久保帯人原作による劇場中編アニメーション「BURN THE WITCH」は、ロンドンの裏側に広がる“リバース・ロンドン”を舞台に、魔女と竜を描くファンタジーアクション。10月2日より新宿ピカデリーほか全国35館の劇場にて2週間限定でイベント上映されているほか、同日に世界同時配信がスタートした。
コミックナタリーでは上映と配信を記念し、同作の特集を2回にわたって実施。第1弾としてニニー・スパンコール役の田野アサミ、新橋のえる役の山田唯菜、バルゴ・パークス役の土屋神葉による鼎談、第2弾として監督の川野達朗、副監督の清水勇司、キャラクターデザインの山田奈月による鼎談をそれぞれ展開し、制作の“裏側”へと迫っていく。
もともとは読み切り作品としてジャンプに登場
「BURN THE WITCH」が最初に発表されたのは2018年7月。週刊少年ジャンプ(集英社)の創刊50周年を記念する読み切りとしての掲載だった。その後、読み切り版を前日譚とした新エピソードが週刊少年ジャンプで連載されることと、劇場中編アニメーション化が2020年3月に発表された。久保は連載とアニメ化の発表時に「ネームを渡してアニメ化してもらいつつ原稿も描く、というのは初めての経験で面白かったし、どちらも良いものになってんじゃないかなーと思います」とコメントを寄せている。
新エピソードは全4話の短期集中連載という形で、週刊少年ジャンプ2020年38号から41号にかけて掲載。41号では、マンガの「Season2」の制作もアナウンスされた。なおイベント上映と配信がスタートした10月2日に単行本1巻も刊行されている。
物語の舞台はロンドン?
「BURN THE WITCH」の舞台となるのはロンドンの裏側に広がる、もうひとつのロンドン“リバース・ロンドン”だ。リバース・ロンドンの住人は異形の存在・ドラゴンの姿を視認することができる。
通常のドラゴンは穏やかな気性で、空腹時を除いては人を襲うことがない。しかし人々に接触することで、徐々にその人間の持つ負の感情を吸収し、やがて攻撃的なダークドラゴンとなってしまう。ダークドラゴンは人間に対して強い興味を示し、能動的に襲撃して殺害することも。
リバース・ロンドンにはそんなドラゴンを保護管理する機関“ウイング・バインド”が存在する。ウイング・バインドは魔女・魔法使いで構成されており、ドラゴンとの直接接触による管理、保護、ダークドラゴンの駆除が主な仕事。「BURN THE WITCH」はそんなウイング・バインドに所属する2人の少女の物語だ。
イベント上映に併せ、世界同時配信!
10月2日より全国35館の劇場にて2週間限定でイベント上映されている「BURN THE WITCH」。劇場上映と同タイミングで、劇場版を全3話に編集したバージョンの世界同時配信がスタートした。日本国内ではAmazon Prime VideoとひかりTV、北中南米、欧州、オセアニア、中東、アフリカではCrunchrollで取り扱われている。
また12月24日には配信版全3話を収録したBlu-rayが、コレクターズエディション、特装限定版、通常版の3形態で発売に。コレクターズエディションには劇場上映版を収録した特典ディスクや、久保帯人の描き下ろしイラストカードコレクション、絵コンテ集、原画集などが付属。上映劇場では10月2日より数量限定で先行販売を行っている。なおコレクターズエディションは上映劇場および、A-on STORE、プレミアムバンダイ内A-on STORE支店での限定販売かつ初回限定生産品となるため、気になる人はチェックをお早めに。
ニニー・スパンコール(CV:田野アサミ)
ウイング・バインドの2等保護官。喜怒哀楽がわかりやすく思ったことは態度に出す明朗快活な性格。ドラゴンの放牧と収穫を主な任務とする笛吹き隊(パイパーズ)に所属しているが、ダークドラゴンの退治が業務である戦術隊(サーベルス)への異動を目指しており、実績や報酬への執着はのえる以上に強い。人気アイドルグループ・セシルは2度死ぬ(セシル・ダイ・トゥワイス)のリーダーでもある。
新橋のえる(CV:山田唯菜)
ウイング・バインドの1等保護官。ニニーと同じ笛吹き隊に所属する17歳の少女。先輩であるニニーからはニーハと呼ばれている。喜怒哀楽を見せないクールな性格で、理路整然と物事を捉え、常に冷静な判断を下す。笛吹き隊の仕事を気に入っており、厄介ごとにはあまり関心がない。フロント・ロンドンではサウス・ブラクストン校に通っている。
バルゴ・パークス(CV:土屋神葉)
サウス・ブラクストン校に通う学生で、のえるの先輩。幼なじみになりすましていた覆面竜(ディスガイザー)に噛まれたことで、ドラゴンを強力に呼び寄せる体質・ドラゴン憑きとなる。現在はリバース・ロンドンにおいて、ニニーとのえるの保護下に。のんきな性格でのえるに夢中だが、まるで相手にされていない。オスシちゃんを溺愛している。
オスシちゃん(CV:引坂理絵)
バルゴが拾った子犬。普段から肌身離さず世話をしている。かわいらしい外見をしているが、その実は覆面竜がなりすました子犬である。普段は大人しくて愛らしいが、バルゴがクシャミや爆笑といったリアクションをしたとき、さらにはバルゴに危険が迫ったときに突然ドラゴンのハネを出す特徴を持っている。
チーフ(CV:平田広明)
笛吹き隊の主任(チーフ)で、ニニーとのえるの上司。2人に仕事の指示を出すものの、現場に行くことはなく、間の抜けた表情と締まりのない風体で頼りがいもない。そのため、上司にもかかわらずニニーとのえるからは言いたい放題でやられっぱなし。
ブルーノ・バングナイフ(CV:小林親弘)
8つの部隊の長官から構成されるウイング・バインドの最高意思決定機関“トップ・オブ・ホーンズ”のひとり。魔陣隊(インクス)を率いて、自身もウィザードとして現場を指揮する勇猛果敢な長官。ロンドンの街を守る使命感がひときわ強く、気性の激しい性格。リバース・ロンドン市内にダークドラゴンの侵入を許したことに業を煮やし、その原因となったバルゴの討伐を推し進める。
2020年11月13日更新