「この子たちのためにがんばれる」と思った雪広さんのキャラデザ

──志倉さんと「B-PROJECT」という企画を立ち上げてから、初めて雪広さんのキャラクターデザインを見たときはどんな印象を持たれましたか？

できあがったものを見たときに、雪広さんしかいないなとハッキリ感じましたね。

──それは西川さんや志倉さんが思い描いていたキャラクター像に近かったから？ それとも世の中の人に受け入れてもらえそうなデザインだと思ったからでしょうか。

最終的には受け入れられるかどうかみたいな部分も考えますけど、まずは僕ら自身が好きになれるかどうか。この子たちのためにこれからがんばれるかどうか、というところですよね。

──キャラクターたちを愛せるかどうか。

そうそう。雪広さんのデザインは愛らしさに加えて、純粋にカッコいいなと思えるところのバランスが絶妙で。それにこれだけ人数の多いキャラクターをここまでハッキリと描き分けてくださっているところも、雪広さんしかいないなと思える大きな要因のひとつでしたね。

──一方、アニメでは川村敏江さんがキャラクターデザインを手がけていらっしゃいます。

川村さんも素晴らしいんですよ、本当に。細かく仕上げてくだっていますよね。僕自身まだ動いている絵は観ていないんですけど、最初に上がってきたキャラデザを見たときは、こんなに書き込みが多いものを本当にアニメにできるのかなっていう心配はありました（笑）。

──アイドルですから、この衣装で踊ったりもするわけですしね。

「イケる!? イケるの!?」って何度も確認しましたね（笑）。でも本当に、彼らが動く姿を観るのがすごく楽しみです。

──あとこれは聞いておかないといけない部分かなと思ったのですが……「B-PROJECT」のアイドルたちの名前って、それぞれ仏像の名前が元ネタになっているんじゃないかとファンの間で噂になっていますが、これは……。

ふふふ、それは志倉さんのパートです（笑）。

──あ、志倉さんのアイデアだったんですね（笑）。そういったエンタメ要素は志倉さんにお任せしている、と。

そうですね。そういった部分に限らず、志倉さんと一緒にやっていて、これまでいろんな作品を手がけてきた志倉さんのノウハウをすごく勉強させてもらっているなという感覚もあるんです。こういった作品づくりにゼロの段階から参加させていただくというのは初めてのことなので「こういうふうに組み立てていくのか」とか、勉強しながらやらせてもらっていますね。

安心して沼に浸かってください

──今日お話をお伺いしていて、西川さんの「B-PROJECT」に対しての思いや愛がすごく伝わってきました。きっとファンの方もうれしく感じるんじゃないかと思います。

逆に申し訳ないなと思っているのが、イベントごとがあるときにもしかしたら僕が来るんじゃないかとか、そのあたりを期待していただいている皆さんには本当にごめんなさいと思っています。イベントに声だけで出演することはありましたけど（参照：「B-PROJECT」観客を“ラブきゅん”に！笑いあり歌＆ダンスありの1st STAGE）、しつこいようですがなるべく表には出ない方向で調整しているので（笑）。

──あくまで「B-PROJECT」のメンバーの魅力を伝えることが最優先。

そうです。本当にもう、裏ではいくらでもがんばるので、そこは極力期待しないでいただけると（笑）。でも「B-PROJECT」を知っていただくきっかけに僕自身の存在が少しでも貢献できているのであれば、それはうれしいことですね。

──普段アニメを観ない方でも、西川さんの名前をきっかけに「B-PROJECT」に興味を持たれる方も少なくないでしょうしね。

そうだったらうれしいです。あとは今たくさんのアイドルものの作品がありますけど、「『B-PROJECT』ってちょっとほかの作品と違うな」と思ってもらえるような、いい意味で“2次元アイドルもの”という言葉を裏切る作品づくりを心がけているので、皆さんには安心して沼に浸かっていただきたいですね（笑）。

──（笑）。

あれなんですよ、最近「Bプロ」っていうワードで結構エゴサーチしてて。

──西川さんが自ら。

自分のことは何を言われてても「はあ、そうですか」くらいにしか思わないので、自分自身についてはエゴサしたりネットで反応を調べたりしないんですけど。……なんていうんですかね。「Bプロ」は我が子のような存在なので……。

──「うちの子たちがどう思われているのか」が気になってしまう。

そう。なんか……あんまりガチャガチャと言われたくないなあ、とか（笑）。

──今、お父さんのような表情をされましたね（笑）。

ふふふ（笑）。「Bプロ」で検索してみると「興味はあるんだけど、なんだか恐ろしくてまだ踏み込めない……」っていう雰囲気の方が結構多くて。確かにまだCDしか出してなくて、イベントも1回しかやっていない作品なのでそう思われることは当たり前なんですけど。逆に今の段階でこんなにたくさんの方に興味を持っていただけていること自体が異常なんですけどね。でも、今回のテレビアニメを通じてより深く、より沖のほうへ皆様を導くのが我々の仕事かなと思っているので、期待していただけたらうれしいです。

弟分のキラキンにも、満遍なく愛情をかけています

──ありがとうございます。テレビアニメのほかにゲーム化も控えている「B-PROJECT」ですが、今後の展望などあれば教えてください。

まずは楽曲を純粋に楽しんでいただけるものにしていくことが一番のベースにあると思っているので、そこはこれからもきちんと作っていきたいです。そのほか今回のアニメ化をきっかけに、コミカライズも始まっていますし（参照：「B-PROJECT」コミカライズがCheese!で開幕！「コヒバニ」深見さん抱き枕も）、具体的な話はこれから明かしていけると思いますが、ゲームもありますので、さまざまな面で皆さんに楽しんでいただけたらと思っています。

──その中でも、まずは7月のアニメをお楽しみに、というところでしょうか。

そうですね。でも展望という意味では、今回の「B-PROJECT～鼓動＊アンビシャス～」に出てくるキタコレ、THRIVE、MooNsのほかに、「B-PROJECT」にはKiLLER KiNGというグループもいるんです。すでにキラキンにもたくさんのファンがいるので「なんでキラキンはアニメに出ないの？」という声も多くいただいていて。すごくありがたいんですけど、なかなか難しいところもあり……。

──もちろん出したい気持ちはあるけど。

そりゃあもう、満遍なく愛情をかけていますから。特にキラキンは後続グループですし、キタコレ、THRIVE、MooNsの弟分的なところがあるので、なおのことかわいがっていますよ。今言える段階での話ですが、キラキンのこれからは応援してくださる皆さんが握っている部分もすごく大きいと思います。なのでまずは「B-PROJECT～鼓動＊アンビシャス～」を応援していただけるとうれしいです。僕ら自身も今はアニメの成功を願っていますし、男性アイドルものの作品が多く出てきている中で、いいものを残していこうと試行錯誤しています。あとはやっぱり、今まで以上に楽しみながら作品づくりをしていきたいですね。