早見さんの声は、
ぶっきらぼうな言葉でも上品さが残っている

──早見さんからはもう1つ質問がありました。「一番バディらしさを感じたシーン」について、こちらはいかがでしょう。

三上　第9話でキリルがダグを肩車して救出するところは、2人のバディらしさを感じるし、好きなシーンですね。

天﨑　普通だったら救出されたときに「なんでここにいる!?」とか、「どうやってわかった!?」とか、いろいろ聞きたいことがあると思うんですけど、最初に出てきた言葉が「なんで肩車？」という。「まず、そこ聞く？」と思いますよね（笑）。でもダグの中で当たり前のようにキリルへの信頼関係があったから、いろんなことをすっ飛ばして「なんで肩車？」っていう言葉が最初に出たんだろうなと思います。

──そんなメッセージをくれた早見さん、そしてディーナについて、皆さんはどのような印象をお持ちですか。

天﨑　ディーナのキャストさんが早見さんだと伺ったときは、すごく意外な感じがしました。最初の頃、早見さんと安済さんが「普段だったら演じる役柄が逆じゃない？」と意外そうにお話しされていたのも覚えています。ただ、今になってみればディーナは早見さん以外ありえないし、ケイも安済さん以外ありえないなって。そこはキャスティングされた方の千里眼がすごいなと改めて思いました。

古田　早見さんの声って、ぶっきらぼうな言葉でもどこか上品さが残っているんですよね。オーディションで聴いたときにもその印象が強くて。怒鳴られてもそれほど嫌な気持ちにならない感じがあるというか。

三上　ミラにもキリルの写真を渡して「持っとけよ」と気を使ったり、口は悪いけど優しいところがディーナは素敵ですよね。それが早見さんのお芝居からも感じられて。

鈴木　ああ見えて、デリックのバーにも最初に行ってあげてますからね。マックスが落ち込んでいるときも、鼓舞するような言葉をかけてあげているし。早見さんにはディーナというキャラクターに優しさを与えていただきました。

かわいらしさと芯の強さを加えてくれた
安済さんの演技

──では次に、ケイ役の安済知佳さんからのメッセージです。

天﨑　ありがとうございます。「ダグとキリルそのままのような」……やっぱりそう見えるんですね（笑）。

──では安済さんとケイについてもお伺いできればと思います。

古田　オーディションのときから、擦れてない純粋なルーキー感が一番感じられたのが安済さんの声でした。安済さんにケイ役をお願いすることになった理由はそこが一番大きかったと思います。

鈴木　ルーキーで成績もよくて、ともすれば鼻につくキャラクターになってしまう可能性もあったと思うんです。そうならないように（脚本の）吉田（恵里香）さんが大食漢キャラをつけてくださって、ちょっとずつ緩和していったところに安済さんがかわいらしさと、何より芯の強さを入れてくれたと思っています。

天﨑　ケイは真面目で真っ直ぐで、ルールにも厳しい部分があって。EXTRA第3話の「刑事カリアゲ 湯けむり殺人事件簿！」でも分刻みのタイムスケジュールを用意してましたが、それを読み上げるシーンでもケイの無垢なところを感じました。もちろんそれを意識して演じられていたとは思うんですが、改めてケイにぴったりだなと思いました。

三上　温泉回（EXTRA第3話）はよかったよね。予定を詰め込みすぎて時間に厳しくしているけど、実は「最高の思い出を作りたい！」っていうケイの熱い思いがあってのことだったという。それをディーナも寝ながら聞いていて……。あれはもう、泣けますね。本当にいいシーンでした。

凛とした中にも抜け感がある、
大地さん演じるマックス

──次はマックス役の大地葉さんからいただきました。

一同　（笑）。

──しっかりとマックスとユリについてのアピールもいただきましたが（笑）、大地さんについてはいかがですか。

三上　マックスの凛としたところは、大地さんのお芝居からもすごく感じましたね。

古田　マックスはカッコいいんだけど、カッコよすぎない。案外ミーハーなところもあるんですよね。

三上　「リスヴァレッタ警察24時」の番組を観て、「私も出たかったなあ」と言ってましたもんね。

古田　そういう抜け感があるところも含め、いいバランスで大地さんに演じていただきました。

天﨑　僕、8話が大好きで。マックスの過去と、ジェンダーについて描かれているエピソードなんですが、8話のオーディオコメンタリーで大地さんとご一緒させていただいたときに、「こういう話をしなくても済むような世の中になるといいよね」とお話しされていて、そういう視点を持った方がマックスを演じられていたことがすごく素敵だなと思ったんです。マックスが持つ芯の強さみたいなものを大地さんからも感じました。

鈴木　マックスはしっかりとした過去があるからこそ、8話まではパーソナルな部分に触れてこなかったんです。大地さんはそれを踏まえてしっかりと下地を作りながら、8話で爆発させていただいたなと。すごく丁寧に演じてくださって、あのシーンはアフレコでも聞いていてうるっときましたね。

種﨑さんのパーソナリティも相まって、
絶妙な塩梅のユリができた

──最後はユリ役の種﨑敦美さんです。

鈴木　4回目（笑）。

天﨑　さすが（トラヴィスズ・）エンジェルズ（笑）。

一同　（笑）。

鈴木　まさかの自己解決ですね（笑）。

古田　種﨑さんっぽいっちゃ種﨑さんっぽいですよね（笑）。

──とのことでした。種﨑さんからも質問といいますか……。

天﨑　もう解決されてましたね（笑）。しかも「どちらでもいいです」という（笑）。

鈴木　実際どうだったんですか？

三上　割とほかの現場でもそうなんですが、30分前くらいを目安に入っているところはありました。

──それはやっぱり座長としての気持ちもあって？

三上　そうですね。主役を演じさせていただくときは、多少なりそういう気持ちもあります。

天﨑　僕も30分くらい前には入りたいと思っていたんですが、僕が入ると必ず三上さんがいらっしゃって。さすがに30分より前に入ると準備が始まってなかったり、逆にスタッフの方に迷惑をかけてしまうので、いかに三上さんより一瞬早く入れるか、みたいなところは考えたりしていました（笑）。

三上・古田・鈴木　（笑）。

──それでは種﨑さんとユリについてもお伺いできればと思います。

古田　ユリは演じるのが一番難しいキャラクターだったんじゃないかと、アフレコを見ていて思いましたね。あまりあったかすぎてもロボットっぽくないし、ロボットすぎるとそれはユリではないし。種﨑さんにはその塩梅を上手に演じていただいたと思います。

三上　ユリは癒しであり、あったかい存在ですね。最初の頃、監督にどういうキャラクターかという説明をしていただいたときに、「お母さんのような」というお話があったんですが、本当にそんな印象のキャラクターだったと思います。

天﨑　絶妙に人間っぽいし、絶妙にロボットっぽい。その感覚を種﨑さんは丁寧に調整されていて。コピーのユリが爆発するシーンで、叫ぶキリルを演じた僕自身としても、視聴者の皆さんとしても、あそこまでユリを失ってしまったことに悲しみが溢れたのは、種﨑さんが絶妙な塩梅でユリを演じてこられたからなのかなと感じました。

鈴木　「あたたかみのあるロボット」って、これまた難しいですよね。種﨑さん自身がユーモラスで、独特な感性をお持ちの方ですが、ご本人のパーソナリティも相まって、あの独特の雰囲気を持つユリになったのかなと思います。