コミックナタリー Power Push - コミックシーモア
NMB48三田麻央がチョイスした知る人ぞ知るオススメBL12作品
受け攻め逆でも全然OK。地雷なんてありません
──布教好きというのは、まさにオタクの性ですね。今、三田さんのご自宅にはどれくらいの冊数のBLがあるんですか?
前に番組の企画で、180cmの高さがある本棚をBL収納用に手作りしたんですけど、今はもうそれがいっぱいですね。冊数を数えるのをやめました。単行本だけじゃなくてアンソロジーや雑誌も買っちゃうし、小説にも手を出しているんですよ。本棚どころか、床がBLの海という状態です……。だから電子書籍で買うようにすると、もっと部屋が片付くかも(笑)。こうやってタブレットで読んでみると、絵も本当に綺麗に楽しめますね。あ、今「美しい野菜」開いてみたんですけど、やばいですね。もう……やばい。エロいです。エロい。
──アイドルが「エロい」とか言って大丈夫ですか?(笑)
問題ありません! 「美しい野菜」は線細めで不健康そうな受けの太郎が、八百屋で働くハツラツとした攻め・治樹と出会い、実はゲイだった治樹とのSM関係にどっぷりとハマっていくという話です。ダメ男の太郎さんがねー、もうだんだんかわいく綺麗に、そしてエロくなっていくのがたまらない! でもね、単純に「エロ」ということじゃなくて、そこにある屈折したものやトラウマが描かれているBLが好きなんです。葛藤があるのがいい。あー、これこれ、この太郎さんがどろっどろになりながら「僕はわるいこです」と言うシーンが本当に最高です。あと、エロさという点でいうと、彩景でりこさんの「チョコストロベリーバニラ」が本当にイチオシです。
──あ、これは以前出演されたTV番組でもご紹介されていましたよね。
いやー、本当に好きなんですよ。3回転半は前回りしました! 略して「チョベリバ」は三角関係なんですけど、まず前提として、拾とタケという幼なじみ2人がいて、なんでも好きなものを共有してきた、という特殊な関係があるんですね。そこで拾がミネという昔の同級生に告白されて、OKするんだけど、ミネをタケと共有したいと言い出すんです。もちろんミネは戸惑うし、タケはタケで急に現れたミネを快く思わない。でも、3人での関係を続けるうちに、3人それぞれのお互いに対する気持ちに変化が起きて……というお話です。
──それはなかなかない展開ですね。
しかも、ミネはちょっと攻めっぽいヤンキーキャラなのに受けなんですよー。私、「攻めっぽい人が受けになる」のが大好きで。よく腐女子って「受け攻め逆がダメ」という人もいらっしゃいますけど、私は全然OK。地雷なんてありません。あ、ほら、受けのすね毛とかきちんと描かれているのって、生々しいけど綺麗じゃないですか?
握手会で「ちょっと俺にはわからなかった」「もう1回読んできて!」
──さっきからおすすめシーンがパッと出てくるのがすごいですね。ものすごい高速でページを繰っている……。
だって読み込んでいるから!
──同じBLをそんなに読み返すんですか?
もちろん。普段のちょっとした空き時間でもBLを読んでいたいので、その日読みたい本を家から選んできて、持ち歩いています。電車の中でもカバーをして真顔で読んでいます。でも、人が後ろにいると読めないじゃないですか。だから席に座れたときに、できるだけ横の人にも読まれないように本を立てて読みますね。真顔で。
──何度読んでも発見があるということなんですか?
読み返して気付くこともあるんですが、ただただ萌えたいがために読んでいるかな……。何度読んでも萌えるんですよ。
──今回挙げていただいた作品、結構バイオレンスな作品が多いですよね。「スニーキーレッド」なんて、2人の出会いが「道で会うたびにヤンキーな攻めが受けをなぜか執拗に殴ってくる」という展開じゃないですか。これも萌えるんですか?
やー、無情ですよね。でも、萌えます! これは表紙買いしました。この鬱血している感じが最高で……。痣が散っているのって、すごく綺麗じゃないですか? 私、これを読んで「ボコられ系」が好きだと気づきました。
──新しい扉が開いたんですね。
受けの子が最初は攻めのサンドバッグだったのが、だんだん人間として認められていく。「サンドバッグからベッドになった」ってセリフがあるんですよ。
──ベッドは人間ではないですよ(笑)。
でもそのあたりから、攻めが受けを「ひろき」って名前で呼ぶようになって、キスも優しくなって……と関係性が変化していくんです。普通にヤンキーとかケンカが好きな人には読んでほしい。男性の方がこれを読んでくれたら、私もうれしいですね。
──ファンの方たちと握手会でBLの話をされたりもするんですか?
しますします! 「オススメのBLありますか?」って聞かれるし、「私もBL好きなんです」という女性の方が来てくれたりもする。先日の握手会では、「『えんどうくん』読んだよ」って言いにきてくれた男の方がいて。でも「え、どうだった!?」って聞いたら「ちょっと俺にはわからなかった」って言うんですよ。「もう1回読んできて!」と帰しました。
──そういうコミュニケーションが生まれているのは素敵ですね!
「最初は抵抗があったけど、まおきゅんが好きなら読んでみようかな」と言ってくれる人が増えてうれしいですね。もちろん男同士に萌える、という人たちで楽しんでいればいい、というところもあるけれど、普通に物語として面白いし絵も素晴らしい作品がたくさんあるから。例えば今回挙げた「CANIS」なんかは、帽子屋を営む男が、道端で美しくて若い男を拾うところから始まるんですけど、彼には秘密の過去があって、という話。本当にドラマティックな展開で、絶対映画化したほうがいいんじゃないかって思ってます。まあ今回挙げているBL、全部実写化してほしいくらい好きですけど(笑)。
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三田麻央(ミタマオ)
1995年9月9日生まれ。A型。大阪府出身。NMB48チームMのメンバー。2011年5月、NMB48第2期生オーディションに合格し、6月に「『見逃した君たちへ』~AKB48グループ全公演~」で初お披露目となる。趣味はマンガやアニメなどの2次元鑑賞、BLマンガ集め。特技は絵を描くことと妄想。将来の夢は声優になることを公言している。TVアニメ「AKB0048」では主人公9人の声優を決める最終公開オーディションに合格し、横溝真琴役を演じた。特に好きなキャラクターは「銀魂」の沖田総悟。10月7日にNMB48の13thシングル「Must be now」がリリース。10月20日~22日には、NMB48の5周年ライブが大阪城ホールにて行われる。