細谷さん談義が始まるんです（松岡）

松岡　アニメ「デビルズライン」で驚いたのが、原作の絵をかなり忠実に再現しているところです。そしてアニメならではのSE、BGMがついて、アクションシーンの躍動感がある。マンガとは違う、新しい「デビルズライン」を観ていただけると思います。あと昨今のアニメとしては、かなり自然体で観られる作品なんじゃないかと思っています。今日の収録では「うひょ」ってセリフがあったんですけど、本当は「ウヒョ！ なんだよお前へっへっへ！」くらい言いたいんです。ガーッと勢いのあるキャラクターを演じることが多かったし、僕自身もガツガツいくのが好きなので。でも「デビルズライン」ではそんなことできない。

──安斎はそんなこと言わないですね（笑）。

松岡　突拍子もないアドリブは封印します。

木村　僕も素晴らしい原作だし、素晴らしいメンバーでアニメ化できていると思ってます。

松岡　そうそう、アフレコ現場も楽しいです。細谷（佳正）さん談義が始まるんですよ。

──細谷さん談義？

松岡　僕、細谷さんのお話を聞くのがすごく好きなんです。このあいだも「サイコパスとは」というテーマの本を読んだとかで、「聞いてくださいよ松岡さん！」ってずっとそのことを語ってくれる。その空気が「細谷先生！」と言いたくなるような感じなんです。「僕、質問があります！」って挙手しちゃうような（笑）。

石川　アフレコのときに私の座っている席が細谷さんと近いんですけど、1話で松岡さんの演技が終わったあと「ああーいい現場だ。ああーいいものを見させてもらった」ってずっと1人でおっしゃっていたのが印象深いです。細谷さん、松岡さんのことをすごく尊敬しているんだとそのとき思いました。松岡さんをはじめ、皆さんすごく素晴らしい芝居をなさるので、気が引き締まる思いですし、自分もがんばらないとと思える現場です。

みんなでいい作品を作ることほど素晴らしいことはない（松岡）

──実は最後に1問、花田さんから皆さんの内面に迫る質問を預かってます。

石川　声優ってすごく影響力があると思っていて、アニメは今世界中の皆さんが観てくださるコンテンツじゃないですか。海外に行くと、「アニメを観て日本語を勉強しました」とか「アニメから日本に興味を持ちました」とか言っていただけて、アニメの力をまざまざと実感するというか。アニメにはたくさんの人が関わっていますが、声優としてその一端を担わせてもらえるのは幸せだなっていつも思います。

木村　僕は物語がすごく好きなんです。だからその中に入れる感覚は幸せだと思うし、芝居が好きだから芝居に関われるのはうれしいですね。あと声優は仕事をしているだけなのに、「ありがとうございます」とか「あなたの仕事が好きです」とか言ってもらえて、贅沢な職業だなと思います。

松岡　声優は、作品のクレジットとかソフトのパッケージに名前が載るじゃないですか。声優になったばかりの頃、「ここに自分が生きたっていう証が残せる」って思ったんです。でも今はその考えは薄れて、みんなでいい作品を作ることほど素晴らしいことはないなって思うようになりました。皆さんが楽しんでくれる、感性に触れる作品をたくさん残していけたらと思っています。だからいろんな作品に携わって、年代問わず観てくれる方がいたら幸せですね。アニメ「デビルズライン」も全力で取り組んでいますので、ぜひ観てもらえたらうれしいです。