キャスティングの理由が意図としてちゃんとある
──アフレコは3話の「ブギーポップは笑わない」編まで終わったということですが(取材は9月下旬に行われた)、「笑わない」編の感想をお聞かせください。
悠木 怖いのは化物だけじゃないんだなって思いました(笑)。あとは末真の安定感。末真出てくるとホッとする(笑)。
大西 ありがとう、末真(笑)。
悠木 ブギーポップも異質だし、凪もパラメーターが狂ってるタイプだから。末真見ると「ああ、よかったー」って。
大西 「普通の人、出てきたー」って(笑)。
悠木 それと新刻さん。応援したくなります! かわいいんですよ、新刻さん。
大西 「ブギーポップは笑わない」ってビジュアル的に派手なキャラはあんまりいないんですけど、アフレコをしていけばしていくほど、性格とか個々の色がすごく見えてきて、みんな愛おしいなって思います。
悠木 あとはエコーズがイケメンになってます!(笑)
──ほかのキャストさんについてはいかがでしょうか。若い声優さんが多くキャスティングされていますが。
悠木 みんな生っぽい演技をされています。フレッシュな感じが残っているんですけど、その感じでおどろおどろしいストーリーをやるので、すごく不気味なんですよね。あえて若いキャストを選んでいる理由が、ちゃんとあるなと感じました。若ければ若いほど、一生懸命さって出てくるものだと思うんですけど、一生懸命生きているから間違えちゃう、みたいなのがちゃんと役に乗ってて。だからこのキャストであった意味がすごくわかる。
バトルシーンは先のお楽しみ
──先ほどの話に少し戻ります。第1話はアクションはほとんどなく会話劇ということですが、3月に「電撃文庫 春の祭典2018」で公開されたティザーPVにはバトルシーンもかなり盛り込まれていましたよね。
悠木 実はあのPVは、あれだけのために作られたというめちゃくちゃ特殊なPVで。
──本編から抜き出した映像ではなく、まったくの新規映像なんですよね。「春の祭典」でもプロデューサーが「全部ハッタリ」だとおっしゃっていました。PVに登場するキャラクターたちも、本編には特に出てこないとか……。
悠木 そうなんです(笑)。それだけマッドハウスさんと監督が力を入れている。あれを描くだけでも相当な手間がかかっているはず。すごくカッコいいですよね。
大西 PVでは派手なシーンを凝縮しているんですよね。凪のアクションシーンだったり、ブギーポップがワイヤーで戦っているシーンがありますが、たぶん1話を観たらみんな「おや……?」って思うんじゃないかと(笑)。あのPVの派手さはどこにいったっていうくらい静かな展開があるので。でもその中で絶対に引っかかるものがあると思います。原作1巻にあたる「笑わない」のエピソードの次には、アクションだったり派手な演出も出てくると思うので、そういうところにも期待していただきつつ、まずはこの「笑わない」の、ちょっと身近に感じられる不気味さや、学校で起こっている物語というものを楽しんでもらえたらなと。
悠木 バトルは先のお楽しみですよね。アクション担当の凪が活躍してくれると思います。
大西 「笑わない」は画面の派手さはあまりないですからね。
悠木 そういう意味で言うと、この作品ってすごく玄人向けのアニメだと思うんです。あんまりアニメを観ないっていう人におすすめできるかはわからないけど、いっぱいアニメを観てきた人には絶対すごさがわかるし、良さが伝わると思うんです。今ってアニメの数もとても多くて、視聴者の方の目も肥えていると思うので、ちゃんとアニメが好きな人に向けてきちんと作るというのはとても重要で。
大西 色がはっきりしているから、好き嫌いもあると思いますけど、好きな人は間違いなく好きだと思います。
──ありがとうございます。最後に少し変な質問なのですが……。ブギーポップと凪は“世界の敵”と呼ばれるものと戦いますが、おふたりにとって“世界の敵”ってなんでしょうか?
悠木 えー、月曜日? あと定時?
大西 なるほど(笑)。
悠木 別に私たちの職業って土日も仕事なので曜日は関係ないんですけど、でもやっぱり子どもの頃から刷り込まれた「ああ、月曜だ」って感覚って抜けないんですよね(笑)。大西ちゃんは?
大西 えっと……銀行……?
悠木 あははは!(笑) その話、前もアフレコ現場でしてたよね!
大西 だって、閉まるの早いからなかなか行けないんですよー! 15時って仕事してるじゃないですか。きっとみんなそうですよ。敵っていうか、頼みますって感じです(笑)。
- アニメ「ブギーポップは笑わない」
- 2019年1月4日(金)より、AT-X、TOKYO MX、テレビ愛知、KBS京都、サンテレビ、BS11にて順次放送開始
※放送情報は変更になる場合あり。
- スタッフ
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原作:上遠野浩平(電撃文庫刊)
原作イラスト:緒方剛志
監督:夏目真悟
シリーズ構成・脚本:鈴木智尋
キャラクターデザイン:澤田英彦
音楽:牛尾憲輔
アニメーション制作:マッドハウス
製作:ブギーポップは笑わない製作委員会
- キャスト
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ブギーポップ/宮下藤花:悠木碧
霧間凪:大西沙織
末真和子:近藤玲奈
竹田啓司:小林千晃
新刻敬:下地紫野
紙木城直子:諏訪彩花
早乙女正美:榎木淳弥
田中志郎:市川蒼
百合原美奈子:竹達彩奈
エコーズ:宮田幸季
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谷口正樹:八代拓
織機綺:市ノ瀬加那
飛鳥井仁:細谷佳正
安能慎二郎:長谷川芳明
衣川琴絵:阿澄佳奈
スプーキーE:上田燿司
水乃星透子:花澤香菜
©上遠野浩平/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
- 悠木碧(ユウキアオイ)
- 千葉県出身、3月27日生まれ。主な出演作に「魔法少女まどか☆マギカ」(鹿目まどか役)、「幼女戦記」(ターニャ・デグレチャフ役)、「ACCA13区監察課」(ロッタ・オータス役)、「ワンパンマン」(戦慄のタツマキ役)、「ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。」(ダンタリオン役)など。
- 大西沙織(オオニシサオリ)
- 千葉県出身、8月6日生まれ。主な出演作に「ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。」(ベルゼブブ役)、「刀使の巫女」(十条姫和役)、「ブギーポップは笑わない」(霧間凪役)、「こみっくがーるず」(色川琉姫役)など。
2019年1月10日更新