現場の三上さんを見てほしい!(天﨑)
──キャラクターとご自身とで重なる部分はあるのでしょうか。
天﨑 キリルと僕は……あんまり自分で言うことではないとは思うんですけど、割と……イジられる……といいますか。
三上 ふふふ(笑)。
天﨑 自分では真面目にやっているつもりなのに、周りからすると「何やってるの」と言われたりすることが多くて。それに対して、「いやいや、ふざけてるわけじゃないのに!」って反論したくなるところは、キリルと似ているかもしれないです。でも、もしキリルが僕のことを知っていて、周りの人から「2人は似てるよね」って言われたら、キリルは嫌がりそうな気がする(笑)。
三上 あはは(笑)。
天﨑 「そんなことねーし!」って否定したくなるところも、似ているかもしれないです(笑)。三上さんはどうですか?
三上 僕とダグはあんまりないと思いますね。ダラーッとだらしないときがあったり雑だったり、そういう部分は自分にもあるかもしれないけど(笑)。
──大人の魅力みたいなものは?
三上 いやいやいや。僕にはないですねえ、欲しいですねえ。懐の深さというか。
天﨑 (小声で)いやいやいやいや……。
──天﨑さんが「そんなことない」って言いたげです。
天﨑 いやもう、現場の三上さんを見てほしいです! むちゃくちゃ紳士ですもん。
三上 いやいやいや。……(声を潜めて)でも自分で似てるなって思ったところがあっても、それを自分の口からは言えないじゃないですか。
天﨑 あはは(笑)。じゃあ今いっぱい言います!
三上 言って、言って!(笑)
天﨑 三上さんは、現場でのお芝居に対する姿勢とか、周りへの気配りとか、ものすごく紳士なんです。そこも魅力的なんですけど、そういう仕事の場から離れたときの、プライベートなトークをするときの三上さんもすごく素敵なんです。かしこまった部分だけじゃなく、緊張が解けたときの三上さんの緩い雰囲気も、ダグの内に秘めた優しさや包み込む大人な感じに通じるところがあるのかなってすごく思います。
三上 (照れた様子で)ありがとうございます!
天﨑 こんな感じで伝わったでしょうか?(笑)
三上 大満足です、ありがとうございます(笑)。照れちゃいますね。
──逆に三上さんから見た天﨑さんはどうですか?
天﨑 ああっ! ちょっと、やめましょうよ!
三上 あはは(笑)。フレッシュな感じはキリルともすごくリンクしているなというか、そのまんまじゃんって思うときがありますよ。何事にも一生懸命だし。アフレコのときも、本当に全身を使って一生懸命にやっているのが隣から伝わってくるので。
天﨑 ありがとうございます……!
三上 だけど、僕はそこに乗っからないようにしないといけないんですよね。キリルがストレートにぶつかってくるから、ついつい自分もその温度に引っ張られそうになっちゃうんですけど、ダグはそういうテンションではないから、そこに巻き込まれないようにしないといけない。だから大変なんです(笑)。
天﨑くん演じるキリルが
がんばっている姿を受け止めていた(三上)
──バディものの作品となると、おふたりでの掛け合いのシーンも多いと思いますが、ご自身で用意してきたお芝居と、実際のアフレコで引き出されるお芝居とでは違ってくるものがあるのでしょうか。
三上 そうですね。現場で相手から来たものをしっかり受け止めてお芝居をしたいので、自分でリハーサルをしていても言い方を固めないようにしています。吹き替えのお仕事だとすでに画として俳優さんのお芝居があるので、そちらに自分の演技を合わせていくこともありますが、アニメの現場ではアフレコの時点で絵が完成していないことも多いので、役者同士のお芝居の生物感が大事になってくるんですよね。
天﨑 僕は、「ダブデカ」の現場は僕よりも何年もキャリアが長くて、素晴らしいお芝居をされる大先輩に囲まれている状況なので、W主役のうちの1人という立場ではあるけれど、皆さんが作ってくださる現場の空気感に身を委ねたほうが絶対面白くなるだろうなと考えていて。なのであまり自分の中で固めすぎないようにしようとは思っていたんです。……けど、やっぱり第1話の収録前は、心配でリハーサルビデオを何回も観ちゃうし、台本を何度も読んじゃうし(笑)。第1話のときは特に、そこの配分を悩んだのは覚えています。でも自分もこうやって主役としてやらせていただいている以上、皆さんが作ってくださる空気に身を委ねつつも、生み出していくものもないとダメだなっていうのは日々感じています。
──やっぱり第1話のアフレコは緊張されましたか。
天﨑 1話もそうなんですけど、その前にPV用の収録をさせていただいて。その日は朝から、肩から背中にかけての筋肉がガチガチになっちゃって。
三上 あはは(笑)。
天﨑 毎日ストレッチはしているんですけど、その日はものすごく肩に力が入ってしまっていたみたいで。肩に力が入ると声ってうまく出せなくなるから、マイク前で2回くらいセリフを読んだだけで声が裏返ってしまって(笑)。「普段はもっとのびのびとできるのに!」っていうジレンマを抱えながら、それを踏まえての第1話の収録だったので、それまでになるべく肩を柔らかく、喉を強くしていかないと、と自分にミッションを課していました。
──天﨑さんがそれだけ緊張されていることに、三上さんは気付いてましたか?
三上 きっと力が入ってるんだろうなというのは感じたかな。でもキリルは声を張るセリフも多いし、キリルっていうキャラクター自身が、そういう力んだ役どころなので。ダグはどれだけ力を抜けるかが大事になってきますけど、キリルは役としても力が入るのは当然だろうなと思っていました。だから緊張しているのを感じるというよりは、キリルががんばっているのを受け止める感じでしたね。
天﨑 第1話の収録のときに、僕が台本を読みながらセリフの言い方を確認していたんです。そしたら隣に座っていた三上さんが、僕に向けて「○○だろ?」って、その前のダグのセリフをこちらに向けて言ってくださって。それに対して僕も返して、2人でセリフ合わせをさせていただいたんですけど、掛け合いの相手の方に自然とそんなふうにしていただく経験が初めてだったので、めちゃくちゃ感動したのを覚えています。三上さんのその気遣いがすごくありがたかったですし、そこでちょっとホッとしたんです。これからも三上さんについていきたいなって思いました。
三上さんと共演すると聞いて、母親も安心してました(天﨑)
──三上さんと天﨑さん、お互いの印象についてはいかがでしょう。
三上 かわいいですね。
天﨑 (笑)。
──先ほど「キリルをどう思いますか?」と伺ったときと同じ答えですね(笑)。
三上 そうそう、だから本当に重なるんですよね(笑)。
天﨑 (照れながら)ありがとうございます(笑)。僕は以前にも三上さんと共演させていただく機会があって、その頃から僕みたいな新人とも分け隔てなくあたたかく会話してくださるところがすごく素敵な方だなと思っていたので、相棒役を三上さんが演じられると聞いたときはものすごく安心したのを覚えています。キリル役を演じることが発表になったとき、母親にも連絡をしたんですけど、そもそも以前三上さんと共演したときにも「三上さんっていう方がいて、今日ご飯に行かせていただいたんだけど、すごく優しい方だった」って話をしていたんですよ。だから、今回三上さんと共演するって話をしたときに、母親も「ああ、あの方ね!」って安心していました。「安心して息子を任せられます」みたいな感じで(笑)。
三上 あはは!(笑)
天﨑 でも本当に、以前共演させていただいたときからまったく変わらず優しく接してくださいますし、役者としても、人間としても、学びたいことがいっぱいある先輩だなと、改めて一緒にやらせていただく中で感じています。
三上 いやあ、がんばります。僕もまだまだ未熟なので……(笑)。僕もバディ役が天﨑くんと聞いたときはうれしかったですよ。やっぱり相手が初めての人だと緊張しちゃうけど、天﨑くんとは一緒に飲んだこともあったし。名前を聞いてホッとしました。天﨑くんも主役としては初めての作品で、僕のほうもアニメ作品にたくさん出ているわけではなかったので、2人で一緒にがんばろうという思いはありましたね。
天﨑 第1話のアフレコでお会いしたときにそう言ってくださいましたよね。「一緒にがんばろう」って、握手をしてくださって。
──おふたりが今作の座長なわけですもんね。
三上 がんばらないとね。まだまだ未熟な座長なので……。
天﨑 いやいやいや……。
三上 2人でがんばっていきましょう。
天﨑 はい! そうですね。バディですし、2人で1つなので!
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2人が気になるキャラクターは?
2019年5月14日更新