なんでこの作品と出会ってしまったんだろうって思うぐらいめちゃくちゃによかった
──ダ・ヴィンチ(KADOKAWA)で「真月譚 月姫」をおすすめしていたのを拝見したんですが、TYPE-MOON作品自体がお好きなんでしょうか?
……そういうことになりますよね(笑)。昔から知ってらっしゃる方からしたら全然新米ですし、そんなに語れるほど詳しいわけではないんですが。でも不思議な話で「月姫」は、実は小学生か中学生ぐらいのときに一度読んでるんですよ。そのときも面白かった印象はあって、それで久しぶりに読んでみようと思って全巻買い直したら、まさかのTYPE-MOONさんで「えっ?」と思って(笑)。でも読み直したら、なんでこの作品と出会ってしまったんだろうって思うぐらいめちゃくちゃによかったです。
──そんなに……(笑)。
よすぎてマジで知らなきゃよかった、みたいなことってないですか? ファンタジー要素とか、バトルものとしての面白さももちろんあるんですけど、特に志貴とアルクェイドの関係が僕的にはすごくぐっと来て、最後は本当に感動しました。「月の珊瑚」や「空の境界」も、まだ読めてないんですけど気になってます。TYPE-MOONさんの作品って複雑な物語が多いので、間が空いてしまうとすぐに内容がわからなくなるじゃないですか。だからちゃんと時間を作って集中して一気に読みたいなと思っていて……。あと今度、ゲームの「月姫」のリメイク版が出るので、絶対買います(笑)。
──アニメやマンガ、ゲームは小さい頃からお好きなんですか?
基本的にはマンガが好きですね。アニメも観ることは観るんですが、昔から好きな「NARUTO-ナルト-」だったり、最近人気のある「鬼滅の刃」「呪術廻戦」「進撃の巨人」あたりもマンガで読むタイプなので、マンガ派なんだと思います。それに比べるとアニメは観てる数は多くないと思うんですけど、たまに刺さる作品と出会うんですよね。少し前の作品ですけど「true tears」っていうアニメがすごく好きで。恋愛作品なんですけど、超いいんですよ。
──先程の「月姫」のお話もそうですけど、恋愛モノがお好きっていうのはちょっと意外でした。勝手なイメージですが、どちらかというとバトルマンガとか少年マンガとかがお好きなのかなと。
あー意識はしてなかったですけど、言われてみるとそうですね(笑)。もともと人間ドラマが好きなほうだとは思うので、恋愛がらみの話も刺さるんだと思います。
今は「Fate」が飛び抜けて好きになっちゃってるので……
──先ほど、GENERATIONSの佐野さんとアニメのお話をされてるとのことでしたが、THE RAMPAGEのメンバーやLDHのアーティストさんとアニメの話をする機会は多いんでしょうか。
そうですね、移動中とか休憩時間に最近観て面白かった作品の話をすることはあります。メンバーの陣さんが「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」がよかったって薦めてくれて、僕も観てみたいなと思ってたら、この間やましょうさん(山本彰吾)が移動中のバスでまさに「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を観ていて。あー観てる観てるって思いながら、後ろから覗いてました(笑)。
──以前コミックナタリーの特集で、EXILEの世界さんに出演していただいたことがあったのですが、そのときに川村さんとアニメの話をするとおっしゃってました。
はい、世界さんとはお会いする機会があるとよくアニメの話をしますね。世界さんは「Fate」もお好きなので、「Fate」の話にもなりますし。でも世界さんは(アニメの知識が)僕の遥か上を行ってるので、どちらかと言うと教えてもらってる感じです。
──ちなみに、今までで一番好きな作品を挙げるとすると?
うーん、影響を受けたという意味では子供の頃に読んでいた「NARUTO」「BLEACH」「家庭教師ヒットマンREBORN!」といった作品になってくると思うんですけど、でも今はちょっと「Fate」が飛び抜けて好きになっちゃってるので……。
──本当にお好きなんですね(笑)。「Fate」のどんなところが、そんなに川村さんの心を捉えたのでしょうか。
うーん……アルトリア?
──(笑)。
すみません! ちょっと今自分の中で「Fate」の存在感が強すぎて、ほかの作品とかキャラクターが入って来れない感じなんですよね(笑)。
ファンの方と映画の感想を語り合えたらうれしい
──では改めて、川村さんが考える「Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-」の見どころを教えて下さい。
まずは「Fate」ならではの世界観が詰め込まれているところが魅力だと思います。シリーズによって時間軸が違ったり召喚される英霊が違ったりはしますが、1つひとつのエピソードが独立した物語として楽しめますし、それぞれがどこかでつながっていることに後から気付く面白さもあります。僕も今回の劇場版を拝見して、「stay night」では主人公のサーヴァントとして登場するアルトリアが、本作では獅子王という敵対勢力として登場する驚きがありました。そういった部分が、僕の中ではすごく新鮮で楽しいです。たくさんのキャラクターが登場しますし、物語の展開や人間関係も複雑なので、一度観ただけでは語りきれないとは思うのですが、だからこそ何回でも観てほしい作品ですね。僕も何回も観たいと思います。
──まだ本作を観ていない方や、川村さんのファンの方に「Fate」の面白さを伝えるとしたら、なんと伝えますか。
ファンの方の中には「Fate」シリーズをまだ観たことがない方もいらっしゃると思うんですが、そういう方はぜひ劇場版「キャメロット」をきっかけに「Fate」シリーズに触れてもらえたらいいんじゃないかなと。ストーリーしかりキャラクターの魅力しかり、絶対に1人は好きなキャラがいると思うので、僕が作ったわけではないですけど(笑)、いちファンとして自信を持ってオススメできる作品ですのでぜひ観てほしいです。機会があればファンの方と映画の感想を語り合えたらうれしいなと思います。