ふわっとしてたつかさの芯がギュッと硬くなった(石川)
──鬼とヒトのハーフである安斎と恋に落ちてしまうつかさの名前が出たところで、つかさ役の石川さんにも先生からの質問を。
花田陵から石川由依へ
実は原作でつかさを描いている時、登場して間もない頃は、安斎ばかりが主人公として大きな位置を占めておりあまりつかさの内面には深く踏み込まずに描いていました。そのため私自身も初期のつかさには、知らない部分が少なからずあります。石川さんがそんなつかさというキャラクターをどう解釈されて演技に臨まれているのか知りたいです。
石川 確かに、私の中で初期のつかさはすごく普通の子で、でもなんか不思議な子という、割とふわっとしているイメージです。ただ、1話に出てきた秋村や友達との距離の取り方を見て、他人とそんなに深く関わってこなかったんじゃないかと思いました。あんまりモノにも執着がなさそうで……。
木村 僕は、浮世離れしてるし、性善説的で疑うことをあまりにも知らない子だと思いました。
石川 鬼に出会ったら普通怖がりますよね、つかさは家に入れちゃいましたけど(笑)。でも安斎と出会って恋に落ちたつかさが、だんだんと自分の意思を固めて一途に突き進んでいくにつれ、ふわっとしていたつかさの芯がギュッと硬くなった感じがして。「ああ、安斎という存在を見つけて、自分でも知らなかった強さを見出した子なんだな」と思ったんです。だからアフレコの初期では彼女自身もまだ知らない、定まりきっていないつかさを出せたらと思っていて、アフレコが進むにつれてしっかりしていけたらいいと思いながら演じています。
木村 危ない目にあっても安斎のそばに行ったり、襲撃犯と仲良くなったり、僕としてはつかさに危機感が足りなくて心配になるんですけど、確かに守ってあげたくなる魅力的な子なんですよね。
石川 つかさは危機察知能力は高いと思うんですよ。危ない人や変な人に敏感に気づくんですけど、なんというか、そこからがちょっと……。
松岡 自分の危機察知能力を信じきれないところがあるよね。
石川 そうですね。危ない気配には気づくのに、逃げるんじゃなくて受け止めようとするところがあるというか。
松岡 「この人はたぶんそんな人じゃない」と思う部分が危機察知能力を邪魔しちゃうのかな。危ない雰囲気を少しでも感じ取ったら、「あ、このあとちょっと用事あるんで」みたいなことを言ってほしい。本当に気をつけてほしい!
ハンスに「もうちょっと見せてくれよ」(木村)
──保護者のようです(笑)。続いて木村さんへの質問です。
花田陵から木村良平へ
ハンスは、特に初登場時は謎の多い人物であり、どう見せるかが難しい役なのではないかと思っています。そんなハンスを演じるにあたって、難しく感じる点や、何か意識していらっしゃることなどはありますか。
木村 ちょっと問いとはズレるんですが、僕は出演するアニメの原作をあんまり読まないようにしているんです。アニメって、原作のストーリーの前後を入れ替えたり、エピソードをカットしたりしますよね。原作を読んでいた場合、「自分はこの情報知ってるけど、アニメのキャラは知ってるんだっけ?」って混乱することもある。声優それぞれだと思うんですけど、僕はそれだと演じるときに困るので読まないようにしてます。
──では「デビルズライン」も?
木村 でも「デビルズライン」は原作を一生懸命読んでて。なぜかというと、ハンスはまだ表面的なことしか話してないんです(取材時、アフレコは5話まで終了)。
──ハンスは安斎と同じく鬼とヒトのハーフですが、なぜか鬼の生態に非常に詳しく、飄々としているキャラクターです。マンガではセリフこそ多いですが、確かに本人の掴みどころのなさゆえか、本心が全然わかりませんね。
木村 台本を読み込んで、長いセリフをしゃべればわかることも増えてくるんでしょうけど、まだハンスが感情を出してくれる場面や、ハンスの内面を知ってるキャラクターが出てきてない。実際の人間でも、友達を見るとその人が見えてくるって言うじゃないですか。今のところハンスの周りには初対面の人間しかいないし、ハンスも表面的なことしか話さないから、なかなか人間性が見えてこなくて。でも内面に深く入り込まないといけない作品だから、「もうちょっと見せてくれよ」と思って、今原作を読んでいます。
──読んでみていかがですか?
木村 めっちゃ面白いです。鬼を題材にしてますが必ずしもファンタジーじゃなくて、組織の動きや社会の情勢が実際の社会にすごく似ていて生々しいんですよね。世の中にはギャグに特化した作品とか、血みどろなサスペンスとかいろんな物語がありますけど、「デビルズライン」は恋もサスペンスもファンタジーも入っていて、しかもバランスがすごくいいんです。だから「映画が1本作れるな」と思いました。映画って、やっぱり要素のバランスがよくないと成立しないような気がしていて。
石川 私はオーディションのときに作品を知って、キャラクターを掴もうと「1巻だけ」と思って買いました。本当はオーディション前って、役に落ちる可能性もあるし、落ちたら悔しくて続きが読めなくなってしまうのであまり原作を読みたくないんです(笑)。でも1巻を読んだらあまりにも気になる展開すぎて、「もうちょっと……」「3巻まで読んだら、きっとキャラクターを掴めるぞ」ってずるずると自分に言い訳して……。
一同 あはは(笑)。
石川 結局既刊すべて読んでました。鬼とヒトに壁がある中での恋愛要素は、やっぱり女子としてキュンキュンしてしまいます。本当に切ない恋なんですが、その壁を乗り越えようと安斎とつかさが手を取り合って前に進んでいく姿がすごく胸に来て。絵もすごく素敵ですし。
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細谷さん談義が始まるんです(松岡)
- アニメ「デビルズライン」
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- 放送情報
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- AT-X:2018年4月7日(土)より毎週土曜日23:30~
※リピート放送:
(日)8:00~/
(火)15:30~/
(金)7:30~ - TOKYO MX:2018年4月8日(日)より毎週日曜日25:35~
- BS11:2018年4月9日(月)より毎週月曜日24:30~
- サンテレビ:2018年4月9日(月)より毎週月曜日25:30~
- KBS京都:2018年4月10日(火)より毎週火曜日24:00~
- AT-X:2018年4月7日(土)より毎週土曜日23:30~
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- スタッフ
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- 原作:花田陵(講談社「モーニング・ツー」連載)
- 監督:中野英明
- シリーズ構成・脚本:古怒田健志、久尾歩
- キャラクターデザイン:川口千里
- 総作画監督:川口千里、小林利充
- アクション作画監督:才木康寛
- プロップデザイン:杉村友和
- 美術監督:黛昌樹
- 色彩設計:山上愛子
- 撮影監督:浅川茂輝
- 編集:木村佳史子
- 音響監督:なかのとおる
- 音響効果:森川永子、林佑樹
- 音響制作:ポニーキャニオンエンタープライズ
- 音楽:澁江夏奈
- 音楽制作:キングレコード
- アニメーション制作:プラチナビジョン
- 製作:デビルズライン製作委員会
- キャスト
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- 安斎結貴:松岡禎丞
- 平つかさ:石川由依
- 李ハンス:木村良平
- 沢崎孝:細谷佳正
- ジュリアナ・ロイド:沢城みゆき
- 菊原桐郎:櫻井孝宏
- 牧村武史:神谷浩史
- 天城那々子:東山奈央
- 吉井健一:蒼井翔太
- 朝海洋祐:興津和幸
- 牛尾直也:逢坂良太
- 石丸惠巳:石田彰
- 安斎みどり:浅野まゆみ
- 安斎環:宮野真守
- 松岡禎丞(マツオカヨシツグ)
- 9月17日生まれ、北海道出身。主な出演作は「ソードアート・オンライン」(キリト役)、「食戟のソーマ」(幸平創真役)など。
- 石川由依(イシカワユイ)
- 1989年5月30日生まれ、兵庫県出身。主な出演作は「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」(ヴァイオレット・エヴァーガーデン役)、「進撃の巨人」(ミカサ・アッカーマン役)など。
- 木村良平(キムラリョウヘイ)
- 1984年7月30日生まれ。主な出演作は「ダメプリ ANIME CARAVAN」(メア役)、「刀剣乱舞-ONLINE-」(和泉守兼定役)など。