「花にけだもの」や「4月の君、スピカ。」で知られる、杉山美和子の最新作「Bite Maker AK」。累計500万部超えのヒット作「Bite Maker~王様のΩ~」の続編として、マンガワンで連載中だ。
「Bite Maker AK」の1・2巻が同時発売されることを記念し、コミックナタリーでは舞台を中心に活躍する俳優・水江建太にインタビュー。杉山いわく、実は水江はメインキャラクターの小虎にビジュアルのイメージがかなり近いそう。ミステリアスで、ヒロインに対する溺愛ぶりが魅力の小虎に扮してもらい、作品の感想をたっぷりと語ってもらった。
取材・文 / ちゃんめいスタイリング / 深澤勇太ヘアメイク / 田中紫央撮影 / 宇佐美亮
「Bite Maker AK」
時は近未来。この世界には男と女のほかに、α、β、Ωという性別が存在する。αは容姿・頭脳・能力に秀でた遺伝子を持つ性、βは最も一般的で人口のほとんどが属する性、そしてΩは繁殖に特化した性で確実にαを生むことができる。独立地区・金沢には、10万人に1人の確率で生まれるαたちが集まっていた。
βの女子高生・
美麗なビジュアルをご堪能あれ
作者自ら小道具を用意、作品愛に溢れる撮影を終えて
──撮影を振り返ってみていかがですか?
ものすごく楽しかったです。撮影中は、見学に来られた作者の杉山美和子先生やスタッフの皆さんが温かな声援で盛り上げてくださって。おかげでとてもいい雰囲気の中で終始楽しく撮影させていただきました。
──見事なポージングと表情を披露していただき、杉山先生も「全身が天才!」と大絶賛されていましたが、撮影にはどのようなことを意識して臨みましたか?
作品を読ませていただいたときに、こんなポージングがあるんだ!と、たくさんのインスピレーションを得ました。そういった作品から感じ取ったものを思い浮かべながら、でも背伸びせずに自然体で挑むよう心がけました。
──表情のバリエーションも豊かで素晴らしかったです。
表情は、まず作品をしっかりと読み込んで、小虎がどんなキャラクターなのかイメージを膨らませていきました。でも、彼はとてもミステリアスなので、きっと僕の想像をはるかに上回るほど、いろいろなものを隠しているんだろうなと(笑)。そういった一筋縄ではいかない小虎に思考を巡らせつつ、最終的にたどり着いたのはどうやったら小虎がみんなの目に魅力的に映るのかということ。そのために自分ができることを最大限に発揮しました。
──お面やイヤリングなど、細かいところまで小虎を完全再現されている点も撮影の雰囲気を一層盛り立てたように感じます。
お面とイヤリングは、杉山先生がこの撮影のために特注で用意してくださったと伺いました。お知り合いの作家さんに頼んでイチから作ってもらったと聞き、それがもう本当にうれしくって。その分プレッシャーもありましたが、こんなにも作品愛が溢れている撮影なのだからがんばらなければと気が引き締まりました。
──特にお気に入りのショットを教えてください。
たくさんありますが、一番は作中のシーンを背景に投影したショット。マンガのコマと一緒に撮影するのはすごく新鮮な感覚で楽しかったですね。杉山先生が「モノクロとカラーの世界が共存している」「このシーンの解像度がぐっと上がった」とおっしゃっていたのも印象的でした。とても素敵な表現だったので、よりこのシーンが心に残っています。
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自覚はないが、ミステリアスさは小虎との共通点