最初はディーナの強さに負けてしまった（安済）

──ケイとディーナは、まったくタイプの違う2人のバディですよね。演じるうえで意識されたことはありましたか？

安済　ケイはディーナに振り回されることが多いので、とにかく早見さんについていこうという気持ちで必死でした（笑）。

早見　ディーナは後輩の面倒を見るタイプじゃないから……。去る者は追わずというか、ついてこれない人は置いていくというか（笑）。

安済　最初はディーナの強さに負けてしまって、テストのとき「そんなんじゃ絶対バディになんてなれないでしょ」と指摘されてしまうぐらい、弱々しいお芝居をしちゃってたんです。音響監督さんに「もっと戦っていいから」と言われてしまい……。

早見　それはそれでケイが怒られた犬のようでかわいかったけどね（笑）。

安済　（笑）。でもそれじゃダメだと思って。ケイは、ディーナと組むことをどうやって受け止めて一緒にやってきたのかなと考えたときに、最初はぶつかり合いながらだっただろうなと思って。だったら私ももっと対等にというか、ケイにはケイの思いがあるっていうのをちゃんとディーナにぶつけられるようにしなきゃと思うようになって。

早見　私は4話で安済さんとしっかりした掛け合いができてうれしかったですね。

安済　4話はディーナとケイがメインの回でしたもんね。あの、ディーナの飼っていた犬の名前が「ケイ」だったから、ケイをバディとして受け入れたってエピソードが、ディーナらしいと言うかなんというか（笑）。

早見　特にディーナがゲイリーに追い詰められ銃を捨てて伏せる場面で、「仲間を助けるためならプライドも捨てるか」と言うゲイリーに、ケイが「そんな面倒なこと、たぶんしません、あの人は最短を全速力で駆け抜けます！」って言い切るのが好きで。ちゃんとケイがディーナの性格を理解しているのが伝わるし、そこでやっと、2人がバディになれたんだなと思えて。あの安済さんのセリフ、カッコよかったです。

安済　うれしいです……！ 早見さんとは、別の作品で先輩後輩の役を長くやっていた影響で、なんとなく先輩後輩感が抜けないんですけど（笑）。でも私と早見さんの関係が、ディーナとケイの関係を出すのにうまく作用したような気もしている（笑）。

早見　未だに「早見さん」って呼ばれていて、私、先輩じゃないし年齢も安済さんのほうが上ですし、全然タメ口とかでいいのに（笑）。

安済　いや、なんか染み付いちゃって（笑）。