コミックナタリー Power Push - 「思い、思われ、ふり、ふられ」特集、咲坂伊緒×井上苑子対談
“正反対な2人のヒロイン”描く最新作を、現役女子高生シンガーと大解剖
「アオハライド」「ストロボ・エッジ」で知られる咲坂伊緒の最新作「思い、思われ、ふり、ふられ」は、恋愛に積極的な朱里と、恋に夢見がちな由奈の2人を描くラブストーリー。タイプがまったく正反対の2人に、朱里の弟・理央と由奈の幼なじみ・和臣を交えて群像劇が展開される。
コミックナタリーは1巻の発売にあわせ、咲坂を招いての対談をセッティングした。お相手として登場してもらったのは、咲坂作品の大ファンであり、1巻発売記念PVで「思い、思われ、ふり、ふられ」とコラボした現役女子高生シンガーの井上苑子。女子高生のリアルな恋愛観やキャラクターの魅力について、2人に心ゆくまで語り合ってもらった。
取材・文 / 宮津友徳 撮影 / 布川航太
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山本朱里
恋愛に積極的で現実的な考えを持つ少女。高校入学を機に、由奈と同じマンションに引っ越してきた。
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市原由奈
恋に夢見がちで、いつか運命の人が自分のことを見つけてくれると信じ込んでいる高校1年生。恋愛経験はまだない。
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乾和臣
由奈と同じマンションに住む、明るい性格の幼なじみ。まだ恋愛に興味がわいていない。
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山本理央
自由奔放な性格で面食いな朱里の弟。由奈の初恋の相手である絵本の中の王子に似ている。
歌詞を書くときは「ストロボ・エッジ」の蓮を思い浮かべる
井上 はじめまして! 今日はお会いできて感激ですーー! マンガ家さんて人前に出ない方が多いのかと勝手に思っていたので、対談が決まったときは「えっ、できちゃうの!」みたいな感じでびっくりしました。もうなんと言っていいか!
咲坂 こんな明るい方だとは(笑)。喋りやすそうで安心しました。
井上 自称関西のちっちゃいおばちゃんなんで。
──今回1巻発売記念で制作された「思い、思われ、ふり、ふられ」のPVに、井上さんの「大切な君へ」という楽曲が使用されているんですよね。
咲坂 お話に合わせて歌詞を書いてもらったわけではないんですけど、恋している感じを切り取った内容にもとれるので、合うんですよね。
井上 いやあ、うれしすぎます! 私、「ストロボ・エッジ」の蓮くんのことがすごく好きで、曲を作るときはいつも蓮くんの姿を妄想しながら書いてるんです。女の子だったら自分とか友達を想像するんですけど、男の子だと三次元に理想の人物がいないので。
──どういったきっかけで咲坂先生の作品を手に取られたんですか。
井上 中学生のときに友達が「ストロボ・エッジ」を読んでいて、絵がかわいいなって。咲坂先生の絵って、私にとってすごくツボなんですよ。顔といい髪の毛といい、ふわふわしすぎていないけど、はっきりしすぎてもいないというか。女の子の絵でさえキュンキュンしちゃって。私もこういう絵が描ければなあ。
咲坂 自分では昔っぽい絵柄かなと思っているので、そう言ってもらえるのはすごくうれしいです。
井上 えっ、全然昔っぽくないですよ!
咲坂 最初は誰かに憧れて、同じような絵柄にしていたと思うんですけど、自分の絵じゃないしなかなか覚えてもらえないんですよね。それと似たような絵柄が流行りだしたりして、同じようなものばかりになってもつまらないし。流行から外れすぎずにオリジナリティを出せるかは努力してきたつもりなんですけど、それができているかはずっと不安で。だから今みたいに言っていただけるとよかったって思いますね。
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ひょんなことから出会ったタイプの違う女子ふたり。恋愛の経験もスタンスも全然違う朱里・由奈が高1になり、相談&応援しあい、されあいながらそれぞれの恋愛に乗り出していく──!
「思い、思われ、ふり、ふられ」はセンターカラーで登場。1巻の続きが掲載されている。表紙および巻頭は、10月31日に実写映画の公開も控えた河原和音原作によるアルコ「俺物語!!」。このほか、渡辺カナ「ハンキー・ドリー」が新連載としてスタートした。
自由奔放なモテ男の理央と、明るく無邪気な和臣。異なる魅力を持つ2人が、支持率をTwitterのRT数で競う。別冊マーガレット(集英社)の公式アカウントから流れる「理央推し」「和臣推し」のツイートを選んで、応援する側をリツイートしよう。特設サイトではRT状況をリアルタイムでお届け。
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咲坂伊緒(サキサカイオ)
6月8日生まれ。B型。東京都出身。「サクラ、チル」でデビュー。代表作に、2007年から2010年まで別冊マーガレット(集英社)にて連載された「ストロボ・エッジ」および、同誌にて2011年から2015年まで連載された「アオハライド」。「アオハライド」は2014年7月にTVアニメ化、同年12月には実写映画化を果たしたほか、「ストロボ・エッジ」も2015年に実写映画化された。このほか2013年公開の劇場アニメーション「ハル」ではキャラクター原案も務めている。2015年6月発売の別冊マーガレット7月号より「思い、思われ、ふり、ふられ」を連載中。
井上苑子(イノウエソノコ)
1997年12月11日生まれ。兵庫県出身。11歳から大阪の心斎橋で路上ライブを始め、手売りでCDを1万枚売り上げる。2015年7月にミニアルバム「#17」でメジャーデビュー。リード曲の「大切な君へ」はLINE MUSICで250万再生、YouTubeでも150万再生を突破。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」にも出演したほか、9月には主演映画「私たちのハァハァ」が公開された。また動画配信サービス・ツイキャスでも活動しており、累計視聴者数は200万人を超える。11月4日にはメジャー1stシングル「だいすき。」をリリース。