コミックナタリー PowerPush -鈴木小波「ホクサイと飯さえあれば」
“作る過程”をフィーチャーした飯マンガ ヤンマガサードに移籍し復活
サムライエース(角川書店)にて発表されていた自炊マンガ「ホクサイと飯」が、舞台を8年前に、掲載誌をヤングマガジン サード(講談社)に移し復活。東京の下町・北千住に住む大学生のブンが、愛するぬいぐるみのホクサイとともにおいしいご馳走を作って食べる様を描いている。
コミックナタリーでは単行本1巻の発売を記念し、作者の鈴木小波にインタビューを敢行。舞台を北千住にした理由や数あるごはんマンガとの差別化などについて聞いた。また第1話もまるごと公開するので、気になる人はご覧あれ。
取材・文/坂本恵
大学進学のために上京してきた山田文子、通称ブンが、愛するぬいぐるみのホクサイとともに、アイデア満載のレシピで美味しいごはんを作って食べる。サムライエース(角川書店)にて連載されていた「ホクサイと飯」の8年前を舞台に描く、自炊系ご馳走マンガ。
8年後のブンの職業はマンガ家! 迫り来る締め切りや容赦ない編集と戦いつつも自炊し、全力で飯に取り組む。1~8話を収録した単行本がKADOKAWA角川書店から発売中。9~10話と「洋食編」は、同人誌「ホクサイと飯 おかわり」に収められた。
- 山田文子(やまだあやこ)
- 通称「ブン」。大学進学のため、東京・北千住で一人暮らしを始めた。三度の飯よりも飯が好きと言うくらい、ご飯にかける情熱は並ではない。
- ホクサイ
- ブンが偏愛するぬいぐるみ(たぶん)。「ござる」口調で、時に的確に鋭くツッコみ、 時に優しく温かくブンを励ます相棒。
舞台は人生の分岐点である大学時代へ
──サムライエースで連載されていた「ホクサイと飯」が、ヤングマガジン サードへ発表の場を移して再始動となりました。
サムライエースは和エンタメの雑誌だったということもあり、登場するごはんは和食のみという縛りもあったんです。でも「ホクサイと飯さえあれば」ではその縛りもなくなり、なんでもアリになりました。ミートボールスパゲティとかも描けて楽しかったですね。これから和食以外もいろいろ描いていくのが楽しみです。
──ヤンマガサードという雑誌の雰囲気はいかがですか?
いやあ、本当にいろんなジャンルのものがあるので、すごく賑やかですよね。マキヒロチさんの連載(「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」)も始まったし。あれは絶対売れると思います! さすがだなと。負けらんないと思いました。
──今回の「ホクサイと飯さえあれば」は、前作の「ホクサイと飯」から遡って8年前。マンガ家・ブンの大学時代が描かれていますが、舞台を変えた理由を教えていただけますか。
わかりやすくキャッチーにしてみようと思って(笑)。まあ、サムライエースはもうちょっと年齢層が高めでしたけど、ヤンマガだともう少し世代が下がるので。だったら、ちょうど大学に入るところ、「これから人生どうしようかな」という分岐点から始めてみようかなと思ったんです。まだ大学の話はあんまり描いてないですけど(笑)。
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あらすじ
伝説のインドアご馳走マンガ、復活移籍新連載!!
かつて掲載誌の休刊に伴い惜しまれつつ終了した「ホクサイと飯」。本作「ホクサイと飯さえあれば」は、その8年前のお話。大学進学のため上京した山田ブンが、愛するぬいぐるみ(?)ホクサイと共に、東京・北千住の町でアイディア満載のビンボーレシピで美味しいご馳走作ります! トラブルがあっても、ホクサイがいて、美味しい飯さえあれば、毎日ハッピー!!
鈴木小波(スズキサナミ)
千葉県出身、東京在住。ふたご座。O型。2002年デビュー。代表作に「ホクサイと飯」「ヤオツクモ」「盛り合わせガール」など。2014年よりヤングエース(KADOKAWA 角川書店)で「燐寸少女」を、ヤングマガジン サード(講談社)で「ホクサイと飯さえあれば」を連載中。最近納豆にハマっている。