コミックナタリー Power Push -「チア男子!!」
浅田弘幸直筆のキャライラストを一挙公開 “応援したくなる”男子だけのチアリーディングチーム“応援したくなる”男子だけのチアリーディングチーム
「I'll」に通ずるものを感じた
──浅田先生がキャラクターデザイン原案を担当するテレビアニメが制作されると、2016年1月に発売された「テガミバチ」最終20巻の帯で第1報が打たれました(参考:浅田弘幸がキャラ原案手がけるTVアニメプロジェクトが始動)。3月にアニメのタイトルが「チア男子!!」であると明かされましたが、いつ頃から準備なさっていたのでしょう。
「テガミバチ」の19巻を描いていた頃だから、お話をいただいたのは2014年の10月くらいです。今回20キャラクター分のデザインを担当させていただいたんですが、2015年7月くらいにはすべて完成していたと思います。
──では「テガミバチ」のラストと同時進行で進められていたんですね。
そうなんですよ。だから切り替えは結構大変ではありました。「テガミバチ」を完結させると決めた頃で、ラストに向かってエピソードをどうまとめていくかと気を張っていった時期だったので。もう少しスケジュールに余裕があれば、いい気分転換になったと思うんですけど(笑)。
──過密なスケジュールの中でオファーを受けたのには、どういった理由が?
自分の描いた絵を動かしてもらうっていうことは、マンガ家にとっては夢のような話ですから。ここ10年描いていた「テガミバチ」がファンタジーものということもあったので、現代ものにちょっとした懐かしさを感じていたというのもありました。最終回に向けて考えることが多くなってくる中で、新しい仕事を受けるのはヤバいなあとは思っていましたし、その段階ではどのくらいのボリュームで携わることになるのかってこともわからなかったんですが、やらないという選択肢はなかった。喜んで引き受けさせていただきました。
──原作はオファーが来た際に、お読みになられたのでしょうか。
そうですね。実はチアリーディングがどういうものかって、原作を読む前は全然理解していませんでした。海外のティーンムービーにあるような、リア充の男の子がアメフトをやって、その彼女がチアリーダーで(笑)、っていうステレオタイプなイメージだったり、日本人には受け入れられないようなマインドなんだろうなっていう印象しか持っていなくて。でも「チア男子!!」は非常にさわやかな熱血もので、少年マンガっぽかったですね。僕が以前やっていた「I'll」にも通じるものがあるなとも感じました。
──それはどのあたりが?
「チア男子!!」のキャラクターって1人ひとりが、内面にいろんなものを背負って生きているじゃないですか。傷を抱えバラバラだった彼らがひとつの場所に集まって、チアリーディングを通して変化していく。チアでひとつになる場所が大事なものになっていくんです。「I'll」はバスケットボールが中心の物語ですが、その辺りは近いものがあるかも、と。どの作品でもそうですが、ひとつ屋根の下にキャラクターが集まっていく時って作品が盛り上がっていく部分だと思うんです。でも、集まった後は新たに問題が発生したり、暗い影が落ちてきたりと、どうしても物語が停滞するんですが「チア男子!!」は勢いを落とすことなく、熱いラストに向かっていく。そこが素晴らしいなと。
筋肉の動きを見せるためにキャラはリアルに
──浅田先生は今回20キャラクターのデザイン原案を担当なさったとのことですが、制作はどのように進めていったのでしょうか。
事前にスタッフの方から「このキャラクターはこういうイメージです」というリストをいただいて。そこに原作内に出てくるキャラクターの外見やファッションにまつわる描写、アニメスタッフが考えるキャラデザの方向性がまとめられていたんです。参考という形で芸能人の写真だったり、アニメキャラのカットも載っていて、トンの部分には「テガミバチ」のコナーがいましたね(笑)。そのリストでイメージを膨らませることももちろんあったんですが、あまり意識しすぎないようにはしていました。
──そのほかにスタッフ側からはどんな要望が?
最初にいただいた企画書の中に、「筋肉の動きをしっかりと見せたい」という要望があったんです。なのでリアルめにデザインしました。横顔なんかもこんな感じで……(紙にキャラクターの顔を描く)。リアル寄りとデフォルメしたものの2種類の案を出させていただいたんですけど、吉村(愛)監督も「リアルにしたいです」とおっしゃられたので、それに合わせていきました。
──アニメは前半で「BREAKERS」の7人が揃い、後半で新メンバーとして9人が登場すると伺っています。やはり最初はメイン7人のデザインから進めていったんでしょうか。
たしか最初は主人公のハルとカズの2人から始めたんじゃないかな。大学生という設定だったので、最初は頭身をもう少し高く描いていたんですよ。そこから「もう少し頭身を下げてほしい」というような吉村監督の意向を反映していきました。
──ハルは女の子っぽいなという印象を受けました。
ハルはどちらかというと受動的なキャラクターなので、少し髪の毛を長めに描いたんです。でもどうもスポーツマンっぽさが出ないから、前髪を短く切って。柔道をやっていたという設定があるので、本当は結構男っぽいキャラクターだと思うんです。ただ男キャラクターがたくさん出てくる中で、ポジションとして、フェミニンっぽい部分を担ってもらおうと思い、柔らかい感じにして。服装もシンプルにスポーツマンらしい感じにまとめました。カズはチームの発起人でもあるので、ハルとは対比させるように男らしいというか意志が強そうに見えるように意識しましたね。
──カズは浅田先生のデザイン案ですと、スカジャンを着ているものもありますね。
風呂もエアコンもない部屋に住んでいるくらいなので、いい暮らしはしていないだろうということもあり、シンプルでこざっぱりさせてます。古着を着ているイメージですね。ビンテージまでいかない80年代のバンドTとか。
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「チア男子!!」
放送情報
TOKYO MX:2016年7月5日より毎週火曜23時00分~
サンテレビ:2016年7月5日より毎週火曜24時00分~
KBS京都:2016年7月5日より毎週火曜24時30分~
テレビ愛知:2016年7月5日より毎週火曜27時05分~
BS11:2016年7月6日より毎週水曜24時30分~
キャスト
- 坂東晴希:米内佑希
- 橋本一馬:岡本信彦
- 徳川翔:小野友樹
- 溝口渉:杉田智和
- 遠野浩司:林勇
- 鈴木総一郎:桑野晃輔
- 長谷川弦:小西克幸
- 森尚史:畠中祐
- 佐久間龍造:村瀬歩
- 安藤タケル:沢城千春
- 金田保:勝杏里
- 染谷夏生:木村隼人
- 乗田大地:広瀬裕也
- 鍋島卓哉:木島隆一
- 鍋島卓巳:弓原健史
- 陳子軒:文曄星
- 堂本仁:安元洋貴
- 花咲薫:山谷祥生 ほか
浅田弘幸(アサダヒロユキ)
1968年2月15日神奈川県横浜市生まれ。小谷憲一のアシスタントを経て、1986年月刊少年ジャンプオリジナル9月増刊号(集英社)にて「幽界へ…」でデビュー。以降は月刊少年ジャンプ(集英社)での活動をメインに、「眠兎」「BADだねヨシオくん!」などを発表した。1996年から同誌にて、バスケットボールを題材にした「I'll」を連載。叙情的な展開とスタイリッシュな描画が広い層に受け入れられヒット作になり、2002年にはアニメ化された。2006年月刊少年ジャンプで「テガミバチ」を連載開始。2007年にジャンプスクエア(集英社)に移籍し2015年まで連載され、アニメ化やゲーム化も果たした。2016年7月には、キャラクターデザイン原案を務めるアニメ「チア男子!!」の放送がスタートする。