ツッコミどころ3：巨城スサノオの警備がザルすぎる

江口　さっき話に出たスサノオも、敵の城なのにあまりにも侵入しやすくて面白い。

中村　まあ「行くぞ」と言ったらすぐに行けるレベルだよね。子供がずっとうろちょろと出入りしているくらいだから。

江口　警備がザルすぎる（笑）。スサノオは内部構造の設定はあるんですか？

和田　詳しくは設定していません。ただ、本編で詳しくは描かれていませんが、建物には春夏秋冬のエリアがあって、それぞれ雪が降ったり桜が散ったりしているんです。

江口　そういう素敵な設定はあるんですね。各フロアで戦う予定だったんですか？

和田　最初はそう考えてたんですが、いつの間にか別の方向に進んでいきました。

中村　そこでの戦いはきっと「BAKUMATSUクライシス」でやるんだよ。

江口　でも、巨城スサノオは第1期で崩れちゃったから、ないんじゃないかな（笑）。

ツッコミどころ4：桂小五郎＝次元大介？ 実は映画ネタが豊富

中村　あと「BAKUMATSU」は映画ネタが多いと耳にしたんですけど。

和田　シリーズ構成の横谷昌宏さんや、各話を担当した脚本家さんたちの遊び心が出ています。7話の「暴走特急」はわかりやすいですよね。あと10話の囚人たちだけを押し込めた獄門島の設定も……。

中村　「アルカトラズからの脱出」ですか？

和田　いえ、元にしたのは「ニューヨーク1997」という作品です。

──あと作品の中で、少し「ルパン三世」を意識しているんですよね。坂本龍馬が峰不二子のポジションだと聞いてすごく腑に落ちました。

中村　確かに敵でも味方でもなく、自分の目的のために動いているだけですしね。

和田　恋愛ゲームだとどうしてもキャラクター同士の距離感が掴みづらく、アニメのシナリオを作るときに何か例えが欲しいというところから参考にさせていただきました。

中村　では桂のポジションは？

江口　次元大介？

中村　これを次元って言ったら、（次元大介役の）小林清志さんが怒るよ。

一同　（笑）。

中村　でも桂が「晋作」と言うのと同じように、次元も「ルパン」っていつも言っているからいいのか。

江口　確かに。

ツッコミどころ5：4人しか出ない十二将

──最後のツッコミポイントですが、ここはやはり……。

中村　スサノオ十二将しかないですよね。十二将なのに第1期で4人しか出てこないという。

──それでも4人の個性が強烈で、ある意味「BAKUMATSU」を象徴するようなキャラクターたちでした。印象的なのは誰ですか？

中村　それは松尾芭蕉一択でしょう。

江口　印象的ということなら彼しかいないですね。僕、芭蕉が天井に貼りつくシーンが面白すぎて好きです。あと芭蕉兄弟はずっとニヤニヤしているんですよね。兄貴がどうなっても弟はずっと後ろでニヤニヤしている。ヘラヘラすんじゃない！（笑）

──松尾芭蕉が双子の忍者で、鎖鎌を持って戦うというのは意外ですよね。

和田　芭蕉は伊賀忍者の末裔かもしれない、という説を採用してみました。双子なのは、岡田以蔵が坂本龍馬の加勢に来ることで2対1になると卑怯だから、2対2にするためにそういう設定にしたんですけど。

中村　十二将も1人縛りじゃなく2人同時に登場すればいいじゃないですか。なんなら5人くらいで来て、一斉に高杉と桂を片付けようとしてもいい。

和田　十二将は「仮面ライダー」の怪人をイメージしているので、毎回1人ずつ登場するんです。

中村　そのわりには晋作と桂が第1期で倒したのって、4人出てきた中で石川五右衛門だけですよね。

江口　十二将とあまり戦っていない問題ですね（笑）。

──ほかの十二将も印象的な活躍を見せてくれましたが、個人的には武蔵坊弁慶の回の流れるような展開が美しくて好きです。高杉たちが鋼を手に入れたくて困っている。その裏で山崎烝に倒された弁慶が刀をドロップし、通りがかった高杉たちがたまたま鋼を手に入れるという。

江口　弁慶を倒して素材を取る。なんだかRPG感がありますよね。

和田　でも、ほかの十二将は倒すと甲冑ごと消えているのに、なんで弁慶の刀だけ残ったんだという疑問はあるんですけどね。

──真田幸村は馬に乗って現れましたが、あの馬も無限斎が連れてきたのでしょうか。

和田　おそらく、そうです。

中村　無限斎も「久子、馬も来るって」と焦ったろうね。

江口　「馬小屋どうすんのよ」ってね。