2014年オンエアの「鬼灯の冷徹 第壱期」から約3年半の時を経て、2017年10月から12月まで放送された第弐期。12月30日に放送された第弐期最終話の最後で、第弐期の2クール目となる「鬼灯の冷徹 第弐期その弐」の制作が発表され、ファンを大いに喜ばせた。
「鬼灯の冷徹 第弐期その弐」は4月7日に放送スタート。オンエアに先がけ、原作者の江口夏実、そして第壱期からOVA、ドラマCD、第弐期とピーチ・マキ役として出演してきた上坂すみれの対談をセッティングし、第弐期の振り返り、そして第2クールへの期待を語ってもらった。また白澤のコスプレをするほどの「鬼灯の冷徹」ファン・岩井勇気(ハライチ)にミニインタビューを実施しているので、あわせてお楽しみあれ。
取材・文 / 三木美波 撮影 / 塚原孝顕
天国はなくなっても地獄は滅びない
──江口さんと上坂さんは、腰を据えてお話するような機会はこれまでありましたか?
江口夏実 なかったです。一度、上坂さんの両国国技館のライブ(「上坂すみれのひとり相撲2016~サイケデリック巡業~」)に行かせていただいたことがあるんですよ。
上坂すみれ そうでしたね、ありがとうございます!
江口 そのときは上坂さんの体調が悪そうだったので、挨拶もそこそこにお暇しちゃったのですが。
上坂 確かに、ライブをやると大変すぎていつも具合が悪くて……。
──では、しっかりお話するのは今回が初めてですね。さっそくですが作品の話をうかがっていければ。アニメ「鬼灯の冷徹 第弐期」が昨年12月に放送終了しました。江口さんが登場してくださった前回の対談(参考:「鬼灯の冷徹」特集 江口夏実×後藤みどり対談)は放送直前でしたが、全話観終わった感想はいかがでしょうか?
江口 アニメの放送は3年半ぶりですし、監督もアニメ制作会社も違うので、第壱期との違いを気にしているファンの方もいらっしゃったと思うんですが、第弐期は第弐期ですごく面白かったです。新しい監督の米田(和弘)さんも第壱期を丁寧に汲んでくださって。表情の作り方とか演出の仕方で変わってくるものはかなり気をつけてくださったり、作画の段階で私も監修させていただいたり。脚本の後藤(みどり)さんは第壱期から変わってないですし、どのキャラクターもまんべんなく大事にしてくださって。それにやっぱり声優さんが続投してくださったので、本当にありがたいと思いました。
上坂 私、「鬼灯の冷徹」は何期でもできるような気がするんです。原作が26巻も出ているし、キャラクターがすごくいっぱいいる作品なので。
──1話完結型のコメディなので、永遠に続けられそうですよね。
上坂 地獄は滅びないですもんね。
一同 あはは(笑)。
江口 人間が悪いことをしないことは絶対にないので、地獄は滅びませんね。どっちかというと天国のほうがなくなりそう。
上坂 確かに。
素晴らしいパロディなので胸がときめきました(上坂)
──第弐期に登場したキャラクターの中で、印象に残ったキャラを教えてください。
江口 葉鶏頭が結構衝撃的でした。神経質で、そんなに派手なキャラクターではないのである意味演じるのがすごく難しいと思いますし、どうなるのかなと気になってたんです。でも上田燿司さんの葉鶏頭の声、本当にお上手で。「ジョジョの奇妙な冒険」でスピードワゴンをやられているのを拝見していたんですが、葉鶏頭もすごく合っていました。
──描いていて「声優ならこの人」とイメージしているキャラクターはいるんでしょうか?
江口 春一は「どういう声ですか?」とアニメのスタッフさんに聞かれたときに、「山口勝平さんみたいな感じです」と答えたんです。そうしたら本当に山口勝平さんがキャスティングされて、すごくうれしかったですね。原作を読んだ方は知っていると思うのですが、春一は見た目と性格が乖離しているキャラクターなので、それを再現できる山口勝平さんのいい意味で特殊な声がぴったりでした。
上坂 私はキョンシーのチュンさんと五道転輪王のコンビが癒しでした。
江口 チュンのカタコトなしゃべり方、よかったですよね。チュンが出た回(第8話「僵尸」)はアフレコに伺えなかったので、テレビで初めて聞いて「すごくかわいい……」って思いました。
上坂 キョンシーが好きなので、その回にゴールデン・ハーベストっぽいロゴが急に出てきてうれしかったのですが、10代でわかる人がいったいどのくらいいるのだろう……。
江口 「霊幻道士」の配給会社ですよね。
上坂 はい。素晴らしいパロディで胸がときめきました。
江口 私が気付いてないパロディがいっぱいあるんだろうなと思いながら、アニメを観てます。
──原作者の江口さんですら気づかないパロディもあるんですね(笑)。
江口 映画のネタなら多少わかるんですが、アニメーションはあまり詳しくないんです。みんながざわついてるものは何かのパロディなんだろうなと思いながら観て笑ってました(笑)。
次のページ »
家で声出して笑いました(江口)
- アニメ「鬼灯の冷徹 第弐期その弐」
-
- 放送情報
-
- TOKYO MX1:
2018年4月7日(土)より毎週土曜25:00~ - サンテレビ:
2018年4月7日(土)より毎週土曜25:00~ - BS11:
2018年4月7日(土)より毎週土曜25:00~ - KBS京都:
2018年4月7日(土)より毎週土曜25:00~ - AT-X:
2018年4月9日(月)より毎週月曜22:30~
※リピート放送(水)14:30、(日)7:00、(土)6:30 - AbemaTV:
2018年4月7日(土)25:00~配信 - ほか各動画配信サイトにて随時配信
- TOKYO MX1:
- スタッフ
-
- 原作:江口夏実(講談社「モーニング」連載)
- 監督:米田和弘
- 脚本:後藤みどり
- キャラクターデザイン:お祭似郎
- 編集:松原理恵
- 音響監督:はたしょう二
- 音響効果:高梨絵美
- 音響制作:サウンドチーム・ドンファン
- 音楽:TOMISIRO
- 音楽制作:キングレコード
- アニメーション制作:スタジオディーン
- キャスト
-
- 鬼灯:安元洋貴
- 閻魔大王:長嶝高士
- シロ:小林由美子
- 柿助:後藤ヒロキ
- ルリオ:松山鷹志
- お香:喜多村英梨
- 茄子:青山桐子
- 唐瓜:柿原徹也
- 芥子:種﨑敦美
- ピーチ・マキ:上坂すみれ
- 桃太郎:平川大輔
- 白澤:遊佐浩二
- 座敷童子・一子:佐藤聡美
- 座敷童子・二子:小倉唯
- ミキ:諏訪彩花
©江口夏実・講談社/「鬼灯の冷徹」第弐期製作委員会
- 江口夏実「鬼灯の冷徹㉖」
- 発売中 / 講談社
26巻にして初登場の閻魔大王第二補佐官は、すでに登場済みの意外なあの人! そして意外にも鬼灯がルリオを第五補佐官に任命! そんな閻魔庁に唐瓜の姉ちゃんが怒鳴り込んできて烏頭と火花を散らすも、何やら意外な展開に……。そして意外性一切なし、期待通りの芥子の部屋にご案内ー!
- 江口夏実(エグチナツミ)
- 2010年に「非日常的な何気ない話」で第57回ちばてつや賞佳作を受賞。その中の一編「鬼」に登場したキャラクター・鬼灯を主人公にした「地獄の沙汰とあれやこれ」がモーニング2010年32号(講談社)に掲載されデビューを果たす。その後数回の掲載を経て、タイトルを「鬼灯の冷徹」と改め連載をスタート。「鬼灯の冷徹」は2014年にテレビアニメ化され、2017年10月より「鬼灯の冷徹 第弐期」が放送。2018年4月より「鬼灯の冷徹 第弐期その弐」がオンエアされる。
- 上坂すみれ(ウエサカスミレ)
- ソビエト社会主義共和国連邦が崩壊した1991年生まれの声優。2012年テレビアニメ「パパのいうことを聞きなさい!」の小鳥遊空役で本格的に声優デビューを果たす。2013年放送のテレビアニメ「波打際のむろみさん」の主題歌「七つの海よりキミの海」でアーティストデビュー。2017年4~6月にはTOKYO MXとBS11で初の冠テレビ番組「上坂すみれのヤバい○○」が放送された。「鬼灯の冷徹」(ピーチ・マキ役)、「中二病でも恋がしたい!」(凸守早苗役)、「いぬやしき」(犬屋敷麻理役)、「蒼天の拳 REGENESIS」(エリカ・アレント役)など出演作多数。
2018年4月11日更新