射止めにいってる目から生まれた相羽の眼力
──戸山香澄役の愛美さんから、Raychellさんと相羽さん宛に質問が届いているのでここで伺います。まず「Raychellさんはどんな曲も歌えちゃうし、歌が上手すぎて生で聴くと腰が抜けます。ライブ前の声出しはどうやっていますか?」という質問です。
Raychell しっかり発声練習しています。リップトリルやタングトリルをして息を安定させて、それから音階の上から下まで行き来しながら喉の筋肉を和らげて。
相羽 両国ライブ(「BanG Dream! 6th☆LIVE RAISE A SUILEN『Brave New World』」)のときに楽屋が隣だったので少し拝見しましたけど、すごく丁寧にされてましたね。
Raychell 運動する前は準備運動するじゃないですか。ラジオ体操とか。それと一緒ですよね。
相羽 やっぱり準備しないと高音が出ないですもんね。私も「バンドリ!」でライブでの歌唱を本格的に始めましたけど、声出しは重要だと教えてもらいました。
──そんな相羽さんには「あいあいはオーラと眼力がすごい。その眼力はどうやって出すの?」という質問が届いています。
Raychell 私も聞きたいです! ライブ中のあの眼力と存在感、本当に素晴らしいです。
綾奈 わかります。
相羽 私は「目は口ほどにものを言う」ということをすごく大事に思っていて。普段誰かと話すときも意識していたり、ライブでは歌声と同じように目で表現しているというか。眼力が強いと言われるのは、「射止める」というイメージでやっているときですかね。
──なるほど。
相羽 私、声優になりたてのとき、写真撮影時にマネージャーさんから「相羽さん、目がきつい。その射止めにいってる目は今出しちゃいけないから」と注意されて(笑)。
Raychell そんなに強かったんですか!?
相羽 そう。それから眼力の強さを考えるようになって、いくつかのレベルから調整するようになりました。
──そんな経験が、ステージ上のカリスマ性に繋がってるんですね。
綾奈 友希那さんとしてステージに立つ相羽さんの振りがすごく好きです。指先まですごく考えられてるし、お客さんの視線を誘導しているなと。
相羽 ありがとうございます。Roseliaで唯一楽器を持っていない私に何ができるか考えたときに、パフォーマンスだなと思ったんです。そのうちの1つが真似したくなるような振りで、「Determination Symphony」だったら指パッチンとか。あれも指先を弾くというのが歌詞とリンクしているんですけど、そういったことを考えるのが楽しいです。
綾奈 バリエーションを考えるのが大変そうですね。
相羽 その大変さは、曲が続々と増えてきた今ちょうど感じているところです(笑)。
幼なじみと話すときはうれしさでキーが上がる
──次に友希那とレイヤというキャラクターについてお聞かせください。綾奈さんはアニメのこの2人について、どういう人物として脚本を書きましたか?
綾奈 友希那さんは、とにかくカッコいい先輩として描いています。物語上の立ち位置はもちろん、セリフもなるたけ短くまとめて。猫好きな一面とかそういう隙は残しつつも、目標である頂点に向かってストイックな人、ですね。
相羽 だからこそ「Determination Symphony」の場面は涙腺にきましたね。友希那って他人に協力するイメージがあまりないじゃないですか。口数が少ないから何を考えているかわからないし。
Raychell 「あ、友希那さんそこでライブしてくれるんだ!」って思いましたね。
綾奈 アニメ「2nd Season」の第9話ですね。Roseliaのバンドとしてのカッコよさが際立つシーンです。アニメは今のところモノローグを採用していないので、口数の少ない友希那が何を考えて行動しているかは気を付けて描いています。例えばその場面だと、まず彩ちゃんや六花がポピパのために動いている。加えて、おたえ(花園たえ)の状況もわかっているので、向こうで何かトラブルがあったのかもしれないという予想は友希那にもつく。燐子たちの気持ちにも応えてRoseliaとしてポピパを助けることを選ぶ、という流れです。理由あっての行動だということを丁寧に描いています。
──レイヤはいかがでしょう?
綾奈 レイヤさんは大人ですね。最初はRaychellさんのアーティスト写真を見ながら、仕事として音楽をやる人にしようと考えました。大人とばかり接してきたので妙に大人だし、馴れ合わないし、馴れ合えない。バンドのことはチュチュに任せてあまり踏み込まず、求められるものをきっちりお出しする職人、みたいな感じです。あと私がずっと本読み(※構成会議)で言ってたのは、「昔の女」というワード。
Raychell よく言ってましたね!
綾奈 関係性でキャラクターを作っていきたい人間なので……、幼なじみの(花園)たえからしたら、幼い頃に別れたレイヤさんは昔の女なんです!
一同 (笑)。
綾奈 だからといって関係性が終わっているわけではなく、むしろすごく親密。ほかの脚本家さんにも、2人だけのシーンは、「昼ドラ感が欲しいです」とお願いしたり……なんというか、ほかと違う空気が欲しくて。心がつながっているからあまり言葉がいらなくて、2人で久しぶりにセッションするシーンや再び別れるシーンは会話のやり取りを少なくしてもらいました。そういうこだわりは、けっこうあります。
Raychell レイヤ、花ちゃんと話すときだけキーが上がるんですよ。「花ちゃんに会えて、めちゃめちゃうれしいんやろうなあ」と感じたので。
綾奈 キーが上がる!!
相羽 友希那も、リサと話すときは若干上がる(笑)。
Raychell おー、一緒だ!
──Raychellさんはアニメ「2nd Season」で初めて声優をされました。脚本的にはそれを考慮して、レイヤのセリフの内容や量を調整されたりしましたか?
綾奈 あまり考えませんでした。やっぱりまずキャラクターありきですし、レイヤさんは特に、言葉遣いの独特な花ちゃんと話すシーンが多いので口数を少なくするとかは考えられなかったです。脚本を進めていきながら調整することはありましたが、レイヤさんは最初から変わらないかも。Raychellさん、いざアフレコが始まったらめちゃくちゃお上手で最高でしたね。
Raychell 声優をするのは「バンドリ!」が初めてだったのでうれしいです。
綾奈 アニメ「2nd Season」のアフレコを経て、Raychellさんがご自身のラジオなどで少しおどけるというか、いろんな声色で話されることが増えて。「あ、演技が楽しくなってきてるのかな」と感じたので、「3rd Season」のレイヤさんにそういった一面を入れてみました。
Raychell 確かに「3rd Season」ではそういう部分がありましたね。いやー、放送が楽しみですね。
一同 ねえ。
相羽 ……ネタバレが怖いから何も言えない(笑)。
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アニメ「3rd Season」は最後に絶対「うわー」ってなる!