快だ。合従軍との戦いにおける、終盤戦の幕開けとなるエピソードをぜひご覧いただきたい。
©原泰久/集英社・キングダム製作委員会