そのネタ、青年誌だったら描けるのに

──「体育会系」にまつわるお話をいろいろ伺いましたが、「カプトン」のエピソードって、やはり体験談が多いんですか？

あずま　自分の体験談と、担当さんとの打ち合わせでお互いが繰り出す思い出話がヒントになってますね。あの、取材前に担当さんとも話してたんですが、せっかくなので今日はコミックナタリーさんにも部活の思い出話を披露してもらえませんかね。もしかしたらネタのヒントになるかもしれないし。

──えっ!?

担当　別にオチとか必要ないので、軽い雑談の気持ちで。学生時代の話をしてもらうだけでいいので。

──はあ、そういうことでしたら……。では、ここからは担当さんもインタビューに加わっていただきましょう。打ち合わせでは、普段どういうお話をされているんですか？

担当　やはり部活の話とか、学生時代の話が中心ですね。あずまさんは先程おっしゃったように少林拳部、僕は文科系で合唱部だったんです。そちらは部活は何を？

──中学はブラバンで、高校は一瞬だけバスケ部にいました。でも居づらくなってすぐ辞めちゃいましたね。うわああ、いやな思い出が……（笑）。

担当　お、さっそくいい話が聞けそうな雰囲気。くだらなくても全然オッケーですよ！

──練習後にみんなが、何を「オカズ」にしてる？ って話で盛り上がってたんですよ。端から「グラビア」とか「AV」とか告白していくんですけど、僕はバスケじゃ戦力外のミソッカスだったので何とかウケを狙いたくて、その……。

あずま　なんて答えたんです？

──ボソッと言ったんですよ、「……イマジン」て。

担当　わはははは！ 笑っちゃってごめんなさい。ああもう、青年誌ならこのネタそのままマンガにできるのに！ それ人気者になったでしょ？

──や、それがぜんぜん受けないどころか、「こいつキモイ！」みたいになっちゃって。居たたまれなくなって、さっさと辞めちゃいました。下品な上に暗い思い出話でスミマセン……。

あずま　いやいや、そういう話こそ大歓迎です。少年誌なんでマンガにはできなくて残念ですけど。

──あ、下ネタつながりで思い出しましたけど、中学校の下校時に雪だるまを作ってたら、途中から悪ノリで巨大かつ精緻な男根の雪像をこさえてしまい、PTAがやってきて破壊されたって話もあります……。

担当　ちょっと落ち着きましょう。ゲッサンは少年誌ですから！

惚れてまうやろー！

担当　僕のいた合唱部は男子が3人しかいなくて、とにかく女子率が多かったんです。だから男子3人で集まって下ネタっていうより「あいつお前のこと好きなんちゃう？」みたいに、調子こいてました。音楽室の隅っこで。

あずま　なにそれ自慢ですか？ いいなあ女子とか、楽しそうで……ギリギリギリ（歯ぎしり）。

担当　当時、すごく仲のいい女の子がいたんですよ。部員の間でも、もうあいつら付き合ってる、くらいの扱いを受けていて。僕もその気だったので、意を決して告白をしたんですが「異性としては見れない」とお断りされてしまって……。

あずま　あらら。

担当　振られたことにも落ち込みましたけど、それまで一緒に過ごした時間はなんだったんだ、ってすごくショックで。2人きりで下校したり、いろんなものを貸し借りしたり……。非モテ男子特有の勘違いも多分にあったんでしょうけど、その気がないなら優しくするなよ！ 本気にするやろがー！ っていう。

あずま　優しくされたら勘違いしちゃいますよねえ。いやー、男の子だなあ（笑）。

──「カプトン」にも紅一点の女子マネージャーが登場しますが、ラブ展開は今後ありうるんでしょうか。

担当　女子マネージャーが、たまに思わせぶりな態度を取るシーンがありますよね。柴田にわざと飲みかけのジュースを渡して物影から覗くイタズラとか、絶対に気があるでしょう、あれ。

あずま　見方によっては思わせぶりに映るかも知れませんね。でもマネージャーにも部員にも、今のところラブの意識はないって設定でやってます。

──担当さん、また勘違いしちゃいましたね……。