「ぼく勉」はハーレムものに思えるけど実は全然違う
──おふたりは「ぼくたちは勉強ができない」という作品に原作や台本、アニメなどで初めて触れたときどういった感想を持ちましたか?
Lynn 読んでいてとても楽しいラブコメだなと思いました。ヒロインたちがかわいくて、キュンキュンする場面もたくさんありましたし、成幸は本当においしいポジションだなと! ただ、それだけじゃないんですよね。「勉強をがんばる」ということがひとつ乗っかってくることで、王道ラブコメとはまた一味違った良さがあるといいますか。成幸でさえも愛すべきキャラでかわいく見えてきて(笑)。さまざまなことに迷いながらも前向きに一生懸命な彼らの姿は、こちらにも元気をくれる感じがありました。
えなこ 私はアニメから作品に入ったんですけど、登場人物たちはみんな天才なのにいろいろなことに葛藤していて、単純に設定が面白いなと思いました。5人のヒロインもそれぞれ魅力的で誰とくっつくのかも全然読めないですし。
Lynn キャラクターたちがすごくカラフルですよね。それは髪の色などの見た目ももちろんなんですが、性格的な部分もそれぞれ個性的で華やかだなという印象でした。
──ヒロインはもちろんですが、主人公の成幸も読者に好かれるタイプのラブコメ主人公ですよね。ヒロインたちが惹かれていくのもわかるというか。
Lynn とにかくいい人!ですよね。文乃や理珠に関わることになった最初のきっかけは自分のためでしたが、ヒロインたちの事情を知って気持ちを聞いて、真摯に向き合っているところが素敵です。家族思いでもありますし。抜けている部分というか、鈍感な部分もありますが、いざというときは頼りになるかっこよさもありますよね。逢坂(良太)さんのお芝居で、その魅力は倍増していると思います。ツッコミにあんなにバリエーションがあるなんて! 心の声があんなに面白いなんて! リアクションがとにかくコミカルで、毎回すごく楽しませていただいてます。
えなこ いい意味で「すごく普通」で好感度が高いです。ただLynnさんもおっしゃっていたように鈍感な部分があるので、現実世界にいたとしたら「すごくいい人だな」で終わっちゃいそうな気もしていたり(笑)。
Lynn (笑)。個人的な感想なんですが、「ぼくたちは勉強ができない」って大まかなくくりで言うといわゆるハーレムものに思えますけど、実は全然違うなって感じているんです。それはたぶん、物語の主軸はあくまで成幸であるというところがぶれていないというのと、成幸が本当にいい人で、優しくて、相手に対して一生懸命で好感しかないからかなと(笑)。だから、ヒロインたちが好きになるのも納得できる。同じくヒロインたちも、自分のことで伸び悩み、克服しようと努力する中で、お互いのことも思いやり合う優しさが素敵で。「なんだこいつ!」というイライラも感じることなく、みんなを応援できる作品なのかなって。
真冬先生の魅力はギャップ?
Lynn えなこさんは「ぼく勉」の中で好きなキャラクターって誰なんですか?
えなこ 見た目と内面で変わってくるんですけど、見た目だけで言えば断然真冬先生です。私はピンク髪が好きなので第一印象から決めてました!
Lynn 第一印象から(笑)。人前では凛としているけど自宅ではズボラっていうギャップ萌えもいいですよね。しかもそれが先生であるというところも、なかなかポイントが高いのかなと。生徒思いの真っ直ぐな気持ちがあるのに、すごく不器用で。だけど誤解されてもかまわないというくらい、肝が据わった人なんだと思います。
えなこ 以前Lynnさんとお仕事させていただいた際、すごく朗らかな方だなという印象を持ったので、アニメを観たときは「あのLynnさんがこんな冷たい声を出すんだ!」って驚きました。
Lynn 途中から素の部分をさらけ出したときにより驚いていただけるように、最初は静に徹したつもりなんです。
えなこ 「ぼく勉」の中では成幸やほかのヒロイン4人と比べるとけっこう歳が離れているじゃないですか。その辺りって何か考えて演じていたりするんですか?
Lynn 歳が離れているということよりも、先生であるということの方を意識していますね。あくまで生徒と先生であるということは忘れたくないなと。「○○しなさい」というセリフも、普通のお姉さんキャラならちょっと高飛車だったり色気が入ったりすると思うんですけど、先生らしい言い方になるように気を付けています。もちろん読者様視聴者様にとってはヒロインの1人として見ていただいていいんです、めちゃめちゃかわいいですから真冬先生は(笑)。ただ私自身の演じる際のスタンスは、そこはぶれずに持っていたいなと思います。これからの展開でどうなるかはわかりませんけどね(笑)。
──真冬先生は原作の人気投票で第1回時は2位に1000票以上、第2回時は2位に1万票以上の差をつけてそれぞれ1位になっているんですよね。Lynnさんは先生のどういった部分が読者や視聴者に受け入れられているんだと思いますか?
Lynn ONでは隙のないできる女性に徹しているのに、OFFになると隙だらけというところが、たまらなくいいのではないでしょうか。あと以前、イベントのときにファンの皆さんに「先生のどの格好が好きか」というアンケートをとったんですが、意外にもジャージ姿が一番人気だったんです。そういう生活感のある感じ、気取ってない感じがいいんですかね? 私は、成幸の前ではころころ変わる表情がすごくかわいいなと思っています。恥じらったり落ち込んだり、守ってあげたくなる弱さがありますよね。
えなこ あのギャップはすごくいいですよね! あとこういう表現でいいのかわからないんですけど、真冬先生が成幸を生徒指導室に呼び出したときゴミを見るような目をしているじゃないですか。私はあの目がすごく好きで「あっ、これは原作も読まなきゃ」と思って、そこから原作に入りました。
自分が男子だったら好きになるのは……
──えなこさんは外見だけで言えば真冬先生が好きとのことでしたが、内面は誰が好きなんですか?
えなこ 好きというか共感できるなって思うのは理珠ですね。理珠って負けず嫌いなキャラクターですけど、私もめちゃくちゃ負けず嫌いで。いつもやっているオンラインゲームとかオセロみたいなボードゲームでも負けると悔しくて涙が溜まっちゃうくらいなんです。
Lynn そんなに(笑)。
えなこ 負けず嫌いが原因でケンカしちゃうこともあったりするので直さないといけないなとは思っているんですけど(笑)。Lynnさんは似ているなと思うキャラクターっています?
Lynn うーん……正直誰とも似てないと思うんですけど、生真面目で負けず嫌いという点だけ見れば私も理珠ですかね。できないと思われるのは悔しいですし、意地っ張りな部分はあるかもしれません。周りに負けたくないという気持ちで勉強をがんばっていたときも私にはありましたし、「できないものはできない」と開き直るところも稀にあるかもです。ただ、周りからは真冬先生タイプに思われているかも? というのも、クールな印象を持たれることが多いので。でも実際は全然クールではないですし、家ではだらだらしています。部屋は綺麗ですけどね(笑)。
えなこ 私は家ではめちゃくちゃズボラなのでその辺りは見習いたいです(笑)。
──自分が男性だとしたらおふたりはどのキャラクターを好きになると思います?
Lynn 難しい質問ですね……。今の私だったら文乃が好きなんです。周りのことが本当によく見えていて、気配りができて、思いやりのある優しい子ですよね。友情を何よりも大切にしようとしつつ、自分の気持ちにも嘘がつけなくなっていくもどかしさが、なんとも健気で切なくて、愛おしいですし、報われてほしいです。
えなこ 私も文乃か……あとやっぱり真冬先生ですね。文乃はLynnさんもおっしゃっているように気配りができて、思いやりのある子ですし、一緒にいて癒やされそうじゃないですか。先生は先生でドジっ子なところがあるという点で「この人は自分がいないと駄目なんだ」って思わせちゃうところがあるかな。
Lynn ただ、自分が男子だったら、やっぱり乙女全開なうるかにときめいちゃう気がします。もしMっ気があれば、あすみ先輩に振り回されるのもいいのかもしれないですね(笑)。
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