「かるたジャン100」|“最小限”の少年ジャンプ読書ガイドにもなる 創刊50年の歴史辿るかるた

1968年に創刊され、来年50周年を迎える週刊少年ジャンプ(集英社)。連載作が一堂に会する「週刊少年ジャンプ展」などのイベントが実施され、バックナンバーの復刻版など記念アイテムがリリースされる中、同誌50年の歴史を彩ってきた連載作から100作超をピックアップし、名セリフを選りすぐってかるたにした「かるたジャン100」が発売された。

コミックナタリーではかるたのポイントを解説するとともに、かるた化された作品をリスト形式で紹介。また「かるたジャン100」の制作担当者にインタビューを実施し、ジャンプの50年を振り返る上で“最小限の読書ガイド”になるという本アイテムの、制作エピソードや、作品、セリフの選定方法などの裏話を語ってもらった。

取材・文 / 宮津友徳

「かるたジャン100」はここがポイント!

1.読み札、取り札それぞれ100枚以上の大ボリューム

一般的に読み札、取り札それぞれ44~48枚程度とされるかるただが、「かるたジャン100」は100+αのタイトルをかるた化。読み札、取り札を合わせると計208枚の大ボリュームだ。のちのジャンプ作家に大きな影響を与えた本宮ひろ志「男一匹ガキ大将」をはじめとした黎明期を支えた名作から、この10月にテレビアニメの放送がスタートした田畠裕基「ブラッククローバー」など最新作まで、幅広くかるた化されている。

読み札

  • 「男一匹ガキ大将」の読み札。
  • 読み札の裏面は、すべてジャンプパイレーツのマークで統一されている。

取り札

  • 「男一匹ガキ大将」の取り札。
  • 「男一匹ガキ大将」の取り札。

2.50音全部あるの?「+α」ってなに?

「かるたジャン」では「を」を除いた45音の札をラインナップ。通常のかるたで省かれてしまうことも多い「ん」の音にどのセリフが採用されているのかも注目だ。また「+α」として「エクストラカード」も同梱。「エクストラカード」には久保帯人「BLEACH」から「卍」、さくまあきら「ジャンプ放送局」から「な」、同誌のトレードマーク・ジャンプパイレーツを使用した「○」「ゆ」を頭文字に持つセリフが採用されている。漢字が頭文字になっている「卍」は作品のファンであればピンとくる人も多いだろうが、「な」や「○」「ゆ」は一体なんの頭文字なのか。その答えは実際に「かるたジャン」を手にとって確認してほしい。

エクストラカード

  • 「BLEACH」の取り札。
  • 「ジャンプ放送局」の取り札。
  • 週刊少年ジャンプの取り札。
  • 週刊少年ジャンプの取り札。

3.どこで、誰が言った?すべての名言をばっちり解説した小冊子付き

長らく少年誌の発行部数トップを走り続けるジャンプといえど、50年の歴史の中で生まれた連載作の名セリフを、すべての年代を通して語れるファンは少ないはず。付属の小冊子では読者のためにかるた化された104つのセリフを、どのような場面で誰が発したのか多彩なコマを使って解説。読み札化されたセリフ以外の名言を紹介する「これもいいジャン!」のコーナーも、各タイトルごとに設けられている。

  • 付属の小冊子に掲載されている、「ど根性ガエル」の紹介ページ。
  • 付属の小冊子に掲載されている、「ジョジョの奇妙な冒険」の紹介ページ。
  • 付属の小冊子に掲載されている、「世紀末リーダー伝たけし!」の紹介ページ。
  • エクストラカード

アイデア次第で遊び方が広がる?「かるたジャン」遊び方解説

1.まずはこれから!基本プレイ方法

「かるたジャン100」のプレイイメージ。

読み手1人と取り手2人以上でプレイする、スタンダードなプレイ方法。104枚の取り札を並べ、最終的により多くの札を手にした方が勝者となる。取り札の裏面には単行本の表紙のみが掲載されているので、札を裏返して並べることで難易度がアップ!

2.競技百人一首風ルールで真剣勝負!

「かるたジャン100」のプレイイメージ。

競技百人一首の要領で104枚の取り札から合計50枚を使用して、読み手1人と取り手2人で遊ぶルール。それぞれ25枚ずつを自陣に並べ、読み上げられた札を自陣、敵陣問わず獲得し札を減らしていく。敵陣から札を取った場合は自陣の札から1枚を選び、敵陣の好きな場所に並べることが可能。自陣の札が先にすべてなくなったほうが勝者となる。

3.トランプや名言当てクイズも

  • 「ROOKIES」の読み札。友情マークには四つ葉のクローバーのイラストが採用された。
    友情マーク
  • 「ピューと吹く!ジャガー」の読み札。努力マークには汗のイラストが採用された。
    努力マーク
  • 「D.Gray-man」の読み札。勝利マークには王冠のイラストが採用された。
    勝利マーク

「かるたジャン100」の読み札の一部にはハート、ダイヤ、スペード、クローバーの4種のいずれかと、A~Kまで13種の数字1つが描かれており、トランプとして使用することが可能。またジャンプのキーワードとなっている「友情」「努力」「勝利」を意味するオリジナルマークの札も13枚ずつ用意されており、うまく組み合わせればいつもより多い枚数のトランプで神経衰弱やババ抜きを楽しめる。このほか取り札だけを見て、対応する読み札に書かれた文を推測する「名言当てクイズ」など、アイデア次第で遊び方が広がる。

名言揃いのジャンプ作品! セレクトされたのはどのセリフ?

  • 「プレイボール」の取り札。
  • 「ストップ!! ひばりくん!」の取り札。
  • 「明稜帝梧桐勢十郎」の取り札。
  • 「バクマン。」の取り札。
「かるたジャン100」
「かるたジャン100」

2017年10月10日発売
集英社
3218円

Amazon.co.jp

週刊少年ジャンプが2018年に創刊50周年を迎えることを記念して制作された「かるたジャン100」では、同誌50年の歴史からセレクトした、100を超える連載作の名セリフや名シーンを1作品につき1枚ずつかるた化。読み札104枚、取り札104枚の計208枚に加え、各作品1ページの解説を収録した116Pの小冊子も付属している。