押井守監督が「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」を世に放ってから23年。今でもSFアニメの金字塔として語られる本作の4Kリマスター版が、同じく押井監督作「イノセンス」とともに発売された。
コミックナタリーでは「Panasonic presents デジナタ」連載の一環として、草薙素子役の田中敦子とバトー役の大塚明夫による対談を実施。PanasonicのBlu-ray / DVDレコーダー「おうちクラウドディーガ 全自動モデル DMR-UBX7050」を用いて「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」4Kリマスター版を鑑賞しながら、「声優として本当に幸せ」と語るキャラクターとの深い関わりについて明かしてもらった。
取材・文 / 大谷隆之 撮影 / 高原マサキ ヘアメイク / 清宮令子
Panasonic「DMR-UBX7050」
UBX7050は最大10chのすべての番組を28日間にわたり録画する。Ultra HD Blu-rayの再生にも対応し、4K HDR映像の質感を最大限に引き出すディーガ独自の高画質技術を搭載。高精細かつ、明るく鮮やかな映像を実現する。また、4K有機ELビエラと接続することで、Ultra HD Blu-rayに収録された映像を圧倒的に豊かな臨場感と輝度表現で再生できる。
ディーガの性能を引き出すにはこちら
Panasonic「有機ELビエラ FZ1000」
自発光方式の4K有機ELパネルを採用した4Kビエラのプレミアムモデル。HDR(ハイダイナミックレンジ)の鮮やかな映像をブラックレベルゼロの漆黒から描き出すことができ、ビエラ独自の技術により暗部だけでなく明部でも階調と色彩を忠実に表現する。
いい環境で、落ち着いて「攻殻」と向き合うのは久しぶり(大塚)
──1995年に劇場公開された「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」は、アニメ好きはもちろん国内外のクリエイターにも巨大な影響を与えた作品です。これまでVHS、DVD、Blu-rayなど多様なメディアでパッケージ化されてきましたが、おふたりは今でもお家でご覧になったりされますか?
大塚明夫 ええ。たまーにだけど、無性に観たくなることがあるんですよね。テレビで放送されていると、つい没入しちゃったりね。
田中敦子 私も同じです。あと昨年はハリウッド版「ゴースト・イン・ザ・シェル」の日本語吹き替えを担当させていただいたので。その収録前にちょっと観返して、記憶を確認したりしました。
大塚 だから今日は、4Kリマスター版を観られると伺って、楽しみにしてきたんですよ。こういういい環境で、落ち着いて「攻殻」と向き合うのは本当に久しぶりなので。
田中 私も、ワクワクしながら来ました。
セルアニメーションなのに、どこか実写の映像に近い(田中)
──というわけで本日は、パナソニックのレコーダー「おうちクラウドディーガ」の最高位機種を用いて、4Kリマスター版(Ultra HD Blu-ray)とBlu-ray版の「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」をじっくりと見比べていきたいと思います。視聴テレビは「4K有機ELビエラ」です。
大塚 なるほど。そのUltra HD Blu-rayというのは、従来のBlu-rayのソフトよりさらに解像度が高いんですよね?
──はい。画素数で言うとフルハイビジョン映像の約4倍。加えてUltra HD Blu-rayの規格では、再現できる色や明るさの範囲も大幅に広がって、かつて35mmネガフィルムが持っていた情報量にぐっと近付きました。
田中 (2つのテレビ画面に映し出されたオープニングシーンを眺めながら)Blu-ray版のほうも素晴らしい映像なので、きっとこれだけ観ても大満足だと思うんですけど……。こうやってBlu-ray版と比べると、4Kリマスター版はこんなにはっきり違いが出るんですね。ちょっとびっくり。
大塚 いやあ、ほんとだねえ……。俺さ、実は今日、内心ちょっとドキドキもしてたんだよ。もしかしたら老眼で、違いがわかんないんじゃないかと。
田中 あははは(笑)。そうなんだ。
大塚 でも、これは一目瞭然だよね。……あ、ほらほら、こういうところも!(ビル屋上で待機する草薙素子と、夜景のショット)。街の灯りが、もう全然違う。
田中 確かに。キラキラした、輝き感がありますよね。
──押井監督ご自身も同じことをおっしゃってました。「従来のデジタルメディアではセルアニメで多用されていた透過光の輝きをなかなか再現できなかったが、今回はHDR(ハイダイナミックレンジ)の威力もあって限りなく劇場公開時の印象に近付けた」と。
大塚 いかにもリアルな光って感じ、するもんね。……と言ってる間に、はい、素子、屋上からダイブしました!
──「攻殻」といえばこれという、有名なショットですね。
田中 いやあ、これもすごいなあ……。こういう高低差だったり、奥行きのある場面になると、平面的な構図のシーンよりいっそう違いが際立つ気がします。セルアニメーションの作品なのに、どこか実写の映像に近いというか。
大塚 (画面を見つめつつ)それって光だけじゃなく、暗い部分も違うんじゃない? ほら、4Kリマスター版は影がより漆黒というかさ。
田中 あ、ほんとだ。映像のきめ細かさに加えて、それがあるから奥行き感や立体感が出るんですね。こういうキャッチーな場面を、それこそ劇場公開時と同じくらい鮮やかな映像で体験してもらえるというのは、声優的にはやっぱりうれしいなあ。
大塚 街の緻密さもすごいよね。路地裏の貼り紙とか、道路の上に突き出した看板とか、ディテールまでしっかり読み取れます。昔のVHSだと、細かい文字は滲んで見えなかったじゃない。
田中 フィルムっぽい空気感は残しながら、当時のスタッフさんが職人技で作り込んだ細かい部分も、しっかり見える。今はCGを使ってほとんど現実みたいな映像も作れちゃうけれど、こういうアナログっぽい肌触りってやっぱりいいですよね。
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「ネットは広大だわ」に時代が追いついた
- 「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」4Kリマスターセット
- 2018年6月22日発売 / バンダイナムコアーツ
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