FANTASTICS・世界のアニメ遍歴を福山潤&藤津亮太が徹底解析!好きな女性キャラのタイプは?「アニメの遺伝子」収録レポ (2/2)

好きな女性キャラのタイプは? 二次元の女性像について語る

ここで話題は世界が「人生のバイブル」とも表現する「BLACK LAGOON」へ。福山が「思春期を迎え、大人になる入り口のときに(好きな)武器がステゴロと剣から銃に変わる瞬間がある」と自身の経験を交えて言うと、世界も大きく頷く。そしてレヴィを思い浮かべながら「ホットパンツに二丁拳銃はヤバすぎて」と話し始め、登場するキャラクターや世界観の魅力を次々と口にした。藤津は監督を務めた片渕須直が「名犬ラッシー」「この世界の片隅に」など穏やかな作品を多く手がけていることに触れつつ、片渕が“人生を踏み外した人たちを描かないとまっとうな人が描けないのでは”と考えたことから「BLACK LAGOON」の監督を引き受けたのだとアニメ評論家ならではの解説を添えた。

左から藤津亮太、福山潤、世界。

左から藤津亮太、福山潤、世界。

世界がレヴィを好きだと話したことをきっかけに、アニメの女性キャラクターの話題に発展した。福山が「アニメ好きな思春期を過ごした人って、女性の好みがリアルじゃなくて二次元の中で構築されてくると思うんですよ」と言いながら二次元の女性の好みを聞き出そうとすると、世界は「僕、ダンスやってたんでモテはしたんですよ」とバッサリ。この堂々たるモテ発言に福山が悔しさのあまり仰け反りながら「仲間だと思ったのになあ!」と叫ぶと一同は大爆笑した。その後世界はアニメ作品の女性キャラクターでは「強い女性が好き」と語り、「Fate/stay night」ではセイバー、ライダーの名前を挙げつつ「(間桐)桜が一番好きだった」と明かした。

福山潤

福山潤

世界が中学時代に観たスタジオディーン版「Fate/stay night」や、青年期に観た「Angel Beats!」「ヨスガノソラ」から、美少女ゲームに関連するアニメであり、ゲームクリエイターが制作に関わっているという共通点を見出した藤津。「美少女ゲーム」というジャンルが好きだったのかと尋ねられると、気恥ずかしそうに「異性を意識し出した時代だった」と話した。世界が同い年とのドキドキ感を求めて視聴していたという「とらドラ!」は「キャラクターの心理描写、セリフ1つひとつがすごくよくできていて」と熱弁。なお「とらドラ!」で一番最初に好きになったのは川嶋亜美で、主人公を翻弄する役どころが物語の中にいることでひときわ輝いて見えたと振り返った。

「昭和元禄落語心中」を楽しみながら演技を勉強したEXILE時代

青年期以降はジャンル問わずさまざまなラインナップが並ぶ。福山が「バランスが変わってきましたね」と指摘すると、藤津は「切ないというか、グッと来るシーンがあるものを選んでいる」と共通点を見つけた。この頃に夢中になったという「デュラララ!!」については、藤津が作品解説を行うコーナー「藤津の目」でたっぷりと紹介。「藤津の目」はアニメ評論家の視点で作品が解説され、新たな魅力を発見できるコーナーで、「デュラララ!!」を観たことがある人も改めて観返したくなること請け合いだ。岸谷新羅役として出演していた福山からは収録時の思い出など貴重なエピソードも語られたため、同作や福山のファンはお見逃しなく。世界も福山が語る当時の様子や作品への思いに、目を輝かせながら耳を傾けた。

世界

世界

24歳以降は「DRIFTERS」「メイドインアビス」など再びダークな作品が並ぶ中、福山は「僕もこれ大好きなんですよ」と「昭和元禄落語心中」に着目する。世界が「昭和元禄落語心中」を見始めたのはEXILEに入り「お芝居の勉強をもう1回ちゃんと立ち返ってやりたい」と思ったことがきっかけで、アニメを通じて落語という芝居から学びを得ていたのだそう。同作では声優に“落語を演じる”という難易度の高いチャレンジが求められたが、世界は「演技もすごく好き」と尊敬の念を込めて語る。福山もアニメ化発表当初は「(アニメ化)できるの!?」と驚いたそうだが、関智一・山寺宏一といった落語経験者をはじめ、豪華なキャスト陣の出演に「アベンジャーズじゃん」と思ったことを振り返った。

止まらないトークに福山「夜通しできるやつ」

その後も年表に挙がった各作品の話題で盛り上がり、エンディングの収録へ。話も尽きぬ中あっという間に終わってしまった収録を世界が「時間が足りないです!」と惜しむと、福山も「夜通しできるやつですね」と同意する。藤津は世界とは初対面ながらも作品を通じて人柄を垣間見たようで「この作品のここが好きだとわかると精神的に距離が縮まる」と笑顔を見せた。最後に投げかけられた「あなたにとってアニメとは」という質問に対し世界が示した答えに、出演者・スタッフ一同は「おおー」と感嘆の声。アニメへの熱い思いが世界の口から語られ、第1回は幕を下ろした。世界がどんな回答をしたかは、ぜひ番組で確かめてほしい。

6月13日16時より配信される第2回にはプロレスラーのグレート-O-カーンが登場。好きなアニメや、アニメを好きになったきっかけについて語り尽くす。第3回以降は毎月第2木曜日16時に更新予定。次なるゲストなど続報は公式サイトやX(旧Twitter)をチェックしよう。

左から藤津亮太、福山潤。

左から藤津亮太、福山潤。

プロフィール

福山潤(フクヤマジュン)

11月26日生まれ、大阪府出身。BLACK SHIP所属。主な出演作に「コードギアス 反逆のルルーシュ」(ルルーシュ・ランペルージ役)、「デュラララ!!」(岸谷新羅役)、「吸血鬼すぐ死ぬ」(ドラルク役)、「おそ松さん」(松野一松役)、「狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF」(クラフト・ロレンス役)などがある。アーティスト活動も行いシングルCDやアルバムを発売しているほか、俳優として映画出演するなど幅広く活躍している。

藤津亮太(フジツリョウタ)

1968年生まれ、静岡県出身のアニメ評論家・フリーライター。2000年よりフリーランスとしてアニメ関係の取材や執筆活動を行う。著書に「アニメ『評論家』宣言」「チャンネルはいつもアニメ―ゼロ年代アニメ時評」「ぼくらがアニメを見る理由──2010年代アニメ時評」「アニメと戦争」「アニメの輪郭」がある。

世界(セカイ)

1991年2月21日生まれ、神奈川県出身。2014年4月のオーディションを経てEXILEにパフォーマーとして加入。2016年にはFANTASTICSのリーダー兼パフォーマーとしても活動を開始。2018年12月5日、FANTASTICS from EXILE TRIBEとしてシングル「OVER DRIVE」でメジャーデビュー。アニメやゲームなどの分野でも活動の幅を広げている。