2024年8月に20周年を迎えたコミックシーモア。今や月間利用者数3500万人を超える業界最大級の電子書籍配信サイトとなったのも、魅力的な作品を生み出すマンガ家たちと、それを提供してくれた出版社の存在があったからこそ。そこで、コミックシーモアと付き合いの深い出版社6社にアンケートを実施し、コミックシーモアで特にヒットしたと思う自社作品や、そのヒットのきっかけについて質問。各社の回答からは、読者には普段見えてきづらいコミックシーモアとの固い絆が伝わってきた。
アルファポリス
編集三部 M.K氏コメント
──過去20年、コミックシーモアで特にヒットしたと思う自社の作品はなんでしょうか? その作品がコミックシーモアでヒットしたきっかけなどもあれば教えてください。
レジーナコミックス「自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。」です。
「自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。」
原作:しき 漫画:蓮見ナツメ
もともと人気のあった小説を、煌びやかな絵柄と繊細な描き込みが秀逸な蓮見先生がマンガ化した作品で、「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2021」の異世界コミック部門賞を受賞しました。
コミックシーモアさんの目を引く広告や、応援してくださった読者の皆様のレビューが作品の認知度を上げ、ヒットへとつながったと思います。
──「自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。」の中で、ぜひここは見てほしい!というシーン・コマは?
「悪役令嬢」を自称するバーティアが、7話でヒーロー・セシル(バーティアの婚約者で王太子)と小説のヒロインをくっつけようとするものの空回りするエピソードです。バーティアは、小説のヒロインを完全に無視するセシルに戸惑いますが、ちょっとおバカなのですぐにセシルの誘惑に負けてしまうという、この作品の売りのラブコメ部分が全面に出ています!
──コミックシーモアとお仕事する中で感じた特色、印象的だった出来事や施策があれば教えてください。
コミックシーモアさんは、作品のよさを最大限に引き出し、読者の皆様に面白さをお伝えすることに優れていると思います。
会社として初参加させていただいた「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2021」で初受賞となったものの、コロナ初年度だったため、開催予定だった授賞式が直前でとりやめになってしまったり、テレビ露出がなくなってしまったり……。いろいろと思い出深いですが、アルファポリスとコミックシーモアさんの関係という点でもターニングポイントになりました。
──今年で20周年を迎えるコミックシーモアに、お祝いや期待のメッセージをいただけますでしょうか。
20周年、おめでとうございます! 引き続き、充実した品揃えとサービスでマンガ業界を盛り上げてくださることを期待しております! また、今後はぜひ、コミックシーモアさんと協業で作品作りをし、さらなるヒット作を生み出していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
一迅社
販売局 ライツ事業部 デジタル営業課 Y.M氏コメント
──過去20年、コミックシーモアで特にヒットしたと思う自社の作品はなんでしょうか? その作品がコミックシーモアでヒットしたきっかけなどもあれば教えてください。
「変な家」です。
「変な家」
原作:雨穴(飛鳥新社刊) 漫画:綾野暁
本作は、気鋭のホラー作家であり、WebライターやYouTuberとしても活躍する雨穴先生の人気小説を原作としています。実写映画化などでも話題を呼びましたが、それに先がけてコミカライズが始動することになり、作画を担当する綾野暁先生の絵を初めて見た瞬間、「これはマンガとしても大きな話題を呼ぶに違いない!」と思い、発売前からコミックシーモア様に電子書籍の販促に関するご相談をさせていただきました。
マンガの発売に合わせ作品の冒頭に登場する“間取り図に潜む謎”を取り上げて作品紹介をしていただいたところ大きな反響を呼び、社内外からも多数の驚きの声が上がりました。当時弊社を担当くださっていたコミックシーモアの営業の方からも「大変なことになっています!!(いい意味で)」とお電話をいただき喜び合ったことを、今でも鮮明に覚えています。
作品の魅力を最大限引き出していただいたおかげで、コミックシーモア様主催の「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2024」においても男性部門賞を受賞することができました。作家先生や担当編集者も大変驚き喜んでおりましたし、コミックシーモア様のご協力を得て、作品を多くの方に届けることができたことを心からうれしく思います。
──「変な家」の中で、ぜひここは見てほしい!というシーン・コマは?
原作が非常に素晴らしいのは言うまでもないのですが、その面白いストーリーをマンガとして最高の形で表現しているという点が本作の最大の見どころだと思います。
特に、間取り図を重ねて謎を見出すシーンや、建物内を実際に自分が移動している感覚になるような立体感のある空間の描写など、マンガだからこその表現を駆使した見せ方を意識して作品が作られていると思います。
ほかにも綿密な取材から生まれる説得力のある作画や、原作のこだわりを細部まで丁寧に盛り込んだ演出も、原作ファンの皆さまを含め高く評価されている大きなポイントだと感じています。また、原作ファンだけでなく、コミックシーモア様のキャンペーンをきっかけにマンガから作品を知ってくださった読者様が多いことも大変喜ばしく感じております。
今後さらにストーリーは盛り上がりを見せていきますので、ぜひ今後の展開もご注目いただきたいです!
──コミックシーモアとお仕事する中で感じた特色、印象的だった出来事や施策があれば教えてください。
コミックシーモアを利用していて特に感じるのは、読者様や書店員様がトレンドに非常に敏感で、面白い作品への感度が高いということです。
以前、作家先生のサイン色紙が当たるキャンペーンをコミックシーモア様にて実施させていただいた際に、キャンペーンへの応募以上に多くの感想や応援のメッセージが集まり、コミックシーモア読者様の作品愛の強さに胸が熱くなったことが記憶に残っております。
またいつも目まぐるしいスピードで更新される特集ページにおいても、さまざまな着眼点から作品の魅力を紹介し、秀逸なキャッチコピーとともに展開されているのがとても魅力的で、私自身、面白い作品との出会いをたくさん頂きました。
コミックシーモア様の作品愛の強さ、そしてコミックシーモアを愛する読者の皆様の存在が、多くの出版社や作家を支えていると感じています。
──今年で20周年を迎えるコミックシーモアに、お祝いや期待のメッセージをいただけますでしょうか。
20周年、本当におめでとうございます! 長年にわたり、多くの素晴らしい作品との出会いの場を提供し続けてくださったことに、出版社としても、また一利用者としても心から感謝しております。
これからも多くの利用者様に楽しみと感動を与えられるような作品を届けていけるよう努めてまいりますので、今後ともお力添えいただけますと幸いです。
20周年という大きな節目を迎え、今後もますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
講談社
デジタル営業第一部 T・S氏コメント
──過去20年、コミックシーモアで特にヒットしたと思う自社の作品はなんでしょうか? その作品がコミックシーモアでヒットしたきっかけなどもあれば教えてください。
直近の例で恐縮ですが、「ゆびさきと恋々」です。
「ゆびさきと恋々」
森下suu
もともと非常に売り伸ばしていただいてましたが、1月後半にクオリティの高いLPをご制作いただき、ストア内での売上が跳ね上がりました。映像化作品は初回放送直後(「ゆびさきと恋々」の場合は1月初旬)が1つのヤマではあるのですが、コミックシーモア様では1月末から2月頭にも大きな売上を作っていただきました。
──「ゆびさきと恋々」の中で、ぜひここは見てほしい!というシーン・コマは?
第7話でヒロイン・雪が、ヒーロー・逸臣の前で、初めて声を出して笑うシーンです。聴覚障がいがあるゆえに、人前で声を出すことに抵抗感のある雪と、好きであるがゆえに相手のことを知りたいと思う逸臣の心のふれあいが素敵なシーンだなと思っています。
好きな人に自分のことを知ってほしい、相手のことを教えてほしいという気持ちを、ドラマと情緒に乗せて誠実に描いている作品ですので、ぜひたくさんの人に読んでほしいです!
──コミックシーモアとお仕事する中で感じた特色、印象的だった出来事や施策があれば教えてください。
作品に対して深い愛と理解をいただいており、かつ鋭いトレンド分析を反映したキャンペーンを、スピード感をもって実施いただいているので大変ありがたいです。年に数回貴社主催のイベントでお会いする際には、皆様方の仲のよさが伝わってきて、プロモーションや営業の方々など、ストア全体の連携力の理由を垣間見た気がいたしました!
──今年で20周年を迎えるコミックシーモアに、お祝いや期待のメッセージをいただけますでしょうか。
20周年おめでとうございます! コミックシーモア様の今後ますますのご発展を祈念しております。一緒にマンガ文化を世界の全ての人に広げていきましょう!!
集英社
デジタル販売部 M.K氏コメント
──過去20年、コミックシーモアで特にヒットしたと思う自社の作品はなんでしょうか? その作品がコミックシーモアでヒットしたきっかけなどもあれば教えてください。
「氷の城壁」です。
「氷の城壁」
阿賀沢紅茶
2022年8月31日、「正反対な君と僕」が「次にくるマンガ大賞」2位入賞。合わせて「氷の城壁」の「48話無料」を実施、9月より広告を出していただきました。その結果売上が急上昇!! コミックシーモア様のランキングでしばらくTOP5位以内が続きました。
──「氷の城壁」の中で、ぜひここは見てほしい!というシーン・コマは?
5巻162~164ページ、初めてのあだ名呼びシーンで誕生日プレゼント&驚きからお礼の笑顔に変わる一連の流れがとても素敵です。
また、時折、登場人物の目の中に、見つめ合うお互いが描かれています。カラーでより映える美しい表現だなと感じております。
──コミックシーモアとお仕事する中で感じた特色、印象的だった出来事や施策があれば教えてください。
圧倒的な目利き力と、「売れる」と思った作品を大きな売上につなげる企画力。大変ありがたいです。広告を出していただくことももちろんですが、スタッフさんオススメの特集は作品への愛があふれ、売上も大きくなるので、編集部共々とても感謝しております。
──今年で20周年を迎えるコミックシーモアに、お祝いや期待のメッセージをいただけますでしょうか。
コミックシーモア様、20周年おめでとうございます! おかげさまで女性向けコミックを中心に、社内が活気づいております。今後とも末永いお付き合いを何卒よろしくお願いいたします。
小学館
小学館マーケティング局 Y・A氏コメント
──過去20年、コミックシーモアで特にヒットしたと思う自社の作品はなんでしょうか? その作品がコミックシーモアでヒットしたきっかけなどもあれば教えてください。
「恋と弾丸」です。
「恋と弾丸」
箕野希望
シーモア様作成の広告がヒットし、より多くの読者に届きました。
弊社としても少女系での電子先行作品で成功したという体験はこの作品が初めてだったのではないでしょうか。
──「恋と弾丸」の中で、ぜひここは見てほしい!というシーン・コマは?
コミックス1巻78P
「恋と弾丸」が多くの方に認知していただいといえばこのシーン!
──コミックシーモアとお仕事する中で感じた特色、印象的だった出来事や施策があれば教えてください。
少女・女性系作品での先行配信で、ヒットにつなげてくれるストア様。
「恋と弾丸」、「ホタルの嫁入り」など先行配信作品として渡した作品をしっかりとユーザーに訴求してくれるところです。
──今年で20周年を迎えるコミックシーモアに、お祝いや期待のメッセージをいただけますでしょうか。
20周年おめでとうございます!
電子業界をさらに盛り上げていってください!
スターツ出版
書籍コンテンツ事業部 A氏コメント
──過去20年、コミックシーモアで特にヒットしたと思う自社の作品はなんでしょうか? その作品がコミックシーモアでヒットしたきっかけなどもあれば教えてください。
「鬼の花嫁」です。
「鬼の花嫁」
原作:クレハ 作画:富樫じゅん
やはり広告の効果が大きかったと思います。
広告制作の方の努力・熱量が非常に感じられました。
──「鬼の花嫁」の中で、ぜひここは見てほしい!というシーン・コマは?
1話の最終ページ「会いたかった 俺の花嫁」のシーン。
──コミックシーモアとお仕事する中で感じた特色、印象的だった出来事や施策があれば教えてください。
効果的な広告制作・配信の良さ。バナー制作の上手さ。
先行配信をピックアップする編成面。クーポン還元施策。
全般的によく作品を理解してくれているからこそ効果的な広告制作や露出をしていただいています。
──今年で20周年を迎えるコミックシーモアに、お祝いや期待のメッセージをいただけますでしょうか。
この度は20周年おめでとうございます! これからもコンテンツとユーザー様の接点を多く生み出していただき、利用ユーザー様も作家様も出版社も楽しくなる場所を共に生み出していければと思います。
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