瀬戸一貴は同じクラスの葦月伊織に1年生の頃から恋心を抱いている高校2年生。伊織に対して告白どころか話しかけることすらできずにいた一貴だったが、2人で「新入生ようこそパーティ」の実行委員を務めるという幸運が訪れる。徐々に伊織と打ち解けてきた頃、突然一貴の前にアメリカに移住したはずの幼なじみ・秋葉いつきが現れる。
第8話までの放送を終えた、桂正和原作によるTVドラマ「I”s」。第9話以降、岡山天音演じる一貴や白石聖演じる伊織は高校を卒業し、それぞれ新たな人生を歩み始めることになる。
コミックナタリーはこのタイミングで寺谷役の伊島空、越苗役の小越勇輝、木田役の冨田佳輔による座談会をセッティング。主人公の一貴を取り囲む男子を演じる3人に、ドラマ第8話までを観返してもらいながら各話の撮影裏話などについて尋ねるとともに、第9話以降の見どころについても語ってもらった。
取材・文 / 宮津友徳 撮影 / 石橋雅人
第1話「接近」
──本日は放送終了分のドラマ「I”s」のエピソードを皆さんに鑑賞いただきながら、撮影時の思い出などを伺っていければと思います。
一同 よろしくお願いします。
伊島空 改めて観るとみんな原作のキャラにすごい似てますよね。
冨田佳輔 特に空がめっちゃ似てる。
伊島 オーディションのときに原作を初めて読んだんですけど、自分でも似てるなって思いました(笑)。メガネをかけた状態で髪をあげて鏡を見たら「寺谷じゃん!」って思って。オーディションにも原作の寺谷っぽいチノパンとボーダーを着てメガネをかけていきましたし、完全に寄せていきました。
冨田 僕もめっちゃ寄せて髪を短くしました。
小越勇輝 えっ、オーディションのときから切っていったんですか?
冨田 いや決まってからです。木田の髪型って実際に再現すると現実にはあんまりいないような刈り上げ方になるから、私生活が大変でした(笑)。オーディションでは、ちょうど今流れてる木田が伊織ちゃんのことを「よっ! グラビアクイーン」ってからかう第1話冒頭のところの演技をしました。
伊島 越苗は完全に見た目女子だよね。
小越 出てくるの3話からだけど、もう越苗の話いっちゃいます?
冨田 それまでとっておこうか。
伊島 1話を観返すと一貴がまだ伊織ちゃんにめちゃくちゃツンケンしてるというか、まさにすごい“逆走”してますよね。
冨田 伊織ちゃんに「シャーペンの芯を貸して」って言われて、無言で机の上を滑らせて渡すところとかね。
小越 好きな子とうまく話せないっていう気持ちはわかりますけどね。「そこまでするか」っていうところはある(笑)。
伊島 小学生のときはこういうことをしましたけどね。原作でも描かれているけど、好きって知られてしまって今の関係性が崩れるくらいなら、知られずにいたいっていうのがあるのかな。
第2話「3つのI」
いつきとの再会を果たした一貴。伊織はいつきのことを一貴の小学生時代の彼女だと勘違いし2人の仲を取り持つような言葉をかける。その後「新入生ようこそパーティ」を終えても2人の距離は変わらぬまま、2年生の夏を迎えた。そんなある日、一貴は商店街の福引で伊豆のペア旅行券を引き当てる。いつきと寺谷の機転で伊織と2人で旅行に行くことになり動揺する一貴だったが、旅館にはなぜかいつきと寺谷の姿があった。
伊島 1話がずっと学校の中での話だったから、2話は夏休みということで学校の外に出たワクワク感がありますよね。
冨田 夏休みに女の子と旅行に行くとか絶対楽しいよ。
小越 旅行で寺谷がいつきちゃんに振られるところはドラマのオリジナルシーンだよね。
伊島 マンガだと告白から帰ってきた寺谷のほっぺにビンタの跡があって、「振られたんだな」ってわかるんですけど、実写だとくっきりとしたビンタの跡をつけるっていう演出はあんまり現実的じゃないかなという話になって。
冨田 寺谷、普段は女子にガンガン行ってるのに告白のときは意外に挙動不審になってしまっている(笑)。
伊島 原作にないシーンだったので、けっこう迷ったんです。寺谷は一貴に恋愛面で先輩面してますけど、実は童貞なんじゃないかみたいことを匂わせるシーンが原作にはあるんですよ。だから告白するとなったら実はすごい緊張しちゃうキャラクターなんじゃないかと思ったんです。それを豊島(圭介)監督に話したら、「じゃあ、めっちゃ緊張して溜める感じで言おうか」ということになりました。
──伊島さんは先ほどオーディションにあたって原作を初めて読んだとおっしゃっていましたが、小越さん、冨田さんは原作をご存知でしたか?
冨田 タイトルは知ってましたけど読んだことなくて。連載していた頃はまだ字を読めなかったくらいちっちゃかったんじゃないかな。
──「I”s」は1997年から2000年の連載ですね。
冨田 じゃあ小学生ぐらいだ。
小越 字は読めるね(笑)。僕も今回初めて読んだんですが「女性の裸がここまで描かれていいのか!」ってびっくりしましたね。ジャンプっていつの時代も1つくらいはちょっとエッチな作品が載っていると思うんですけど、子供の頃にそういう作品を読んで「自分はいけないことをしてる」ってドキドキしていた感覚を思い出しました。
冨田 確かに、この作品が連載できていたってすごい。
伊島 最初はちょっとエッチだなって印象があったんですけど、読んでいくとすごい素敵な恋愛を丁寧に描いているなって思うようになりました。
次のページ »
第3話「素敵な涙」
2019年3月29日更新