アニメ「ぐらんぶる」は水が苦手で泳げない主人公・北原伊織が、男子校ノリのダイビングサークルに勧誘され、思い描いていた理想とは180度違うキャンパスライフを送るギャグ満載の青春ストーリー。7月から放送中で、メインキャストには内田雄馬、木村良平、安元洋貴、小西克幸が名を連ねている。
コミックナタリーではアニメが終盤に差し掛かったタイミングで、6人組男性グループ・超特急のリョウガ、ユーキ、ユースケにインタビューを実施。アニメ好きで本作の登場人物たちと同世代の3人は和気藹々とトークを進めていく。また撮り下ろし写真もふんだんに掲載するので、併せて楽しんでほしい。
取材・文 / 西村萌 撮影 / 須田卓馬
Peek a Boo(ピーカブー)
伊豆大学のダイビングサークルだが、主な活動は飲み会。メンバーの大半が男性で、お酒が入ると服を脱ぎ出すのが恒例に。しかしダイビング愛は本物で、真面目に活動する一面も時折見せる。
ダイビングを通したなんちゃらラブストーリーじゃなかった(リョウガ)
──アニメ「ぐらんぶる」をご覧になっていかがでしたか?
ユーキ ちょうど僕、テレビで第1話を観てたんですよ。第一印象は、セクシーなシーンが多くて驚きました!(笑)
ユースケ 実は僕の弟がアニメを先に観ていて「声優さんがすごい豪華で、面白いよ」ってオススメされていて。ビジュアルを見て、てっきりダイビングのアニメなのかなと思っていたらまさかの内容で(笑)。だってダイビングサークルのアニメのはずなのに第1話で伊織がダイビングショップ「Grand Blue」のドアを開けた瞬間、パンツ一丁の男たちが野球拳で盛り上がってるんだよ!? 「僕はいったい何を観させられてるんだろう……」って気持ちになったよ。
ユーキ でも絶対に見えちゃいけない大事な部分は、黒丸でちゃんと隠されてるから(笑)。
ユースケ 逆に黒丸のインパクトが強すぎて、いろんな記憶が飛んじゃいました(笑)。
リョウガ 確かに。ポスターのビジュアルを見ただけだと、ダイビングを通した幼なじみとのなんちゃらラブストーリーみたいなのを想像するじゃん。いろんな意味で予想を裏切られたよね。
ユーキ うん、全力でふざける男たちを見るアニメというか。それも青春っぽくて憧れるけどね。
リョウガ って言っても男臭さしかないけどな(笑)。でも俺、「ぐらんぶる」を観て気付いたことがあって。
ユースケ え、何?
リョウガ 女の子のキャラクターは、たまーに出てくるぐらいのほうがかわいく見える。「ぐらんぶる」くらいの割合で女の子が出てくるのが、まさに黄金比かもしれませんね。
銀魂臭、しますよね(ユーキ)
──印象的だったシーンを具体的に教えてください。
ユーキ 第1話の後半、「Peek a Boo」の新歓コンパはかなり笑いました! まだバチバチの関係だった伊織と耕平が、相手を潰そうとお酒を飲ませ合って、最後はにらめっこで決着をつけるじゃないですか。この一連のシーン、いろんなアニメの要素が入ってるんですよ。絵のタッチが「ドラゴンボール」風だったり、セリフが「SLAM DUNK」を意識したものだったり。
リョウガ 気のせいかな、確か「ギャグマンガ日和」のSEも使われてたよね。
ユーキ 高松(信司)監督は、アニメの「銀魂」も手がけている方なんですよね。しましたよ、銀魂臭(笑)。
──高松監督はパロディを使った手法を得意とされていますよね。アニメのエンディング曲「紺碧のアル・フィーネ」では、「Peek a Boo」の4人が「伊豆乃風」というユニットを組んでいたりしますし。
ユーキ (笑)。しかも「紺碧のアル・フィーネ」って、紅白出場の大人気声優・水樹カヤさんの楽曲という設定なんですよね?
リョウガ その役を元ネタの水樹奈々さんが実際にキャラクターボイスを演じるっていうのが本当にすごいなと思って。ネットでも話題になってましたもん。
──実はエンディングで、実際に水樹奈々さんが歌うバージョンがオンエアされることになったんですよ。
リョウガ やば! 豪華すぎだろ!
ユーキ うわー、全部の伏線がつながった! もう完璧……。
リョウガ 「これはもしや」って思ってはいたんですけど、本当に水樹さんが歌うとは。
ユースケ 聴いてみたいなあ。
──では、お気に入りのシーンを挙げるとすると。
リョウガ 僕が好きなのは、文化祭のミスコンに出場した千紗をどうやってかわいく見せようか、「Peek a Boo」のメンバーがいろんな作戦を立てて奮闘するシーンですね。笑顔になってもらおうと自分たちが笑ってみるけど、千紗には逆効果でブチ切れられるじゃないですか。血管ビキビキってなってからの、恥ずかしさを隠すような照れてる顔がめちゃくちゃかわいくて……。
ユーキ 伊織が客席から投げたスーパーボールでスカートがめくられたところでしょ?
リョウガ あれ、家で観たとき一瞬心臓止まったもん。
ユースケ 僕はダイビングをやったことがあるから、第2話で伊織がプールに行って水泳の練習をするところは印象深いです。確かに水の中って怖いよなーって思い出しましたね。伊織にとってはダイビングを始めてから、苦手な水に初めて触れる大事なシーンでもあるわけだしさ。そういえばリョウガもあんまり水得意じゃないよね。
リョウガ うん。僕も伊織と同じく水が怖くて泳げなくて、マリンスポーツはまったく経験したことがないんです。でも水族館は好きだし、昔は毎年家族で島に遊びに行ってたので、海自体はむしろ好きなんですよ。だから寿が「泳げなくてもダイビングはできる」って伊織に言ったシーンは、自分に言われたようだなと。
ユースケ でも伊織がプールで目を開けたとき、黒丸が目の前にあって。あれは完全にトラウマになっちゃうよね(笑)。
ユーキ 僕も1回だけダイビングしたことがありまして。でも10代の頃に肺気胸になったことあったのが引っかかってライセンスが取れなかったんですよね。
海とお酒の割合が逆だったら……(ユースケ)
──皆さんは22~23歳と、「Peek a Boo」のメンバーと同世代ですよね。もしご自身が伊豆大生だったとして、彼らに勧誘されたらサークルに入会したいと思いますか?
ユーキ 入りたいです! 超特急の活動とは別に、また違う世界軸としてだったら、僕は全然入ります! 海がすぐ近くにあるっていうのも魅力だし、何より自然が豊かだからこそ開放的になって、普通じゃ絶対許されない行動もアリになってるのが楽しそうだなって(笑)。だって大学内でパンツ一丁になっても大きな騒ぎにならないって現実だとありえないじゃないですか! 「ぐらんぶる」の世界って超平和だと思います。
リョウガ 確かに平和で楽しそうだよね。僕はそもそもお酒の文化というものが本当に苦手で、体質的に全然飲めないですし、世間で言う飲み会というようなものにもほぼ行ったことがないんですよ。だから一方的だけど、酔いつぶれて深夜の駅で迷惑かけたり、ワケわかんないところで寝てる人だったりを見て、お酒に対して正直いいイメージを持ってなくって。だけど「Peek a Boo」の人たちを見て、こんな楽しみ方だったらぜひともいつかお酒を克服してみたいなって思いました。
ユースケ 僕は……海行く割合が9割で、お酒飲む割合が1割だったら入ってもいいかも(笑)。
ユーキ ユースケはダイビングがちゃんとしたいんだね(笑)。
ユースケ そう(笑)。でもみんなでワチャワチャするのも楽しそうだなって思います。僕はずっと超特急一筋だから、大学のサークルってこんな感じなのかなって気になりますね。めっちゃ自由!
──ちなみに第3話で登場したテニスサークル「ティンカーベル」はどうでしょう。
ユーキ ちょっとイケイケすぎるかな。……まあ、テニス姿には惹かれますけどね。
ユースケ 確かにカッコいいもんね。
ユーキ 女の子のテニスウェア、かわいいイメージがありますよね。
ユースケ あ、そっち!?(笑)
ユーキ もちろん水着やウエットスーツも男子にとってはいいと思うんですが、でも僕だったらテニスコートにも行きたくなっちゃうかもって思います。
乙女ぶらないほうがいい(ユーキ)
ユーキ あと率直にさ、「ぐらんぶる」に出てくる女の子たちってすごいかわいいと思うんだよね。
ユースケ わかる。ユーキは誰が好きなの?
ユーキ 僕は奈々華さん派! 千紗のツンとした感じから素がだんだん出てくるのもいいけど、ちょっとこう、大人で母性溢れる奈々華さんの優しい雰囲気に惹かれるんだよね。
ユースケ だけど千紗もさ、よく考えるとすごくない? だって伊織がプールの中で真っ裸になってて、そのまま陸に上がってきても全然驚かないで普通に会話してるんだよ?
ユーキ 絶対あれは千紗も意識してるんじゃないのかな(笑)。がんばって平然を装ってると思う。でもアニメのあるあるでいったら、女の子は「キャー!」ってリアクションになるところかな。
リョウガ 「ぐらんぶる」の女性キャラクターって、奈々華さん以外下ネタに対しての耐性強いよね。アニメを観てる人も恥じらいに対する感覚が狂っちゃうんじゃないかと。
ユースケ ダメダメ!(笑)
ユーキ でも自分も含め男だったら、こういうノリって誰もが憧れると思うんだよね。僕としては、それを面白がってくれる女性のほうが魅力的に感じるというか、好きになっちゃうだろうなって思います。一緒に「ぐらんぶる」を観て、「このシーン笑えるよね!」って言い合えるような関係がいいなって。逆に「えー、こういうのはちょっと……」みたいに乙女ぶられると、「うわ、この人本心隠してるな」って僕は勝手に推測しちゃう(笑)。
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「紺碧のアル・フィーネ」覚えます(ユースケ)