月刊コミック電撃大王(KADOKAWA)が、2024年4月に誕生から30周年を迎えた。メディアミックス、日常・ギャグ系を中心に、百合やハードSFまで同じ誌面に並ぶ電撃大王は、「どんな雑誌?」と聞かれてもひと言で言い表すのが難しい、多面的な魅力を持った雑誌だと言えるだろう。コミックナタリーでは電撃大王の30周年を記念して、誌面を彩ってきた作家陣による座談会を実施。「ニニンがシノブ伝」の古賀亮一、「ケメコデラックス!」のいわさきまさかず、「とらドラ!」の絶叫、「やがて君になる」の仲谷鳰という4名に30年の歴史を振り返ってもらいながら、改めて“電撃大王とは何か”に迫った。
取材・文 / 鈴木俊介
参加者紹介
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古賀亮一(コガリョウイチ)
電撃大王で発表した作品に「ニニンがシノブ伝」(2000~2006年)、「電撃テンジカーズ」(2006~2010年)など。2020年からはコミックNewtypeにて、「ニニンがシノブ伝ぷらす」を連載している。最近ハマっていることは散歩。
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いわさきまさかず
代表作「ケメコデラックス!」(2005~2011年)は電撃コミックガオ!でスタートし、2008年に雑誌の休刊に伴って電撃大王へと移籍。そのほか電撃大王での連載作品に「ちょろいですよ鬼殺さん!」(2019~2020年)など。現在は月刊ガンダムエースにて「アラサーOLハマーン様」を連載中。千葉県柏市を舞台にした「あしたの今日子さん」(2010~2018年)が、2024年放送のTVアニメ「超普通県チバ伝説」とコラボしたばかり。
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絶叫(ゼッキョウ)
2007年に電撃コミックガオ!で「とらドラ!」のコミカライズ連載をスタート。掲載誌の休刊に伴い、2008年に電撃大王へと移籍した。その後、体調不良による休載を挟みつつも、現在に至るまで約17年にわたり連載を続けている。居酒屋巡りが好きで、安くて美味しいお店を見つけたときは幸せ。
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仲谷鳰(ナカタニニオ)
2014年、読み切り「さよならオルタ」が電撃大王に掲載されデビュー。その後、同誌にて「やがて君になる」(2015~2019年)、「神さまがまちガえる」(2021~2023年)を発表している。料理が趣味の1つで、連載中も息抜きとして自炊をしていた。最近、スパイスを買い揃えてビリヤニを手作りした。
同人界隈で活躍している“最先端”の先生がいっぱいいた
──今日はお時間を作っていただきありがとうございます! コミック電撃大王の30年を、当時を知る作家さんたちのお話から振り返っていこうという企画なんですけど……。
古賀亮一 振り返るのが自分たちで、本当にいいの?(笑)
いわさきまさかず 僕も声をかけてもらったとき、電話口で「僕でいいの? 本当に!?」って何回も確認しました(笑)。
──電撃大王編集部さんにお願いして、年代もジャンルも幅広くお声がけいただきました。順番で言うと、古賀さんの「ニニンがシノブ伝」が始まったのは2000年。電撃大王ができてまだ5~6年という時期で、今日お集まりいただいた中では最古参かと思います。電撃大王で描くことになったきっかけなど、覚えていらっしゃいますか?
古賀 知り合いの作家さんが電撃大王で仕事をしていて、あるときの新年会に、一緒についていったんです。そこに顔見知りの編集さんがいたので、冗談半分で「仕事ください」と言ったら、「じゃああげます」と(笑)。それが「シノブ伝」につながりました。
──当時の電撃大王はどんなイメージでした?
古賀 正直に言うと、あまり熱心に読んでいるほうじゃなかったですけど、かなりマニアックな、オタク向きな雰囲気がありました。「自分が描いていいなんて、懐の深い雑誌だな」と思った覚えがあります。
いわさき その頃の電撃大王、僕はけっこう読んでいましたけど、やっぱり表紙を「あずまんが大王」、あと「苺ましまろ」が飾っていたイメージが強いです。プロになる前の、専門学生だった時代かな。僕くらいの年代のオタクにとっては憧れの雑誌で、当時避けては通れませんでした。
古賀 あずまさんの存在は特に強烈でしたよね。
絶叫 私も「苺ましまろ」や「あずまんが大王」は単行本を集めていました。
いわさき ちなみに初期はどんな表紙だったんですか?
──ちょうど30周年記念サイトで第1号の表紙が公開されていました。カバーイラストは、PCゲーム「卒業 ~Graduation~」「同級生」などのキャラクターデザインで知られる竹井正樹さんが手がけられています。
電撃大王編集部 もともとが電撃王というPC雑誌の増刊として始まっているので、初期はそういった側面が強いですよね。
いわさき ジャンルとして「こういうのが多い」とかは特になかったと思うんだけど、同人誌の世界で活躍されている先生方がいっぱいいましたよね。今と比べると、もっと雑誌の厚さは薄かったんだけど、そういう最先端の先生方の、商業誌での作品が読めるというところにおトク感がありました。みんな同人活動をしているから、夏コミ冬コミの時期は忙しくて、雑誌がさらに薄くなるんですよね(笑)。
仲谷鳰 私はその頃、リアルタイムでは読めてないんですけど、「ニニンがシノブ伝」は女の子がかわいいのでうれしいなと思いながら拝読しました。
絶叫 女の子がかわいいとうれしいの、わかる!(笑)
仲谷 よかった(笑)。ギャグの密度もすごいし、あと、音速丸みたいなキャラが新鮮で。マスコットキャラのようなポジションなのに、お話をすごく展開させますよね。こういうやり方もあるのか、と思いました。
古賀 「シノブ伝」の前に、コミックジャパンという雑誌で「メイドのフミエさん」という作品を発表したんです。その雑誌は残念ながら創刊号だけで終わってしまったんですけど、「フミエさん」のキャラクターデザインが気に入っていたので、もったいないなと思って、「シノブ伝」はそれを流用させてもらったんですよね(笑)。あまり雑誌の色とかも気にせず、やりたいように描かせてもらったように思います。
──「ぷらす」を始めるにあたって、昔の単行本を読み返したりはされましたか?
古賀 しました。設定やデザインを思い出さないといけなかったので。そうしたら、自分で読んでも意味のわからないギャグとかあって(笑)、混乱しました。
いわさき (笑)。僕、自分の昔のマンガ読み返せない。怖くて。
古賀 わかる。わかるけど、ここまで古いと逆に大丈夫かな。「こいつがんばってるな」と温かい目で見れました。
仲谷 私も自分の作品を読み返すのは苦手です。連載中も設定確認のために読み返さなきゃいけないときだけ、がんばって読み返してました。恥ずかしいし、「ここ直したい」みたいな、粗探し的な視点でしか見られないので、楽しくないというか……落ち込んじゃうんですよね(笑)。
──絶叫さんは「とらドラ!」読み返したりしますか?
絶叫 します、します。でも恥ずかしいとかは、私はないですね。“無”です。ああでも、1巻を読むとヒロインの大河の髪型が……。キャラクターデザインのヤスさんは大河の髪の毛をすごくもっこり描いてたんですが、自分としては「このもっこり要るのかな?」と思って、コミカライズを始めるときに取ってしまったんですよ。そうしたらファンの方からすごく、髪型についての意見が届いて。原作の(竹宮)ゆゆこ先生に聞いたら、「髪の毛は多ければ多いほどかわいい! もっといっぱい描け!」と言われて。「なるほど!」「あれは必要だったんだ!」って(笑)。そこからちょっとずつちょっとずつ増やしたんです。
コミカライズの傾向はゲームからラノベにシフト
──電撃大王はコミカライズのヒット作も多いですよね。今日お越しいただいた中ですと、絶叫さんはコミカライズ作家の1人として長く連載を続けられています。雑誌の変化を感じていたりはしますか?
絶叫 ちょうどさっき第1号のお話が出ましたけど、それこそ昔はゲームのコミカライズが多かったですよね。数として実際どうだったかはわからないけど、印象としては確実にそうでした。いつからか、ラノベが人気になってきてからは、ラノベのコミカライズが増えたように思います。
いわさき 大王で言うと、「シャナ」とか「超電磁砲(レールガン)」とか、あのあたりからだよね。でもガオの終わりの頃も、けっこうラノベ原作はあった気がする。
──ガオと電撃大王って、雑誌としての方向性は似ていたんでしょうか。
いわさき ガオのほうがベテランから若手までいて、自由度が高かったように思うんだけど、ひと言で表すと、ガオは“カオスな雑誌”だったよね。衣谷(遊)先生の「リヴァイアサン」もあれば、松沢(まり)先生の「いぬかみっ!」もあって。
註:「リヴァイアサン」は大塚英志が原作を担当。繊細かつ重厚な絵柄で、“終末を告げし獣”をめぐる骨太なファンタジーが展開された。一方の「いぬかみっ!」は、有沢まみずのライトノベルが原作。落ちこぼれの犬神使いが、美少女だが大の問題児というヒロインに振り回されるドタバタコメディだ。
絶叫 カオス(笑)。確かにカオスだったかも。私、コゲどんぼ(現こげどんぼ*)先生の「ぴたテン」のイメージが強いです。
いわさき 「ぴたテン」、10カ月連続表紙とかやってたもんね(笑)。もともとは深夜アニメの先駆けみたいな雑誌だったんですよ。「エルフを狩るモノたち」(矢上裕)とか、「EAT-MAN」(吉富昭仁)とか「HAUNTEDじゃんくしょん」(夢来鳥ねむ)とか……。アニメ化されて、深夜アニメの礎を築いたような作品が多くて。それが「ぴたテン」とか、PEACH-PIT先生の「DearS」あたりの登場で誌面の雰囲気が大きく変わった。振り幅がすごかったんですよね。
──そのガオから多くの作品がジョインしたわけですから、電撃大王もカオスな雑誌になったんでしょうか。移籍した当時のことって覚えていらっしゃいますか。
いわさき 全然覚えてない……。ちょうど「ケメコ」のアニメ化と重なって、忙しかったんじゃないかな。ガオが休刊します、電撃大王に移籍になりますみたいなことを、何も考えずに受け入れていたように思います。
マンガの描き方も大きく変化、盛り上がるデジタル作画あるある
絶叫 いわさきさん、移籍先ってすぐに教えてもらえました? 私、ガオが休刊になるのは聞いていたんですけど、連載が今後どうなるのかって全然教えてもらえなくて(笑)。「とらドラ!」はまだ1巻が出たばっかりだったので、どうなってしまうのかすごくやきもきしたんです。今だったらWebに移行とかできるけど、あの頃まだWebは、ケータイ小説とかは流行ってたんですけど、マンガは全然少なくて。
編集部 その頃は描くほうも、みんなアナログだったじゃない?
絶叫 確かに! 古賀先生って、今はデジタルですか?
古賀 今は完全にデジタルです。
いわさき 僕も完全デジタルになりました。「今日子さん」までは全部アナログで描いてたんですけど……。
絶叫 えっ、すごい。けっこう最近までアナログだったんですね。
いわさき 「今日子さん」と並行して始めた「宮本さん」からは、下書きまでアナログで、ペン入れ・仕上げをデジタルでやるようになって。今はネームから送りまで全部パソコンでやってるので、パソコンが死ぬと全部死ぬ。毎回、パソコンの電源を入れるときに、「ついてくれ!」と祈りながら電源を押すんです。
古賀 あるある(笑)。左手デバイスも、壊れたらどうしようもなくなっちゃうもんね。
いわさき ちょっと挙動がおかしいだけでドキッとします。だから、デジタルはよくないよ(笑)。
絶叫 私はまだ、ペン入れまでアナログなんですけど……デジタルの初期って、線がジャギジャギになっちゃったりすることもあったじゃないですか。入稿のときも、家のプリンタで出して確認はするんだけど、本当に大丈夫かどうか刷り出し(印刷のサンプル)を見るまで不安で。今はソフトも安定しているからそんなことはないんだけど、デジタルに移行した最初の頃はヒヤヒヤしていました。
仲谷 連載の途中でデジタルに移行するのは難しそうですよね。なるべく絵柄が変わらないようにって、気を使いませんか。
いわさき 自分はそれもあって、作品ごとで切り替えるようにしたんです。仲谷さんはずっとデジタル?
仲谷 デジタルです。デビュー前の同人誌の頃は、アナログだったりデジタルだったり、本によって違ってたんです。でも、連載を始めるにあたって、どちらか一本に決めなきゃいけないなと悩んで……。同じページの原稿をデジタルとアナログと両方で描いてみて、それを担当さんに見比べてもらったんです。それで「デジタルのほうがいいね」となって、デジタルでいくことにしました。
いわさき デジタルに慣れちゃった今は、もうアナログに戻れませんよね。どうやって描いてたんだろうって思う。
古賀 「ミーティア」のときに一回、途中でパソコンが壊れちゃって。その頃はペン入れまでアナログで、仕上げをデジタルでやってたんだけど、パソコンが使えなくなったものだから、急遽アナログで仕上げをやることになって。そうしたら老眼のせいで線も二重に見えるし、トーンの点々もブレて見えちゃって……(笑)。ものすごく時間がかかりました。
──トーンも手に入りにくくなってると聞きますし、アナログはアナログで、続けていても苦労がありそうです。
いわさき 毎回原稿が終わったら文房具屋に、次に使うためのトーンを買いに行ってたもんなあ。インクも用紙も補充してたし、今そういうのなくなっちゃったから、画材代はほとんどかからなくなったよね。
仲谷 そうですね。たまにパソコンとかソフトとか、何十万と大きいのがかかりますけど。
いわさき いつも「元を取るまで描かないとな……」って思う(笑)。
絶叫 皆さん液晶タブレットですか?
仲谷 液タブです。
古賀 自分もワコムの液タブ。
絶叫 あ、一緒です。
いわさき 僕もワコムです。みんな同じだ。最近はiPadだけで描くマンガ家さんもいるけど、あれはできなかった。
古賀 画面がちっちゃく感じちゃうんだよな。
いわさき 常に引きの画面が見えていないとやりづらいですよね?
仲谷 わかります。挑戦したんですけど、あれだけで原稿はさすがに難しかったです。ツールとか置いておく場所も足りないし。
絶叫 塗りだけだったらできるかも。でも、ワコムとはペン先の感じも違うんですよね。iPadはなんというか、ヌルっとするというか……。あれに慣れるのに時間がかかりそうです。
仲谷 そっちに慣れちゃうと、今度はそっちしか使えなくなっちゃいそう(笑)。
いわさき この15年くらいを振り返ると、本当にマンガ業界は激動だよね。マンガの描き方も変わったし、発表の仕方だって変わっているじゃない? 僕らは持ち込みしたり、ブログやホームページにイラストを載せて見に来てもらってたりしてたけど、今の子はSNSに作品をアップしたら、すぐ反応があるんだもん。でも、自分が今の若い子の立場だったら、マンガ家を諦めていたかもしれない。すごく上手な人たくさんいるんだもん。
仲谷 デビュー前から、プロと同じような土俵で比べられちゃう難しさもありますよね。
電撃大王なら「何をやっても許してもらえるかな」
──仲谷さんは2014年に電撃大王でデビューされて、翌年「やがて君になる」の連載がスタートしました。連載を始める前、電撃大王にはどんなイメージを抱いていましたか。
仲谷 正直に言うと、自分が関わるまで雑誌としては読んでなかったです。作品としては知っているものがもちろんたくさんあったんですけど、中高生の頃はオタク文化から離れていた時期でもあって。友達経由で、女性向けのオタク文化にはちょっと触れたりはしていたんですけど。男性向けオタク文化はあんまり。田舎なんで、アニメもあまりやっていなかったりして。
──逆に言うと、男性向けのオタク文化の雑誌なのかなという印象だった?
仲谷 たぶんそうですね。電撃文庫の作品は触れていたので、そういうのが載っているイメージはあったかもしれません。ただ、担当さんに「電撃大王で百合をやりませんか」と声をかけてもらったときは、「そういう雑誌じゃないですよね?」「いいんですか?」と言った覚えがあります。その担当さんが百合好きな方で、たくさん百合作品を立ち上げられたので、「やが君」の頃から百合が増えたというイメージを持たれている方は多いかもしれません。
──でも電撃大王って、女の子同士がキャッキャウフフしている作品は以前からけっこうありましたよね。それこそ「ニニンがシノブ伝」でも。
古賀 言われてみれば(笑)。
いわさき 最近は男性向けでも、「リコリコ(リコリス・リコイル)」だったり「水星の魔女(機動戦士ガンダム 水星の魔女)」だったり、あえて百合メインっていうのが増えたように思いますよね。でも「やがて君になる」が始まった頃は珍しかったんじゃないかな。さわやか……という言葉が合ってるかわかりませんけど、最近の百合はコテコテのギャグじゃなくて、さらっとした感じ。
仲谷 全部を“百合”という単語に集約しちゃうとなかなか難しいんですけど(笑)。女の子がたくさん出てきて仲良くしているというのも、広く百合とされていますよね。「やが君」みたいなのはガールズラブって言ったほうがわかりやすいんだと思います。
絶叫 私、「やが君」が始まったときのことはよく覚えてる。すぐ「女性の作家さんだろうな」と思った。最先端の絵柄だなと感じたし、大王にはいなかった絵柄で新鮮でした。百合というカルチャーの中でも、新たな方向性を確立した作品なんじゃないですかね? その前だと百合って、「マリみて(マリア様がみてる)」とか「ストパニ(Strawberry Panic!)」みたいな作品のイメージだったから。
──「やが君」の後、「神さまがまちガえる」を始めるときは、アイデア出しの段階などで“電撃大王らしさ”みたいなものは意識しました?
仲谷 うーん、意識していないと思いますね。今日のトークテーマでもありますけど、「大王っぽいジャンルって何?」っていう話じゃないですか(笑)。何をやっても許してもらえるかな、というふうには思っていたかな。
いわさき でもね、仲谷さん。僕は多摩川のタマちゃんみたいなアザラシが登場する「手賀沼のテガちゃん」って企画を考えて、思いっきりボツを食らったので、何をやっても許されるわけじゃないんですよ(笑)。
一同 (笑)。
いわさき 「好きにやっていいよ」とよく言われるんですけど、「好きにやっていいとは言ったけど、これはやめよう」もよく言われる言葉ですね(笑)。
──そんな中で「鬼殺さん!」は、どんな部分が理由で連載につながったんでしょうか。
いわさき わからないです(笑)。「これ!?」って思いましたもん。自分としては、変なキャラクターが描きたいんですよね。「ケメコ」を描いていたときも、ケメコというキャラクターを描きたいがために、「中にかわいい女の子がいるからいいよね」って設定にしたんです。自分の好きなものを描く口実に、バーターとしてかわいい女の子を出す。
──かわいい女の子が出るほうが、企画として通りやすい印象がある?
いわさき それはわからないけど、でも自分が読者の立場になったときに、変なキャラクターだけ出てるマンガを読みたいかと言われたら……ねえ? やっぱりフックとしてかわいいビジュアルのキャラクターがいて、読むと変なキャラクターもいて楽しいな、というのが正解なんじゃないですか。変なものそのままだと、なかなか手に取ってもらえないでしょう。
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