コミックナタリー Power Push - 「アイドリッシュセブン」種村有菜インタビュー
アイドルである彼らの、いろんな表情を見せていきたい
ありなっち的イケメンの定義
──種村さんは設定が細かく書かれた資料をもとにキャラクターをデザインして、どんなストーリーで進んでいくのかはリリースまで知らなかったとおっしゃっていましたが、この1年間IDOLiSH7を見てきて、デザインした当時と今とでそれぞれのキャラクターに対して印象など変わりましたか?
マンガの連載と一緒で、キャラクターもどんどん成長していくんだなと思いましたね。壮五くんに関しては、こんなにもネタが増える子になるとはちょっと思っていなくて……! 最初はおとなしい子なのかなと思っていたら、ホントにいろんな側面が出てきて。こんなにいろいろ対応できる子なんだと驚きましたね。4コマを描くときもすごく助かってます。
──真面目な場面でもコミカルな場面でも活躍できる、マルチプレイヤーな一面がありますよね。
そうなんですよ。壮五くんは内に秘めた気の強さが、目や表情に出るといいなと思って描いてます。今回のコミカライズ前編でも本気で怒っているところが描いていて一番楽しかったです。あとMEZZO”で言えば、環くんもすごく成長を遂げているなって。第1部と第2部を通して、一番成長を遂げた子かもしれないと思っています。環くんを描くとき、私は常に“野生”を意識してるんですよ。
──野生?
環くんは本能的で、壮五くんは理性的。やっぱり壮五くんとは真逆の子だと思うので、その対極さを表情や仕草にも出せたらなと。そのうえで野性的に描くように心がけているんです。
──なるほど。
あと、環くんをデザインしたときって、「王様プリンが好き」っていうかわいさとのギャップを出したくて、アイナナの中でも特にイケメンに描きたいなと思ってたんです。私、小学生のときにテレビでとあるミュージシャンを見て、「こんなにカッコいい男の人がいるんだ!」って衝撃を受けて。そのときから私の中で“ツリ眉でタレ目”がイケメンの定義になったんですよ。
──ああ、なんとなくわかる気がします。ちょっとセクシーな印象を与えるというか。
そう。なので、その定義を環くんに使ったんです。
──ナギくんとかではなかったんですね。
もちろんナギくんも美形という設定なんですけど、環くんとはまたタイプの違うイケメンなんですよね。環くんは野生のイケメンで、ナギくんは培ってきた歴史あるイケメンというか。ちょっとお人形さんのような、上品な感じですね。
三月くんはすごいんだよ!
──ギャップという意味では、一織くんも「実はかわいいもの好き」というギャップを持っています。彼を描くうえで意識することはありますか?
一織くんってすごくお行儀のいい子だと思うんです。なので立ち姿を描くときも、お行儀のいい部分が現れるといいなと思っていますね。表情や仕草もきちんと育ててもらった子というイメージで描いてます。そういうふうに彼を育てたのはお兄ちゃんなのかもしれないですけど。
──そのお兄ちゃんである三月くんはいかがですか?
三月くんはとにかく元気ですよね。元気に振る舞うことで、自分自身が本当に元気になっていく子なのかなと思います。三月くんを見ていてすごいなって思うのは、料理もお菓子作りもできるところ。料理を作る脳と、お菓子を作る脳って違うんですよ。わざわざレストランにパティシエっていうお菓子作りの担当がいるくらいですし。文系と理系で分かれているようなものなんですよ。
──確かに料理は得意だけどお菓子作りはあんまり……っていう人、結構いますよね。
だから三月くんって相当スペックが高いと思うんです。そのすごさを皆さんにも知っていただきたいですし、アイナナのメンバーにも教えてあげたい!「三月くんはすごいんだよ!」って。
──「みんな知ってる!?」って(笑)。
本人の努力もあると思うんですけど、器用になんでもできるタイプだと思うんですよね。でも当の本人は、自分が本当に欲しいものは持ってないと思ってるじゃないですか。なので三月くんを描くときは「気付いて! 君はすごい子なんだよ!」って、呪文のように唱えながらペンを握ってます。
次のページ » 立ち位置もローテーションで変えてあげたい
- Contents Index
- 種村有菜インタビュー
- 新作「MEZZO”-紫青の霹靂-」ラフ公開
- 種村有菜お気に入りイラストBEST3
- CDジャケットのラフ公開
- キャラクター原案・マンガ:種村有菜 小説原作:都志見文太 原作:バンダイナムコオンライン「アイドリッシュセブンTRIGGER-before The Radiant Glory-」/ 2016年8月19日発売 / 486円 / 白泉社
- 「アイドリッシュセブンTRIGGER-before The Radiant Glory-」
IDOOLiSH7が目標としている先輩グループのTRIGGERは、クールでセクシーな3人組。小説版で話題となったTRIGGER誕生秘話を、IDOOLiSH7も登場するオリジナルエピソードを加えてコミカライズ。4コママンガ14本や、撮り下ろしカラーピンナップ2ページも収録。
- 小説:都志見文太 キャラクター原案・イラスト:種村有菜 原作:バンダイナムコオンライン「小説 アイドリッシュセブン 流星に祈る」
- 「小説 アイドリッシュセブン 流星に祈る」
- 2015年12月4日発売 / 白泉社
- 800円
- Kindle版 / 752円
個性豊かな7人組アイドルグループIDOOLiSH7。学園祭ライブの成功を誓う「流星に祈る」をはじめ、ライバルグループTRIGGERの結成秘話、MEZZO”の超仲良しぶりの日常レポート、ストーカー出現? メンバー危機一髪の巻などファン必見のオリジナルストーリー全4編を収録。カバー、カラー口絵、本文挿絵、巻末4コマなど、種村有菜の描き下ろしもたっぷり。
スーツ・学ラン・遊園地……マンガオリジナルイベントで、IDOLiSH7&TRIGGERが大暴れ! 描きおろしマンガ(大人組サウナ&子供組ラーメン)も収録!
種村有菜の新連載「アイドリッシュセブン MEZZO”-紫青の霹靂-」がスタート! 表紙は有川浩原作による弓きいろ「図書館戦争 LOVE&WAR 番外編」。
種村有菜(タネムラアリナ)
1996年、りぼんオリジナル6月号(集英社)に掲載された「2番目の恋のかたち」でデビュー。1997年にはりぼんにて「イ・オ・ン」を初連載し、その後「神風怪盗ジャンヌ」が大ヒットを記録する。同作や「満月をさがして」はTVアニメ化もされた。詩的かつ印象的なセリフまわしや、こだわりのある美しい絵は、日本のみならず海外でも人気が高い。2011年にりぼんとの専属契約を終了し、フリーに。メロディ(白泉社)で「31☆アイドリーム」を連載中。