同じ作品とタイアップを続けるからこそできることがある(TAKE)
──ここからは「TRIBALYTHM」に収録されているタイアップ曲について、どういうふうに作られたか伺わせてください。まず「Break it down」はゲーム「NARUTO×BORUTO」用の楽曲ですね。
TAKE 1年前にやった15周年ツアー「アニメ縛り」の最中に作った曲ですね。そのツアー中に、アニメとかロックみたいなジャンルの壁をどんどん壊していけば、自分たちにしかできないものができるんじゃないかというのを感じていたんです。
──確かに「偏見や価値観のくだらんライン 跨ぎながら行くよ 黙らせたい」から始まって、そういった意思を強く感じる歌詞ですね。
KOHSHI そういう内容のMCをツアー中もずっとしていて、そのまま歌詞に落とし込みました。
TAKE 「NARUTO」の関連曲は、ありがたいことにこれで8曲目で。ただそれだけに過去の曲を超えていかなきゃいけないし、同じ「NARUTO」シリーズでも作品ごとに世界観はある。常にそういった難しさと向き合って曲を作っています。
GOT'S アニメだけでなく、舞台やゲームの曲もあるからね。世代が替わった「BORUTO」(アニメ「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」)まで始まったし、「NARUTO」が今でも続いているからこそ、俺らも昔の曲をまだまだ新鮮にやれているし、作品をきっかけに10代くらいの若い人がFLOWの曲と出会ってくれたりするしね。FLOWは「NARUTO」とともにがんばってきたみたいな、そういう思い入れはあります。
IWASAKI アニメが始まった2002年に10歳で観ていた子も、もう25歳超えてるんだよ。
TAKE 「当時は子供だから来られなかったけど、大人になったからライブに来てみた」という人がいるのは強く感じますね。最近は男の子が多い。
KEIGO アニメ縛りでライブをやったときは、特にそういう声をよく聞いたよね。
──続いて、こちらも長く関わっているアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」シリーズのソーシャルゲーム「コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ」のテーマソングである「PENDULUM」はいかがでしょう?
TAKE 「コードギアス」は第1期の前期オープニングテーマ「COLORS」から始まり、第2期の後期オープニングテーマ「WORLD END」まで担当させてもらえて。初めて頭とケツを担当させていただき、FLOWとは非常にズブズブな関係で……。
KEIGO 言葉、言葉(笑)。
TAKE 今回はゲームですけど、3回目のタイアップということになります。「PENDULUM」は、曲自体はけっこう前からあったんですけど、「コードギアス」に非常に合いそうな曲だと思って、改めて歌詞を書き下ろしました。ストリングスは「WORLD END」を少し踏襲しています。同じ作品とタイアップを続けるからこそできる表現や仕掛けもあるんですよね。
──イントロなんてまさに「COLORS」を想起させるものですしね。編曲に吉田宇宙さんが参加されていますが、これは「風ノ唄」や「INNOSENSE」でストリングスのアレンジを手がけてもらった流れでお願いされたのでしょうか。
TAKE そうです。吉田さんは「風ノ唄」で一緒にやらせてもらったときに間違いないなと感じて。「PENDULUM」ではアタッキーなストリングスで“終わらない戦い”、“激闘”みたいなものを表現してもらいました。
「テイルズ オブ フェスティバル」に出る前は恐怖しかなかったけど……(IWASAKI)
──その「風ノ唄」や「INNOSENSE」など、アルバム内には「テイルズ オブ」シリーズのタイアップ曲が3曲収録されています。歴史のある有名なゲームですが、最初にコラボレーションしたのはゲーム「テイルズ オブ ベルセリア」主題歌の「BURN」でした。
TAKE 「BURN」は主人公の強い意思をメタリックなサウンドで表現しようと、キバオブアキバのみんなにアレンジをお願いしました。
──「風ノ唄」や「INNOSENSE」ではよりファンタジーを感じさせる作風になりましたよね。
TAKE ファンタジーというモチーフは、バンドとしても初挑戦だったんです。だから「風ノ唄」ではファンタジー→北欧→ケルト音楽→バグパイプ、みたいな連想ゲームを経て、バグパイプをフィーチャーしました。
IWASAKI 「風ノ唄」をライブで初めて披露したのは「テイルズ オブ フェスティバル2016」だよね。俺たちが「テイルズ オブ」シリーズのファンの前に出るのは初めてだったし、しかも会場が横浜アリーナで、規模が大きいから恐怖心しかなくて。でもそこですごく反応がよかった。
TAKE 音源にクラップの音が入っているからワンマンライブだとみんなクラップするけど、そのあとに「アニサマ」(「Animelo Summer Live」)でやったら、サビで「フッフー」という合いの手をお客さんが示し合わせたように入れてくれて。ライブで化けた曲だよね。
KEIGO だからワンマンでたまに「フッフー」って聞こえてくると、「あ、『アニサマ』からのお客さんが来てるな」と。
──(笑)。アニソンではないですが、ドラマ「幸色のワンルーム」のエンディングテーマ「音色」はミドルテンポのラテン調の曲で、アルバムのいいアクセントになっています。
TAKE 作品を彩ることを一番大事にするという意味では、アニメもドラマも向き合い方は変わらないんですけど、「幸色のワンルーム」は少し歪な恋愛ものだから、「NARUTO」や「テイルズ オブ」とはもちろん違う曲になりますよね。そうやっていろんな作品とコラボすることで、バンドにとっても新しい音楽が生まれるので、個人的には非常に楽しみにしています。
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エンペラー吉田かジェット浪越で悩んだ(KOHSHI)
- FLOW「TRIBALYTHM」
- 2019年4月10日発売 / Ki/oon Music
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初回限定盤 [CD+Blu-ray]
7480円 / KSCL-3143~4 -
通常盤 [CD]
3240円 / KSCL-3145
- CD収録曲
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- TRIBALYTHM -Intro-
- 風ノ唄
- Break it down
- 火花
- liENDULUM
- サンダーボルト
- INNOSENSE
- 音色
- BELIEVER
- Smells Like 40 Sliirit
- BURN
- ONENESS
- アイオライト
- TRIBALYTHM -Outro-
- 初回限定盤Blu-ray収録内容
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- 15th Anniversary Final「FLOW LIVE BEST 2019 in日本武道館~神祭り~(全25曲/約150分)
- Documentary of FLOW LIVE BEST 2019 in 日本武道館~神祭り~
- Documentary of 15th Anniversary TOUR 2018 "Anime-Shibari" -Latin America Tour-
- TRIBALYTHM企画 2番勝負 ビストロFLOW ブラジル料理対決
- TRIBALYTHM企画 2番勝負 世界のききビール対決
- FLOW(フロウ)
- 1998年に兄弟であるKOHSHI(Vo)とTAKE(G)が結成したミクスチャーロックバンド。1999年にKEIGO(Vo)とGOT'S(B)、2000年にIWASAKI(Dr)が加入し、現在の編成となる。2003年7月にシングル「ブラスター」でメジャーデビュー。2005年6月にリリースしたシングル「DAYS」がTVアニメ「交響詩篇エウレカセブン」のオープニングテーマに起用されて大ヒットし、一躍人気を高める。2015年2月にはアニメ作品への提供曲を収録したベストアルバム「FLOW ANIME BEST 極」をリリース。2018年には「15th Anniversary TOUR 2018『アニメ縛り』」と題して全国と中南米でのツアーを行った。2019年1月に10年ぶり2度目の日本武道館公演を実施。4月10日に約3年ぶりのニューアルバム「TRIBALYTHM」をリリースし、5月からは全国7都市を回るツアー「FLOW LIVE TOUR 2019『TRIBALYTHM』」がスタートする。