少女マンガをベースに少年マンガの文法で描く

──ネームを作る上ではどんなところを意識されてますか。

カスカベ　今回の「エバーグリーン」を描かせていただくときに一本柱として自分の中で考えているのが、メインヒロインが一番キラキラしててかわいいっていうのが大前提であって。そうした少女マンガ的な原則をベースにしながら、物語自体は少年マンガの文法で描くっていうことを一番に考えながらやらせていただいてます。

──カスカベさんが仰る少年マンガの文法とはどんなものですか。

カスカベ　パッと見たときに、視覚で訴えるのが大事みたいなところがあると思うんですよ。コマ割りを裁ち切っちゃうとか、背景や動作の流れをしっかり描き入れるとか。あとはサービスシーンを意識したりとか。

──サービスシーンは具体的にどんなものが？

カスカベ　第2話で言うと、仁希のスカートの中が見えそうで見えないローアングルのカットが出てくるんですが、まさか履いてないんじゃないかって思うような描き方をしたんです。ここが引きになるかなと。

──そうした男性のツボをつくような描写を、女性がどのように会得するのか気になります。

カスカベ　幼少期からアニメとかゲームとか男の子向けの作品が好きだったんですが、男性向けの作品って、胸を強調して描いてあることが多いと思うのです。それで幼少期に「ここを強調して描くんだ！」みたいのを、脳で理解して学んだのかなと。

竹宮　今の話いいですね。幼少期に……胸を（笑）。「エバーグリーン」はふたりのリビドーがほとばしった作品ですね。

1話1話の中で心地よい起承転結を付けている

──2話の見どころを教えてください。

竹宮　やっぱり「仁希なんなの」って感じじゃないですかね。「この子なにを考えてるの、何の行動なの？」って。それと今後の重要な展開に関わる伏線がけっこう詰まってます。

──1話は仁希が驚くような行動に出て終わりますからね。やはり隔月誌だと次号への引きを重視しますか。

竹宮　引きというより、2カ月に1度なので1話1話の中で心地よい起承転結を付けるように意識しています。そして単行本になって読み返したときに、「ここからもう始まってたのか」「そういう話だったのね」と楽しんでもらえるように、先を見ながらやってます。

──カスカベさんのおすすめはどのあたりですか。

カスカベ　私は温ちゃんを見てもらえたら（笑）。2話ではさらにイキイキしていると思います。あとは主人公の穂高のダメっぷりとか。それから見えそうで見えないスカートの中も注目ですね。