ジャグラーが戦うなら、絶対ここを突くだろうな……
──さて、8月27日に発売されるBlu-ray BOXが未開封の状態でここにあります。これを開けるところから青柳さんに実況してほしいなと思ってまして。青柳さんが開封者第1号だそうです。
あ、そうなんですね。いやあ、緊張しますね。失礼します、開封……と。なるほどなるほど、箱はマットなんだなー。質感がいい。これ、食レポより難しいですね(笑)。うわ、このボックスに描いてあるカラータイマー、カッコいい!
──そのイラストは、まさにさきほど言われた「ガシャーン! ガシャーン!」という変身演出に感銘を受けた清水さん、下口さんによる描き下ろしだそうです。
カラータイマーを分解していくとこうなってるんだ。ここにコアがあるわけですよね。へえー、弱点じゃん(笑)。ジャグラーが戦うなら、絶対ここを突くだろうな……。
──アハハハハ(笑)。
これはなんだ? 設定資料集か。
──作品解説書「ORIGINAL BOOKLET A TYPE」ですね。作品の設定などを見るのはお好きなタイプですか?
僕はこういうのずーっと見てますね。(熟読しながら)……いやあ、濃厚だね、これね。これを電車の中で見てたら降りるの忘れちゃいそう。こうやって背景とかの資料を見ると、アニメの質感はすごかったなって改めて思いますね。そうそう、このブラックキングがカッコいいんだよな。
──実写版と違うアレンジでいいですよね。
これはスーツを作って実写にも出てきたらいいのに。円谷さん、そういうのはないんですか?
──どんどん言っておきましょう(笑)。
このBlu-rayがたくさん売れればいいのかもしれないですね(笑)。アダドとかも実写に出てきちゃえばいいのに。そしたらやっぱり津田(健次郎)さんがやるのかな。(また熟読しながら)あ、へえーーー。「第1話のルックを決めるのが難しくて、第2話の制作が先行した」だって。なるほど、そういうこともあるよね。ふーーーん……。
──監督による反省点なども書かれてるので、それを読みつつ本編を観返していただくと面白いかと思います。
なるほどね。これは手に取る意味がありますね。それにここまで開示してくれると、こういう裏方の職業を目指したくなる人もいると思いますよ。
──確かに、何も考えずにアニメだけ見てると、「どうやって作ってるんだろう?」とはあまり考えないかもしれませんが、作り方を書かれると「人間が作ってるんだ」という実感が湧きます。
うん。「人間が作ってるんだ」ってことがわかれば、「何を勉強すればこの道に行けるか」ってのを調べればいいだけだから。
──特撮のスタッフやってる人も、小さい頃にメイキングを見て「こうやってたのか!」っと思ったのかもしれないですね。
そうですよね。(解説書をめくって)……あっ! 倉田だ!
──レナのお父さんである遠藤の、部下の若手刑事ですね。なんで倉田にそんな反応を?
倉田が一番人間的じゃないですか? 宇宙人のことをよくわかってなくて、刑事としてやるべきことはやるけど、「こんな理解不能な現実に立ち向かわないといけない」という当然の反応がいいんですよ。
──等身大の目線ということですね。
マンガは倉田を通して見るのが一番面白いんじゃないかと思ってるぐらいですよ。最近あまり出てこないですけど。いやー、これはずっと読んじゃうな。
うわ、ラスト! マジで? うわ、へえ! フウーーー!
──PRとしてはありがたいんですけど(笑)、キリがないので続いて別の特典も見てもらえますか? こちらは描き下ろしマンガです。
わかりました。(表紙を見て)あっ、科特隊! ……くぅーーっ!
──「ULTRAMAN」にはこれまで登場していないムラマツ隊員、アラシ隊員を含めた科学特捜隊の若い頃のイラストが表紙です。
(中身を読みながら)あっ、なるほど。見せられないけどそういうお話なんですね。この女性は……あ、そういうことか。あっ! ええーー? 「ウルトラマンZ」にも出てくる怪獣が出てきましたよ。
──あの怪獣の別バージョンです。
すごい解釈ですね。うわ、ラスト! マジで? あー、うわ、へえ! ああ、そう! フウーーー!
──(笑)。ちょっと難しいと思いますけど、ネタバレなしで感想を語ってもらえると……。
今のリアクションだけでは伝わらないですか?(笑) いやあ、ラスト3ページがね、鳥肌ですよ。めちゃめちゃグッとくるなあ。セリフなしで絵だけで説明していくんだけど、時が止まったような演出というのかな。清水先生、下口先生はそういうのが異様にうまいと思います。こういうコマとかカット割りが好きなんだろうな……。どんな映画を観てるんだろう?
──映画的演出がすばらしいと。
あとは、この表紙を見てもらえればわかるとおり「ウルトラマン」の科特隊の皆さんが出てくるお話なんですけど。「ウルトラマン」から50年以上経ってますし、皆さんが集まって科特隊を演じることって難しいと思うんですが、それが「ULTRAMAN」という世界観の中で、マンガで表現されている。僕もウルトラマンシリーズに関わる人間として、過去のウルトラマンシリーズに出てくる人を「レジェンド」なんて呼んだりもしますけど、皆さんは本当の意味で、永遠のレジェンドになったんだなという感じです。この人たちはマンガの中で永遠に生き続けるんだなって。
──なるほど。
僕も今「Z」でやっているストレイジというチームも50年後とかにこうやって語られたいですよね。この表紙もすごく温かい。ストレイジのメンバーもこんな感じで描いてもらえないですかね? お願いします! ……こういう場でこうやって甘えるのは大事ですから。
「本当に進次郎たちが生きてる」と身近に感じられるようになる
──(笑)。続けて、特典映像も観ていただきます。監督や声優さんへのインタビューもあるんですが、今回はモーションアクターの皆さんのインタビューです。どうぞ。
(モニターに手を振って)あ、笠原さーん! 観てるよー!
──笠原紳司さんとは共演経験があるんですね。映像ではほかに山﨑勝之さん、芝井美香さん、小川輝晃さん、曽世海司さんがモーションへのこだわりを語られています。これはプロの俳優からの視点で観ても面白そうです。
面白いですし、これはハードル高いだろうなと思いました。簡単にはできない仕事ですよね。役者って衣装を着せてもらって、小道具が揃ってて、そういう状況だから出てくるセリフってあるんですけど、モーションを撮ってるときは見えてる世界というか対象物が相手しかいないし、その相手にもキャプチャーのためのいろんなものが付いている。ある種のストレスがある中で芝居を作らなきゃいけないわけですよね。
──しかもしゃべる演技もするのに、声優は別にいるので声は使われないという。
声優さんが声を入れるガイドになっていくということですよね。声優さんとのシンクロっていう部分では気を使ったでしょうし、声優さんもそれをどう活かすかっていうのもあったでしょうから。声優さんにバトンを渡すという、プレッシャーのかかる仕事ですね、これ。
──声優さんにもインタビューをさせていただいたんですけど、「2人で1人のキャラを作る」という言い方はされていましたね。
特撮の場合だと、(変身後の)スーツアクターさんと一緒にキャラクターを作るわけですけど、スーツアクターさんとは現場も一緒だから直接話したりもできるんですよ。でもモーションアクターさんは別撮りですもんね。大変そうだな……。
──モーションアクターというお仕事に興味はありますか?
ありますね。でも俺、無駄な動きが多いから難しいかな(笑)。そういうのも全部(機械に)拾われちゃうから。あと芝井さんがインタビューで「原作の細かいニュアンスを拾って大事にしたい」って言ってましたけど、マンガってもちろん動いてないわけで、1コマで表現してる部分を広げる想像力があって、「こういう動きだ」って確信を持たなきゃいけないわけですからね。そして余計な動きを削いでいくことも考えないといけない。いやあ、すごいな。やっぱりやれないかも(笑)。
──インタビューを観てからアニメを観ると、かなり見え方は変わりそうですよね。
全っ然違うでしょうね。今のインタビューを観てからだと、「本当に進次郎たちが生きてるんだ」と、身近に感じられるようになると思います。
シーズン2の見どころは色々あるけど……
──アニメを一度観た人にもBlu-ray BOXを勧めるならどういう部分になりますか?
まず手元に持つ喜びっていうのも絶対ありますよね。配信でも簡単に観られるんですけど、手元にあるからこそ大事にできるっていうのは絶対にあるじゃないですか。僕は大切なものは形に残すべきだと思ってるので。自分が働いたお金で買ったから……まあ「お小遣いを貯めて買った」でもいいんですけど、自分の時間やいろんなものを浪費して買った大事なものだからこそ、それが自分を支えてくれる瞬間ってのは絶対あると思うので。コストをかけて手に入れた物には、自分の物語がある。そしてBlu-rayを観たらBlu-rayが持ってる物語が出てくるわけだから、二度美味しいですよ。ぜひ皆さんの家の棚に並べてほしいです。「あるなー」っていうだけで満足すると思うので。そして特典も充実している。特典を観てから本編を観ると違ったものになるので、ぜひ手に取ってほしいです。
──最後に、アニメ「ULTRAMAN」はシーズン2が決定しています。期待すること、気になっていることなどあれば教えてください。
鈴木達央さんがタロウをやるっていうのも発表されて、どういうタロウを描かれるのかは楽しみですね。TARO SUITがどう動くのかも気になるし。まだちりばめられた伏線も山ほど残ってますよ。それにシーズン2はどこまで描くのか。レオ、アストラは出るのか。佐山レナと進次郎の恋はどうなるのか……とかいろいろありますけど、あとは「青柳は出るチャンスあるのか?」ってことですかね。フハハハ!