「BOYS BE… ~young adult~」イタバシマサヒロ×玉越博幸×小沢一敬(スピードワゴン)座談会|いくつになってもキュンッ!としてたい 「BOYS BE…」に、大人の青春を描いた新シリーズが登場!

1991年の連載開始より、思春期男子のハートを鷲掴みにしてきた恋愛オムニバスの金字塔「BOYS BE…」。その最新シリーズである、大人の青春を描いた「BOYS BE… ~young adult~」が月刊ドラゴンエイジ(KADOKAWA)で連載されており、待望の1巻が発売された。

1巻発売を記念してコミックナタリーでは、原作者・イタバシマサヒロ、作画担当・玉越博幸、そして「BOYS BE…」の大ファンとして知られるスピードワゴン・小沢一敬の座談会を企画。1話完結の内容でこれまで約600のエピソードを作ったという旧シリーズの裏話、大人の恋愛模様を描いた新作の魅力を語り合ってもらった。

取材・文 / 小林聖 撮影 / 稲垣謙一

BOYS BE… ~young adult~

「BOYS BE… ~young adult~」1巻

これは大志を見出せない、恋愛に不慣れな“大人に成り行く者たち”へ贈る、青春物語──。
思いを伝えられないまま疎遠になってしまったあの娘……会社で嫌なことがあった日に飲み屋で偶然に再会した元同級生……観覧車の頂上に着いたら告白をすると決めている、今まさに初デート中の大学生。少し大人……けれど、まだまだ未熟なヤングアダルトたちが繰り広げる珠玉の恋物語集! 大人になってもBoys be ambitious!

第1巻収録エピソード

  • Report119歳、あれから四度目の夏に
  • Report2再会した君と、悩んで、笑って。試し読み(ComicWalker)
  • Report3ヘタレと呼ばないで
  • Report4時を超えて…?
  • Report5忘れられない、あの味

イタバシマサヒロ×玉越博幸×小沢一敬(スピードワゴン) 座談会

高校生カップルを見て「BOYS BE…してんじゃん」と憧れていた青春時代

──今日は最新作「BOYS BE… ~young adult~」の1巻発売を記念して、お三方のお話から「BOYS BE…」シリーズの魅力に迫っていけたらと思うのですが……。

左から玉越博幸、イタバシマサヒロ、小沢一敬。

玉越博幸 本題が始まる前に、ちょっとすいません。僕、小沢さんに1つ謝りたいことがありまして。

小沢一敬 え、急になんですか?

玉越 前に小沢さんがテレビで「BOYS BE…」が好きとおっしゃってるのを見て、本当にうれしくて。それで、このうれしさを小沢さんに伝えようと思って、いきなり生原稿を送りつけてしまったことがあるんです……。

小沢 ああっ、はい! 確かにいただきました、その節はありがとうございます!

玉越 いや今考えると、どこの馬の骨とも知れない人間からいきなり原稿が届いたら怖いだろうと……。本当にすみませんでした。

小沢 えーっ! いえいえ本当にうれしかったですよ。Twitterでも紹介させていただきましたし!

玉越 あのツイートは家宝にしてます!

──ツイートをですか?(笑) 確かに小沢さんはお気に入りの作品として「BOYS BE…」シリーズを挙げていますよね。普段からマンガはよく読まれるんですか?

小沢 すごく読みますよ。4000~5000冊くらいは持ってるかなあ。最近だと「出会って5秒でバトル」なんかは能力者バトルの新しい形を描いていて面白いと思いましたね。一番影響を受けたのは藤子・F・不二雄先生のSF短編集。「ある日……」って作品が特に好きなんですけど……。

──アマチュア映像作家が集まり、各々が撮った映画の上映会をする話ですね。日常の風景を映したフィルムが途中でブツッと終わってしまうという。

玉越 F先生のSF短編集はドキッとするものが多くて面白いですよね。僕は「恋人製造法」って話が好きです。

小沢 片思いの女の子のクローンを造っちゃうやつ! あの恋心のこじらせ方は一種の「BOYS BE…」ですよね。

──小沢さんが「BOYS BE…」を最初に読んだのはいつですか?

「BOYS BE…公式ガイドブック せつないねテキスト」©イタバシマサヒロ・玉越博幸/講談社

小沢 中学生の頃ですね。週刊少年マガジン(講談社)で連載していたのを読んでいました。僕、あれも持ってますよ「BOYS BE…せつないねテキスト」。

──「BOYS BE…せつないねテキスト」……?

イタバシマサヒロ あー、ありましたねそんな本も(笑)。設定とか裏話を載せた公式ガイドブックで、要するに副読本なんですけど。

小沢 ファンにはたまらない1冊ですよ。僕はよく「何か面白い本を紹介して」って言われるんですけど、大山倍達さんの「大山カラテもし戦わば」と「BOYS BE…せつないねテキスト」はよく挙げてますね。

──小沢さんは「BOYS BE…」シリーズのどういうところにハマったんでしょう?

小沢 単純に面白いし、やっぱり憧れもありましたね。僕は中卒なので「高校生はこういう恋愛をしてるんだ。うらやましいな」って思いながら読んでました。高校に通っているわけでもないのに、朝に近所の学校の前まで行きましたもん。

──ここで高校生たちが「BOYS BE…」をやってるのか、と(笑)。

小沢 ええ。その高校がなだらかな丘の上にあったんですけど、自転車で男の子が後ろに女の子を乗せて走っていて「重い?」「重くねえよ」とかいうやり取りをしているのを見て、「BOYS BE…してんじゃん」って。

イタバシ うわー! その光景はまさに「BOYS BE…」ですね!

イタバシマサヒロ・玉越博幸
「BOYS BE… ~young adult~①」
発売中 / KADOKAWA
イタバシマサヒロ・玉越博幸「BOYS BE… ~young adult~①」

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シリーズ2500万部超! 王道恋愛マンガ「BOYS BE…」の後継作!! かつてクラーク博士は言った「Boys be ambitious!」。この言葉は決して少年だけに向けたものでなく、大人もまた然り。これは大志を見出せない、恋愛に不慣れな“大人に成り行く者達”へ贈る、青春物語──。

イタバシマサヒロ
イタバシマサヒロ
「BOYS BE…」の原作担当として、1991年にマンガ原作者デビュー。小説家としても活動し「七不思議学園の風来坊」「月が射す夏 コバヤシ少年の生活と冒険」「エーベルージュ 魔法を信じるかい?」などの作品を発表している。
玉越博幸(タマコシヒロユキ)
玉越博幸
1970年9月1日大阪生まれ。1991年に作画担当で連載開始したデビュー作「BOYS BE…」はヒットを記録し、現在も執筆が続く人気シリーズとなる。同作の原作を手がけるイタバシマサヒロとのタッグで描いた別作品にSFジュブナイル「A GIRLS」も存在する。
小沢一敬(オザワカズヒロ)
小沢一敬
1973年生まれ、愛知県出身。1998年に井戸田潤とともにお笑いコンビ・スピードワゴンを結成。2002年、翌2003年と2年連続で「M-1グランプリ」の決勝に進出し知名度を全国区に広げる。独特の言葉使いや世界観を打ち出したネタが人気を集め、バラエティ番組やドラマなど多方面で活躍中。