「この子は天使なのかも」と思ってたけど……

──今回はWebドラマでしたが、テレビドラマとの違いは何か感じましたか？

白石　毎回の尺が決まってないから、アドリブを比較的自由にやらせてもらったのは楽しかったですね。

福原　菜緒と上原くんが2人でワチャワチャしてるところは、ほとんどアドリブなんですよ。

──へえ！

福原　最後の方とかほっぽられてました（笑）。監督に「じゃああとはご自由に」って。

──一発OKで使われてるんですか？

白石　アドリブでNG食らったことはないですね。でも切りどころがないって言われて（笑）。福原さんが負けん気強くて。言い合いしてると絶対に返してくるし折れないから、終わんないんですよ。

福原　（笑）。ホントに変なことばっかりしてて。徹夜で3人でゲームするシーン、大ちゃんがコントローラーを落とすんですけど、それがブルブルって震えて「ハッ！」って起きるとこがあって。笑っちゃいけなかったのに笑っちゃったら、それが本番で使われてました（笑）。楽しい現場でしたね。

──呼吸がピッタリだったんですね。クランクイン当時で福原さん17歳、白石さん24歳と年齢差がありましたが、撮影当初から打ち解けてたんですか？

福原　いや、最初全然話してくれなくて。

白石　そうでした？

福原　本当に話してくれなくて、目も合わなくて。

白石　気い遣ってたんですよ。17歳でしょ？ どういうふうに接していいかわからなかったんで。芝居で遊んでる間に仲良くなった気がしますね。

桜田　確かに。17歳の人と関わることって普段仕事でも限られてるから、ある種触れちゃいけないものみたいなイメージで。特に（福原は）いい子なイメージだったから。

白石　うん。

桜田　この子はもしかしたら天使なのかもしれない、っていうくらいに思ってたんですけど。

──確かに福原さんは一般的にもそういうイメージです。

桜田　それがどこかのタイミングで、「あれ？アホなクソガキなのかもしれない」と思い始めて。

福原　ひどいー！（笑）

桜田　アホみたいな会話するようになっちゃったんだよね。それに楽屋でずっと福原さんがディズニーの歌を歌ってて、1人でミュージカル始めるから、「何やってんだろう……」って見てた。

白石　「私は天使な、汚れてない女の子です」って感じだと思ったら、ただのクソガキだった。

桜田　お猿さんみたいな。

福原　もう、散々ですよ（笑）。

──（笑）。それだけ打ち解けやすい空気が、福原さんから出てるってことですよね。

桜田　そうそう。現場でもみんなを楽しくさせてくれました。スタッフさんも含めてね。

福原　最年少だったからウワーってはっちゃけてできたのもあったのかもしれないです。「みんなお兄ちゃん、お姉ちゃん！」みたいな感じでした。

原作ファンにもオススメできる

──それでは最後に、DVD発売がもうすぐということで、ひと言ずついただけますか。原作に思い入れがあるけどまだドラマは観ていない方もいると思うので、そうした人々にも届くように。

桜田　僕もマンガが大好きで、結構実写化に反対な人なので、そういう方の気持ちもよくわかります。でも2次元は3次元になれないし、3次元も2次元になれないんです、絶対に。観ていたらその作品自体がいいなって思える瞬間があるから、ある種寛大な目で、広い心で楽しんでもらえたらと思います。この作品は面白いか面白くないかって言われたら、マジで面白いんですよ。だからそれを純粋な気持ちで観てほしいです。ほんとにいい作品ですし、温かい気持ちになりますし。

白石　うん。マンガ原作の映像化としてうまくいってると思います。ちゃんとマンガの要素もありつつ、映像としての面白さもあるような作品になっていて、原作ファンにもオススメできるものになってるんじゃないかなと。あとDVDは特典映像が盛りだくさんで、僕が監督・脚本・編集をやらせてもらったイケメン阿部っちが主役のスピンオフドラマも入ってるので、ぜひ楽しみにしてほしいですね。

桜田　イケメンの阿部っち!? 誰得だよ、ダメだよ！

福原　あはは（笑）。でも本当に、原作のいいところをちゃんと出していきたいって思って、みんなで最初からマンガをいっぱい読んで、キャラを理解して本番に挑みました。たぶん「グッドモーニング・コール」の世界観をしっかりと出せてると思うので、安心して観てほしいです！