コミックナタリー Power Push - コミックシーモア

NMB48三田麻央がチョイスした知る人ぞ知るオススメBL12作品

新しい扉が開いた「おじさんBL」

ヨネダコウ「それでも、やさしい恋をする」

──最近BL作品の実写化が増えていますものね。挙げていただいたものだと、ヨネダコウさんの「それでも、やさしい恋をする」は、映画化した「どうしても触れたくない」のスピンオフです。

ヨネダさんは天才ですからね。全作品オススメ! このキスしてる場面で、ゲイの受けは「気持ち悪がられるかもしれない」とおびえていて、ノンケの攻めは「やわらか……」なんて考えている、このすれ違いの描写の仕方が最高じゃないですか? 「そんな悩まなくていいよ!」と受けに言ってあげたくなる。

──攻めよりも、受けを応援してあげたくなるタイプなんですね。

そう、壁として……(笑)。いろいろなトラウマが、新しい恋愛のなかで浄化されていくのが丁寧に描かれているBLって沢山あるんですよ。なので、男同士だからとイロモノ的に見ないで、確立しているいちジャンルとして楽しんでいただきたいなって思うんです。あと何より新しい扉が開ける! 

──三田さんの中で最近開いた扉はありますか?

「おじさんBL」ですね!

カサイウカ「両想いなんて冗談じゃない!!」

──またインパクトのあるジャンルが(笑)。この中だとカサイウカさんの「両想いなんて冗談じゃない!!」と市ヶ谷茅さんの「けむにまかれて」ですね。

そうですね! おじさんBLに萌えるようになったのは、私の好きな本屋さんで「両想い」が薦められていたのがきっかけで。25年前に初恋を経験して、相手のことをずっと好きな42歳のおっさんが出てきます。相手の結婚式とかにも笑顔で参加して、それでも思いは続いていて……で、42歳になってからいきなり相手が自分のこと好きかもしれないとか言ってきて「冗談じゃない!」と。照れているおじさんたちが本当にかわいいんです。

市ヶ谷茅「けむにまかれて」

──「けむにまかれて」のおじさんはちょっとドSの匂いがしますけど。

そう、そうなんです! おじさん攻め×枯れ専の受けなんですけど、おじさんが受けを手玉にとっていて、本当に「くーっ」ってなります。受けが我慢できなくなって攻めに迫ったところでは、攻めが受けの手にタバコをジュッと押し当てるという……飼い犬に手を噛まれるかと思いきや、完全にしつけている。「人生経験積んでますなー」って思いました。別に私自身には年上好きといった趣味はないんですけど、「けむにまかれて」を読んでから、カッコいいおじさんを街で探してしまう癖がつきました(笑)。

気軽においでよと、沼の中から伝えたい

──三田さん自身は、BLで萌える恋愛と、自分がしたい恋愛は違うんですか?

クズが好きだったりおじさんが好きだからといって別にクズやおじさんと恋をしたいわけではないですね(笑)。私自身は、今まできちんと恋愛したことがないんですよ。ずーっとオタクとして生きてきたからか、少女マンガ並みに理想が高くなっていて。先日20歳を迎えたんですけど、もしかしたらこのまま恋愛に興味なくなっちゃって、ずっとBLを読むだけで歳をとるのかもしれない。逆にもう、「私のことを好きでいてくれる人ならなんでもいい」という気持ちもあるんですけど……。

──そういう意味では、BLって相手のことを一番好きな人がいっぱい出ていません?

木村ヒデサト「おれ、被害者」

あー、そうですね。じゃあ影響されていたのかも!「おれ、被害者」みたいなドロドロした展開は絶対に嫌だけど……(笑)。

──木村ヒデサトさんの「おれ、被害者」。これで12冊目ですね。街を通りがかった攻めを、受けが「リア充っぽい」という理由だけで逆恨みして包丁をつきつけるところから始まります。でも、好きなんですよね?

好きです! 木村先生はもう、本当に好きなんですよ。表題作もいいんですが、同時収録の「未確認の証明」が本当にヤバいんです。子供のころからUMAに遭遇してきた少年が出てきて、UMAの存在を誰にも信じてもらえないんだけど、そこには重大な真実が……という話。

──あの真相は、相当闇が深いですよね。もはやBLとして萌えられる枠を超えている気も……。

救いがないんだけど、ドラマ性がすごくて……前回り、めっちゃしましたよ。

──そういえば、三田さんは以前Twitterで木村さんとやりとりされていましたよね。

そうなんです! ひっそりフォローしていたんですが、リプライをいただけて、びっくりしました……。

──というか、木村さんに限らず、普通にBL作家さんをフォローされていますよね。

三田麻央

はい、そうなんです。それはもう自分の敬意を表したいだけで……ただただ見つめていたくて……。「あなたをいつでも見ています」という。でも、時々フォローを返してくださったりとか、感想ツイートに対してメンションをいただけたりすると飛び上がって喜びます。あと、中村春菊先生の「世界一初恋」と「純情ロマンチカ」の公式Twitterさんともずっと仲良くさせていただいていますね。

──BL作品の公式Twitterとずっと仲良くしているアイドル……。

いやー楽しいです。

──では最後に、今後の野望はありますか?

腐女子の方とミーティングしたいと思っています! マンガだけじゃなく小説も好きなのでもっともっとBLのこと語りたいんです。腐女子以外の方にも、一歩足を踏み入れたらハマってしまう世界だから気軽においでよとも、沼の中から伝えたい。さらに私の将来の夢は声優なので、そこにも繋がっていくようがんばりたいです。

コミックシーモア

累計利用者数2000万人を突破した国内最大級の電子書籍配信サイト。NTTグループのNTTソルマーレが運営し、2015年8月16日にオープンから11周年を迎えた。27万冊以上の品揃えを誇り、コミックに限らず文芸・小説、ビジネス・実用書、ライトノベル、写真集を配信中。無料で読めるコミックも800冊以上提供している。また常時700本以上の特集やキャンペーンを開催している。

三田麻央(ミタマオ)

1995年9月9日生まれ。A型。大阪府出身。NMB48チームMのメンバー。2011年5月、NMB48第2期生オーディションに合格し、6月に「『見逃した君たちへ』~AKB48グループ全公演~」で初お披露目となる。趣味はマンガやアニメなどの2次元鑑賞、BLマンガ集め。特技は絵を描くことと妄想。将来の夢は声優になることを公言している。TVアニメ「AKB0048」では主人公9人の声優を決める最終公開オーディションに合格し、横溝真琴役を演じた。特に好きなキャラクターは「銀魂」の沖田総悟。10月7日にNMB48の13thシングル「Must be now」がリリース。10月20日~22日には、NMB48の5周年ライブが大阪城ホールにて行われる。