中原アヤ先生と同じ雑誌に載りたい、と思った

──その後別マに投稿しようと思われたのはなぜですか？

中原アヤ先生がいたからです！ どの雑誌に投稿しようかなと本屋さんで物色しているときに見た「ラブ★コン」の表紙がすごくかわいくて。この人と同じ雑誌に載りたい、と思って別マに投稿しました。中原先生の影響もすごく受けていると思います。

──「ラブ★コン」のどういうところが好きですか。

読んでいて楽しいのがいいですね。大谷とリサの掛け合いがすごく面白くて。笑わせるところは笑わせるけど、切ないところはすごく切ない。メリハリが効いていて、心が動くというか。

──夢が叶って、中原先生と同じ別マに載ることができていかがでしたか。

うれしいです！ 同時期に連載していた時は特にうれしかったですね。今は、何年かに1回ですけど、たまにごはんに行ったりしています。

──そういうときってマンガの話をするんですか。

マンガの話とか……あと好きなアイドルの話とかですかね（笑）。

──今回、ブックパスのキャンペーンでマーガレット、別冊マーガレットの作品がたくさん読み放題になるので、ほかにもお好きな方を教えていただけますか。

河原和音先生が大好きです！ 特に「愛のために」っていう読み切りが好きで。合コンの女王みたいな女の子の話です。河原先生は、普通は拾わないだろうっていう、なんでもないところをマンガにされていて、それがすごく面白いんですよ。こういうところを使うのか！といつも思っています。見せ方が本当にうまいんですよね。「俺物語!!」で猛男が、大和からのメールの絵文字がピコピコしているのに驚いていたシーンがあったと思うんですが、あれをあんなに大きいコマで見せるところが本当に面白くて（笑）。そこで大ゴマ使うんですか!?と驚きました。でも猛男にとってはそれくらい衝撃だったってことですよね。

──少女マンガ的な山場ではないけれど、そここそが大事だと。

普通の人は絶対やらないなと思います。あと、桃森ミヨシ先生の「ハツカレ」、大好きです。（リストを見ながら）あ、カラー版まであるんですね！ やっぱりこの作品も細かいところが好きですね。1つのネタを突き詰めて描いているんです。なんで「なんで」って言うんだろう、と「なんで」について1話分描かれていたりするんですよ。あと、ライバルのイブシくんの存在がやっぱりいいんじゃないでしょうか。私はハシモト派なんですけど（笑）。テンポもいいですよね。赤面率の高さもいい（笑）。上田倫子先生の「月のしっぽ」も好きでした。服部半蔵かっこいい！と思って読んでいました。あとは……いくえみ（綾）先生が大好きですが……みなさん挙げていらっしゃいますよね？

──確かにこのシリーズでほとんどの方がお名前を挙げていました。

だからすぐ言わずにいたんですけど（笑）。別マで描いている人で、いくえみさんを好きじゃない人なんているんですかね!? 全部好きですが「ハニバニ！」が特に好きですね。いくえみ先生はこれだけキャリアが長いのに、ずっと時代に合わせたものを、違和感なく描き続けているところが本当にすごい。今連載されている「あなたのことはそれほど」もめちゃくちゃおもしろいですよね。

──新人さんで注目している方はいますか。

渡辺カナさんの描くカラーが好きですね。藤井亜矢さんもめっちゃ絵がうまいなあと思います。どんどんうまくなられていく。みんな、絵が若い！おしゃれ！と思います。絵に透明感がありますよね。私ももうちょっとそういうものが描けるようになりたいんですけど。

──八田先生の絵は、線がくっきりしていますよね。

アニメみたいな絵ですよね。透明感はないです。もっと淡い感じで描きたいんですけど……無理なんです。

──単行本のおまけページでは、いつもよりさらに線が太い、違う絵柄で描いていらっしゃいますが、あの絵もいいですよね。

ああいう線が好きなんですけど、少女マンガじゃないだろう、と思って普段は使わないようにしています。

──でも、とても読みやすい線だと思います。雑誌にはいろいろな絵のマンガが載っていないと楽しくないですし。別マの中でのご自分の役割みたいなことについてはどうお考えですか。

どちらかというとマンガが好きな人向けなのかなあ、と思いますね。本当はもっと広く読んでいただけたらいいんですけど……。

──すでに広いファン層に人気だと思います。来年は「オオカミ少女と黒王子」の実写映画公開も決まっていますね。エリカが二階堂ふみさんで佐田くんが山﨑賢人さん。

二階堂さんは、演技派のイメージですが、前から明るい役をやるところを見てみたいなと思っていたので楽しみですね。山﨑さんは、もちろんうれしいんですが……いま本当にお忙しいと思うので身体を壊さないようにしていただきたいなと思っています！ まだ細かいことは決まっていないんですが、どんな映画になるか楽しみです。