初心者には「えんどうくんの観察日記」から

──本日、三田さんには「知る人ぞ知るオススメBL作品」ということでマンガをセレクトいただきました。NMB屈指の……いや、芸能界屈指の腐女子だけあって、非常に濃いセレクトです。しかも12冊！

これ、めっちゃ絞ったんですよ。本当は31冊紹介したかった。

──多いですね（笑）。普段、月に何冊くらいBLを買われるんですか？

月に10冊は絶対に買いますね。1回に8冊くらい買ってしまうときもあって。いやー、もうほんまに全部オススメなんですよね。

──まず1冊目は「えんどうくんの観察日記」。無口で無表情な眼鏡男子・遠藤くんにクラスメイトの津田くんがだんだんと惹かれていく様を描いた作品ですね。この中ではライトな感じ。

そう、これはBL初心者さんに絶対読んでいただきたい！と思って選びました。おすすめポイントは遠藤くんの色気です！ ストーリーも素敵なんですけど、単純に絵が美しい。私も表紙に惹かれて買ったんです。ほくろのエロさ、流し目のエロさ、眼鏡越しの……うわーーー！

──読みながらテンション上がってる（笑）。三田さんがBLを選ばれるときは、絵から入るんですか？

好きな作家さんの作品はもう作家買いをしているんですけど、新人の方や知らない方だったら、まず表紙を見て、裏表紙見て、帯見て……という感じで。「えんどうくん」を見つけたときは衝撃でしたよね。本当に美しい。話も、少女マンガみたいで、空気感が素晴らしいんですよ。コマ割りなど、画面の見せ方にもうっとりします。

──特にオススメのシーンは。

遠藤くんが髪を切って学校にやってくるところですね。無表情に見えて……よくよく見ると耳が照れて赤くなっている！ こういう細かいところに萌えます。すごく甘酸っぱいお話で、遠藤くんに恋している女子キャラも出てきて、それがまた切ないんですよ……ぜひ最初に手にとってみていただきたいです。

萌えすぎると前回りしちゃう

──甘酸っぱい系といえば、市川ケイさんの「ブルースカイコンプレックス」も高校生2人の甘酸っぱいBLですよね。休み時間に読書をするような眼鏡優等生と、先生に目をつけられている不良少年。

そうそう、しかも出会いの場が図書室って、最高じゃないですか？ 未知の空間ですよ！ 誰も入れない2人だけの場所、みたいなものに萌えるんですよね。そして2人が心を通わせていく様子がすごく丁寧に描いてある。市川先生のモノローグやセリフって本当に心情が伝わってくるんですよ。このページ、不良の子が眼鏡に「試験がんばったら褒めて」と言って、眼鏡から「褒めるだけでいいの？」と聞かれるんですけど、それに不良が「ん」と答えるところが大好きです。「ん」としか答えていないんだけど、内心ではうれしくてたまらないんですよ！

──三田さんはBLを読むときには、キャラクターをご自分に重ねることはありますか？

いえ、全然しません。私は「壁」です。

──壁？

そう、無機物としてカップルのそばで2人を見守っている……。壁とかふすまとか。壁やふすまと違って、私は萌えを叫んでますけど。だから家じゃないとBLが読めない（笑）。そして表情は真顔です。しかも、萌えすぎると前回りをしちゃうときがある。

──えーと、どういうことですか？

私、ベッドの上でBLを読むんですけど、感極まるとその場で前転をしちゃうんです。本を持ったまま……。これ、だいぶ気持ち悪いんで、全然話したことないんですけど。