「橘くん 抱いてください! ハジメテの相手は同僚王子!?」
ふどのふどう
ぶんか社
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OLの中堂すみれは、女性ばかりの環境で育ったため男性が苦手。そのため彼氏いない歴=年齢になってしまったが、一度でいいからセックスしてみたいと密かに思っていた。そんなある日、唯一気負わず話せる同期・橘くんとごはんに行くことに。会話の中で橘くんの優しい人となりを改めて実感し、すみれはさらに彼に好感を持つ。その帰り道、すみれは橘くんに「私とセックスしてほしい」と突然頼み込み……。意外にも引き受けてくれた橘くんだが、ある条件をすみれに言い渡す。
©ふどのふどう/ぶんか社
担当編集者・小岩未捺海氏(S*girl編集部)コメント
Q. 受賞した感想をお聞かせください。
このたびは、このような輝かしい賞をいただきまして誠にありがとうございます。
ふどのふどう先生をはじめ、ともに作品を盛り上げてくださった関係各所の皆様、そして読んで応援してくださった読者の皆様に心よりお礼申し上げます。
先生への受賞のお知らせについては、なるべく直接お伝えしたかったので、メールではなくお電話でお伝えしました。その段階では関係者のみが知らされている状況でしたので、その日は在宅勤務にし、誰にも聞かれない自身の部屋で、先生と2人喜びを分かち合いました。
Q. 「橘くん 抱いてください! ハジメテの相手は同僚王子!?」の推しポイントはどんなところでしょうか。
キャラクターみんなが等身大で愛嬌があるところかなと思います。スペックやビジュアルだけで見たら、「いいな」「憧れるな」って思うような人物像に思えるかもしれませんが、ヒロインのすみれちゃんと、ヒーローの橘くん、そしてふたりの周りにいる石ちゃんや柿崎ちゃんなど、みんながその世界で「等身大」で生きているので、時にコミカルな描写があったり、応援したくなるシーンがあるといった、もっと2人の生活を覗きたくなるような「愛嬌」があるところが、推しポイントです。
Q. 制作時の裏話や先生との印象的な思い出を教えてください。
担当になり連載が始まった時期は、すでに世間はコロナ真っただ中でしたので、ステイホーム生活に息苦しさを感じてるような時期でした。そんな生活の中の楽しみとして読んでいただけるなら、読んでくださった方が癒やされたり、優しい気持ちになれたり、キュンキュンするような、読者の方の「萌え」をくすぐれたらいいなと思っておりました。実際にすみれちゃんと橘くんは先生からプロットやネームをいただいた段階でもかわいいがあふれていましたので、オタク気質の私は今も毎回胸がギュンッとなっております。
Q. ぜひ読んでほしいというエピソードや話数、シーンはどこでしょうか?
どのエピソードも思い入れがあるのでとても難しいのですが、特に強い思いがあるのはすみれちゃんが同僚の石ちゃんと話しているときに、橘くんへの思いを自覚したシーンです。
このエピソードがあってからのすみれちゃんは、恋する女の子街道まっしぐらで、橘くんへの好きがあふれています。そして橘くんもそんなすみれちゃんに思いが強くなっているのが、目に見えてわかるのに、「あれ……。そういえばこの2人、まだ正式に恋人じゃないんだった……!」と、じれったさとキュンキュンに拍車がかかるきっかけとなっているシーンだと思っております。
小岩さんが挙げてくれたエピソードはこちら!
「奈々子と薫 堕落していく、僕たちは。」
つきのおまめ
CLLENN
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東京で一人暮らししている奈々子は、進学で上京することになった13歳年下の従弟・薫を、彼の家が決まるまで預かることになった。5年前、少年だと思っていた薫に“男の目”を向けられたことが気がかりだったが、子供の頃のことだから警戒する必要もないかと一緒のベッドで眠りにつこうとした奈々子。すると、薫は奈々子をオカズに自慰行為をしていて……。奈々子は罪悪感を持ちながらも、快感には抗えず薫を受け入れる。
©つきのおまめ/CLLENN
担当編集者・三ヶ尻訓子氏(TLオトメチカ編集部)コメント
Q. 受賞した感想をお聞かせください。
このたびは栄えある賞をいただきまして誠にありがとうございます。
日頃ご愛読くださっている読者の皆さま、応援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!! 感謝し尽くしてもしきれません……!
つきの先生には最初、LINEでお報せしたあとすぐにお電話しました。2人とも興奮して何を話したのか覚えていません(笑)。とにかく「ややややったーー!」と喜びを分かち合いました。あとは忙しくなるからがんばろう……!と。
受賞発表後、すでにたくさんの読者の皆さまからうれしいお祝いのメッセージをいただいており、本作品の影響力の大きさを改めて実感しております。
Q. 「奈々子と薫 堕落していく、僕たちは。」の推しポイントはどんなところでしょうか。
きっと皆さまの中にそれぞれ推しポイントがあると思うので、あくまでも担当の癖になってしまいますが……
①女神および聖母のような奈々子のすべて
母性満ちる奈々子の神々しさ。滑らかなデコルテ、包容力のある乳房(乳輪)、少しだけゆるみのある柔らかい下腹部や腰のくびれ、むっちりとした太もも……と細部までリアルな女性曲線にあふれています。そんな彼女の魅力をさらに引き立たせているファッション、ピアス、ネックレス、ネイルなどにも注目していただきたいです!
②奈々子しか目に入っていない薫のすべて
愛情のシンボルである、彼のウルっと澄んだ瞳! 子供のように泣きじゃくり、無垢で健気で必死なときもあれば、ときおり蠱惑的になったり……かと思えばすべてを悟っている神仏のような一瞬もあったりで……。何かと的確なタイミングで母性本能スイッチを押してくる「薫、恐ろしい子!」ですが、無償の愛を貫いている彼の“ブレなさ”が、本作の醍醐味です!
③どうしようもない直樹のすべて
担当的には助演男優賞をあげたいです!
「ゲスの見本市」のような彼を楽しんでください。
Q. 制作時の裏話や先生との印象的な思い出を教えてください。
つきの先生の同時連載中の女性マンガ「ここからはオトナの時間です。」も担当させていただいておりますが、「いつもはキャラ同士が今何をしているか、彼らの場所に自分がのぞきにいってお話しができるけど、ナナカオの場合は一旦“別の中継地点を経由”して作ってる。自分じゃない人が作ってるような不思議な感じ」と連載当初におっしゃっていたことが印象的でした。
特に7~8巻の原稿脱稿の際には“直樹の行動にダメージを受けて原稿中に何度か奇声をあげました”とご報告いただきました(笑)。本作はアンビリーバボーだらけです。
Q. ぜひ読んでほしいというエピソードや話数、シーンはどこでしょうか?
たくさんあってきりがないのですが……本作は「嵐」がひとつのキーワードとなっているので、その象徴的なシーンを2つ。
1つめは2巻最終ページ、風と薫となびく奈々子の髪。台風前のザワザワして生温かくて湿気のある空気感も再現されていて、かつセリフとの調和が素晴らしいシーン。オシャレで意味深な風を吹かせられるのは薫だけ……と感動したことを覚えています。
最終巻。台風一過の清々しい朝、縁側から入ってくる新鮮な空気と、光と青々しさ! そこにいる2人の心情を見事に表現なさっていて……希望に満ちあふれているシーンで大好きです。当初予定になかったのですが、この回想シーンを「カラーで表現するのどう?」とご提案くださったつきの先生の粋な演出にただただ脱帽です……!
このシーンが色彩を帯びることで作品の奥行きがさらに広がったのでは……と、見るたびに優しい気持ちになります。