「クロノティアレコード」|原作は7年前に誕生した“幻のドラマCⅮ” 新田恵海がマンガ版を大考察! 荒廃した世界を歩む少女の物語

読むたびに謎が深まります

──本日、ドラマCDとコミカライズ版で原作を担当されたReomさんも同席されているので、物語世界について、お話を伺ってみたいと思います。コミカライズ版の2話以降は、ドラマCDでは描かれていないストーリーになりますが、シナリオ執筆で意識された点を教えていただけますか?

Reom ドラマCD版を執筆していた当初とシナリオが違っているので、ドラマCDのときにはなかった設定をコミカライズ用に新しく考えたり、修正している点があって。その作業の中で先々にいろんな謎をちりばめていまして、物語が進むごとに謎が少しずつ解けていくようにしています。

「クロノティアレコード」第2話より。カレンをはじめとするマンガ版オリジナルキャラクターもドラマCDとの違いの1つ。

「クロノティアレコード」第2話より。カレンをはじめとするマンガ版オリジナルキャラクターもドラマCDとの違いの1つ。

──コミカライズ版にとってドラマCD版はあくまでモチーフなので、あちこち違う部分があるとのことですが、ここだけは決定的に変えようと思っているところはありますか?

Reom エンドが違います。先ほど言った謎が解けて、最後には「こういうことだったんだ!」と思えるところを終着点にしていこうかなと。ドラマCDではセリフ以外の地の文の朗読も全部新田さんに担当してもらっているので、今後も新田さんおひとりで続けられるように書いていたんですが、マンガはいろんなキャラクターが出てきて展開が変わってくるので、ドラマCD版とテーマは共通してても違う結末を描こうと意識しています。

──なるほど、ありがとうございます。

新田 まだまだ驚きがありそうですね。早く先を読みたい。でも今回、歌がキーになっているっていうのはドラマCDの話と変わらないんですけど、「歌が世界を滅ぼした」っていうコミカライズ版のキャッチコピーに驚きました。ドラマCDでもクロエが歌うと何かが起こるっていうのはわかっていたので、マンガではその歌が世界をこうして荒廃させてしまったのか、そもそも荒廃していた世界を新しく作っていく鍵になるのかわからない。そこがどっちかわからないっていうのはこの物語ならではだなと思います。

新田恵海

新田恵海

──まだまだ気になることばかりですが、新田さんが注目しているキャラやシーンを教えていただけますか?

新田 ドラマCDでは無口だったキボちゃんがマンガではしゃべるようになってかわいさが倍増しましたよね。表情もあるし、ツッコミポジションになったんだなって。あと作中で意味深な黒い柱は、ドラマCDだとスフィアグラムっていう名前がついていたんです。マンガではクロエの歌う場面がライブっぽい舞台だったからかもしれませんけど、まさしくライブハウスの柱みたいですね。あとクロエは何かのグループに所属していたのかな……? 想像していたよりもだいぶ大きな会場で歌っていたんですね。もしかしたらクロエだけ違う世界に飛び出していったんじゃなくて、ここのグループのメンバーも同じ境遇に遭っているのかも? 読むたびに謎が深まります。

「クロノティアレコード」第1話より、時折クロエの脳内に浮かぶイメージ。

「クロノティアレコード」第1話より、時折クロエの脳内に浮かぶイメージ。

彼女が成長しないとこの物語が進まない

──まだ連載が始まったばかりなので、わからないことも多いですが、逆に今後の展開などを自由に考えられるということでもありますよね。新田さんが、今後あったらうれしい展開や登場してほしいキャラクターがいればお聞きしたいです。

新田 うーん、クロエにケンカできる相手が欲しいですかね。考え方の違いや価値観の違いでぶつかることってあると思うんですけど、そうやって壁を越えると新たな世界が見えて、今まで持っていなかった知識や考え方を学ぶと思うんです。どっちの言ってることもわかるけど……!っていう悩ましい状況で、どうしたらよくなるんだろうって考えて人間的成長につながるケンカが見てみたいですね。

「クロノティアレコード」第3話より。出会ったばかりだがクロエの天真爛漫な魅力に警戒を解き始めるカレン。

「クロノティアレコード」第3話より。出会ったばかりだがクロエの天真爛漫な魅力に警戒を解き始めるカレン。

──なるほど、クロエが成長するためにぶつかれる人物ということですね。

新田 今も天真爛漫でいい子なんだろうなとわかりますけど、彼女が成長しないとこの物語が進まないですから。あとやっぱり、歌がこれからどう影響していくのかが見たいですね。私含め、CDを聴いてくれた方にとっては歌のシーンでドラマCDの劇中歌が聞こえてるのかもしれないけど、もしかしたらマンガでは違うものかもしれないですから。どういうものになるのか気になるので、マンガ版の劇中歌CDがあったらいいですね。……ちらっ(Reomを見る)。

Reom (笑)。

──(笑)。マンガの世界を飛び出した展開も期待しています! それでは最後に、新田さんと同じくこれからの展開を楽しみにしている読者に向けてメッセージをお願いいたします。

新田 私のファンクラブから始まった物語がGANMA!さんでコミカライズされてたくさんの人の目に触れているのが本当にうれしいです! クロエの物語はまだ始まったばかりでこれからどんどん広がっていくし、いろんな出会いがあるかと思います。どんな結末にたどり着くのか、いろんなルートが考えられますが、私と一緒に楽しみにしてもらえましたら。この世界がもっともっと広がるように応援していきましょう!

新田恵海

新田恵海

プロフィール

新田恵海(ニッタエミ)

1985年12月10日生まれ、長野県出身。主な出演作品としてTVアニメ「ラブライブ!」(高坂穂乃果役)、「D.C.Ⅲ~ダ・カーポⅢ~」(森園立夏役)、「イロドリミドリ」(明坂芹菜役)、「デイナの恐竜図鑑」(サーラ役 / 吹替)など。女優としても活動しており、10月26日に東京・新宿村LIVEで開幕する「ブロードウェイミュージカル『High Fidelity』」に出演する。

作画担当・宙乃勿子と牛丸樹から、連載への意気込みコメントが到着!

宙乃勿子(キャラ作画担当)

この作品に携わることができて大変光栄です。
まだ謎の多い物語ですが、これからどんどん面白くなっていきます!
是非最後まで、クロエたちの旅路を見守って頂けると嬉しいです。

牛丸樹(背景作画担当)

このようにたくさんの方々に支えられている作品に関わる貴重な機会を頂けて大変嬉しく思っています。
この作品のファンの皆様に楽しんでいただくために、これからもクロエ達の歩む世界を全力で描き切ります!

7年の時を経て、
ドラマCD版「クロノティアレコード」が
配信決定!

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