コミックナタリー Power Push - 相田裕「GUNSLINGER GIRL」

連載10周年を目前に、少女たちの戦いはついにクライマックスへ――

12月17日、相田裕「GUNSLINGER GIRL」の最新14巻が発売となる。月刊コミック電撃大王(アスキー・メディアワークス)での連載は、来年で節目の10周年。物語はいよいよ最終局面を迎えている。

コミックナタリーはこのタイミングでの一気読みに備え、作品世界をおさらいするとともに、相田へのインタビューを敢行した。読む者を没入させてくれるハードでヘヴィな物語は、どこへ向かおうとしているのだろうか。

取材/唐木 元 文/井上潤哉
(C)相田裕/アスキー・メディアワークス

「少女に与えられたのは、大きな銃と小さな幸せ。」架空のイタリアを舞台に戦う少女と大人の物語、累計357万部

仇敵ジャコモ率いるテロリスト集団は、建造中の原子力発電所を占拠した。社会福祉公社はこれを排除すべく、義体と呼ばれるサイボーグ少女たちを派遣、総力戦の構えで突入する。しかし公社のメンバーはテロリストの猛攻に遭い、次々と傷ついていく。復讐、政治、さまざまな思惑を巻き込みながら、戦闘は決着のときを迎える。

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義体

義体

社会福祉公社が開発したサイボーグ。肉体の多くを人工器官に改造され、超人的な能力と短命の宿命をあわせ持つ。「条件付け」と呼ばれる洗脳処理を施されている。

社会福祉公社

社会福祉公社

右翼勢力の伸張など国内治安が乱れたイタリアにおいて、首相府が秘密裏に設立した超法規的諜報機関。


担当官

担当官

社会福祉公社作戦2課に所属。軍隊・警察出身者が多く、戦闘技術や銃の扱いに精通している。義体を指導、サポートする存在。

条件付け

条件付け

義体を組織と担当官に服従させるための洗脳処置。


フラテッロ

フラテッロ

イタリア語で兄妹の意で、義体と担当官のコンビを指す。

五共和国派

五共和国派

通称“パダーニャ”。経済的に豊かな北部の分離独立を掲げる極右グループの総称。イタリアの伝統的な地域主義と、欧州に広まる反グローバリズムを背景に持つ。


クローチェ事件

クローチェ事件

極右勢力の摘発に尽力したクローチェ検事正と、その家族らが殺害された爆破テロ事件。五共和国派による犯行で、主犯はジャコモ=ダンテと目されている。

ジャコモ=ダンテ

ジャコモ=ダンテ

数々のテロ事件を主導してきた歴戦のテロリスト。「闘争こそ人間の本質」という思想の持ち主。



1期生に加え2期生も参戦!ペアで覚えるキャラ群像 フラテッロたち

ジョゼ×ヘンリエッタ

ジョゼ・クローチェ

クローチェ検事正の次男で元・軍警察。家族を爆弾テロで失い、復讐に駆られる。薬物中毒の症状が出ていたヘンリエッタに対し、リスクを承知で大量の投薬による処置を行う。

ジョゼ・クローチェ
ヘンリエッタ

一家殺害事件の生き残り。担当官のジョゼを盲愛していたが、大量の投薬により記憶の大部分を封印される。

ヘンリエッタ

ジャン×リコ

ジャン・クローチェ

クローチェ検事正の長男にして担当官達のリーダー。ジョゼと同じく、家族と婚約者を奪った爆弾テロの犯人に復讐を誓う。

ジャン・クローチェ
リコ

元全身麻痺患者。あらゆる日常の出来事に喜びを感じる無垢な性格の義体。担当官のジャンに従順。

リコ

ヒルシャー×トリエラ

ヴィクトル・ヒルシャー

ドイツ人。元欧州刑事警察機構の捜査官。トリエラが長生きすることを願い、見守ることが自分の使命だと考える。

ヴィクトル・ヒルシャー
トリエラ

聡明で面倒見のいい義体達の“お姉さん”的存在。自らの過去を知り、生きることを決意する。

トリエラ

サンドロ×ペトラ

アレッサンドロ・リッチ

元五共和国派専門の潜入工作員で、人間観察が得意。ペトラの過去の一端を知り戸惑いを覚える。

アレッサンドロ・リッチ
ペトルーシュカ

義体2期生。担当官のサンドロをパートナーとして尊敬し、「条件付け」を越えた恋愛感情を抱いている。

ペトルーシュカ

マルコー×アンジェリカ

マルコー

元特殊部隊員。負傷により公社へ転職し、アンジェリカの担当官を務めた。

マルコー
アンジェリカ

開発の初期段階に義体となった少女。義体化に不可欠な投薬で、脳へのダメージが蓄積し、寿命により死亡。

アンジェリカ

ラバロ×クラエス

ラバロ

軍警察時代のジャンの上司。社会福祉公社の実態を公表しようとした矢先、ひき逃げに遭い死亡。

ラバロ
クラエス

トリエラのルームメイト。担当官が死亡したため、現在は公社内で義体開発の試験体となっている。

クラエス

相田裕「GUNSLINGER GIRL(14)」 / 2011年12月17日発売 / 578円(税込)/ アスキー・メディアワークス / Amazon.co.jpへ

あらすじ

公益法人社会福祉公社——障害者支援のための首相府主催事業を表向きとするこの組織の実態は、瀕死の少女たちに機械の体を与え、「条件付け」を施し、その少女たちを使って政府に敵対する勢力を秘密裏に排除する諜報機関だった。

生きることと引き換えに「義体」となった少女たち。

「条件付け」により、義体になる以前の記憶が封印された少女たちにとって、担当官の命令に従い、銃を持ち戦うことが何よりも幸せなのだった……。

架空のイタリアを舞台にした、少女と銃、そして周囲の人間が織り成す群像劇。

相田裕(あいだゆう)

プロフィール写真

2002年、月刊コミック電撃大王7月号(アスキー・メディアワークス)より「GUNSLINGER GIRL」を連載開始。現在までにコミックス1~13巻が刊行。最新14巻は12月17日発売。